妊娠中のコーヒー、1日1杯でも子どもの肥満に影響?
(画像=Credit: Pixabay、『ナゾロジー』より引用)

Point
・妊娠中は、1日1、2杯のコーヒーであっても子どもの体重超過に影響を与える
・これまで「3杯程度」は許容範囲だった
・カフェインが直接の原因であると証明されたわけではなく、さらなる研究が必要

「眠気覚まし」として愛されるコーヒー。そのカフェインの量から、妊娠中の「多量摂取」は控えたほうがいいとされてきました。しかし、最新の研究により「適度な量」であっても子どもの体重超過の原因となることが示唆されています。

Maternal caffeine intake during pregnancy and childhood growth and overweight: results from a large Norwegian prospective observational cohort study

これにより、カフェインが直接の原因であると証明されたわけではありませんが、研究では1日1、2杯のコーヒーであっても、子どもの肥満の原因となる可能性があるとされています。

スウェーデンとノルウェーの研究機関が協力して行った今回の研究では、50,943人の妊婦が調査の対象となりました。子どもたちを8歳になるまで追跡調査した結果、妊娠中にカフェインを多く摂取していた女性の子どもは、就学前や児童期において肥満傾向がみられました。

たとえば、5歳のときには、カフェインを最も多く摂取していた母親グループでは、カフェイン摂取が最も少ない母親グループと比べて肥満児が5%多く存在しました。

そして、「妊娠中のカフェイン許容量」として推奨されてきた量を守っていた妊婦の子どもにも、肥満傾向は変わらずみられました。スウェーデンの国家食品機関が妊娠中に推奨していたのは「1日300ミリ未満のカフェイン」であり、これは「コーヒー3杯分」に相当する量です。

妊娠中のコーヒー、1日1杯でも子どもの肥満に影響?
(画像=Credit: Pixabay、『ナゾロジー』より引用)

幼少期に肥満体型であれば、大人になってもそのまま肥満を維持するケースが多く、この時期の体重超過を軽視してしまうと、大人になった後の心臓病や糖尿病のリスクを引き上げる結果になってしまいます。

研究をおこなった Verena Sengpiel 准教授は、「この研究に意義をもたらすためには、さらなる調査が必要となります。しかし、妊娠中にカフェインの摂取を減らす、あるいは完全に断つことは賢明な判断といえるでしょう」と語っています。

提供元・ナゾロジー

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