「ナイキ(NIKE)」は、変化を続ける課題に対応できる先進的なプロダクトを開発する「ナイキ ISPA(NIKE ISPA)」から、リサイクルのために簡単に完全に分解可能なシューズ「ナイキ ISPA リンク」と「ナイキ ISPA リンク アクシス」を発売する。
「ナイキ」はこれまでリサイクル素材を商品に活用するなどして、機能性と実用性を兼ね備えながらも環境負荷を抑えたデザインを取り入れてきた。今回の「ナイキ ISPA リンク」において注目したのは循環デザインの「分解」という要素だ。耐久性や屈曲性のために接着剤を利用していた従来のシューズはリサイクルがほぼ不可能となっていた。リサイクルのためにはシューズを細かく切り刻む必要があるが、この工程にはエネルギーを多く使う上に素材の用途も限られてしまう。
6月に発売予定の「ナイキ ISPA リンク」は3つの部材を接着剤を使わずにつなぎ合わされており、使用後は分解することができる。構造はミッドソールの突起をアッパーの開口部に差し込んで組み立てるシンプルなデザイン。快適さ、安定感、通気性など実用性の点も40名のアスリートたちが200時間使用して証明した。製造過程においては、長時間の糊付け作業や冷却と加熱に伴うベルトコンベアシステムのエネルギーを消耗する工程を省いている。
2023年初頭に発売予定の「ISPA リンク アクシス」は「ISPA リンク」のサスティナビリティ志向をさらに進化させたものだ。アッパー部分は100%再生ポリエステル、ソールのTPUはエアバッグ素材のスクラップを使った100%リサイクル原料を使用。また、リサイクル素材の割合を高めながら耐久性を保つためにTPUケージを採用している。「ISPA リンク アクシス」は素材選択、循環性、廃棄物削減と改良という循環デザインの原則を形にしたものとなっている。
「ナイキ」は今後もこれらの革新的なモデルだけでなく、リサイクル能力を高めるパートナーシップの構築や、商品回収プログラムに対し投資を行い、さまざまな形で循環型社会を実現する環境を整えていく。チーフ・デザイン・オフィサーのジョン・ホーク(John Hawk)は、「私たちには調達、生産、利用、回収、そしてまた新しい物作りの方法まで全体を考えたデザイン・ソリューションを考える責任があります。そのゴールは、もっと意義を高められるものづくりをもっと深く考えて行うことです」と述べている。
文・三澤さくら/提供元・SEVENTIE TWO
【関連記事】
・「オニツカタイガー」からファッションと快適性の両面にこだわった新作シューズが登場
・「ニューバランス」から90年代のアウトドア小物に着想を得た限定カラーの「992」が登場
・「ザ・ノース・フェイス」が独自に開発した防水透湿素材を使用したコーチジャケットを発売
・「ミズノ」が高反発ソール素材を搭載したランニングシューズ「WAVE AERO 19」を発売
・「ナイキ」から環境に配慮したバスッケトボールシューズが誕生