
2005年コンフェデレーションズカップ第3節
フル代表で日本が最も勝利に近づいたのは、2005年のFIFAコンフェデレーションズカップ(2017年をもって廃止)における対戦時だったのではないだろうか。
翌2016年のドイツW杯に向けて強化を進めていたジーコ監督下の日本は、コンフェデレーションズカップのグループリーグ第3節でロナウジーニョ、カカ、アドリアーノ、ロビーニョなど強力な攻撃陣を有するブラジルと対戦した。
この試合、最初にネットを揺らしたのは日本だった。前半3分、1タッチでの繋ぎから右SBの加地亮がスルーパスに飛び出し、シュートを放つ。オフサイドの判定で幻のゴールとなったが、映像を見返すとオンサイドに見える。VARがある現在であれば、先制ゴールとなったように思う。
このピンチでスイッチが入ったブラジルは本来のプレーを見せ、9分にロナウジーニョからパスを受けたロビーニョが決めて先制。さらに17分にはカカがポスト直撃のシュートを放つ。
それでもこの日の日本は、やられっぱなしではいない。24分、FKに福西崇史が合わせ、クロスバー直撃。反撃ののろしを上げると、27分だった。素早いリスタートからパスを受けた中村俊輔が素早く前を向き、左足を振り抜く。強烈なミドルシュートは懸命に伸ばしたGKマルコスの手を弾いてネットを揺らした。
同点に追い付いた日本だったが、その時間は長く続かない。31分、クロスに合わせたロナウジーニョに決められ、再びリードを許す。得点が必要な日本は後半から大黒将司を投入。55分にはその大黒のクロスに中村俊輔が合わせたが、カバーに入ったDFにクリアされた。
徐々にスペースが増えたことで技術で上回るブラジルに数多くのチャンスを作られるが、GK川口が追加点は許さない。さらに観客の乱入など波乱はあったが集中力を切らさなかった日本は、82分にビッグチャンスを迎える。中田英寿が倒されて得たFKを中村俊輔が狙うと、ポスト直撃。跳ね返ったボールに誰よりも速く反応した大黒が蹴り込み、2-2の同点に。
グループリーグ突破のためには勝利が必要な日本はさらに、後半アディショナルタイムに大黒が2度のシュートチャンスを迎える。が、ここはGKとポストに防がれ、直後に同点のまま試合終了。惜しくもグループリーグ突破とはならなかったが、日本は最後の最後まで見せ場を作り、勝ち点3まであと一歩と迫ったのだった。

13度目の正直へ
6月6日、日本は国際Aマッチでは13度目となるブラジルとの試合を迎える。0勝2分10敗という対戦成績に、初の勝利を加えることはできるのか。
11月に開幕を控えるFIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)に向けて、W杯最多優勝(5制覇)を誇るブラジルに対し、期待感を高める試合となることを願いたい。
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