多くの人は潜水艦について「狭い」とか「専門家たちが乗るもの」というイメージをもっています。
そのためは「深海」は、私たちから遠く離れた神秘の世界でした。
ところがオランダの潜水艦メーカー「U-Boat Worx」は、商用または民間利用できる潜水艦「NEXUS」を提供しています。
どんな人でも深海の入口である水深200mの旅を楽しめるのです。
水深200mの世界と一体化できる潜水艦
NEXUSシリーズは、水深200mまで潜ることができる一般向けの潜水艦です。
深海は水深200m以降と定義されるため、ちょうど深海の入口まで潜ることができるのですね。
水深200m以降の水圧には耐えられませんが、深度保護機能が備わっているため、危険な深さまで潜ってしまうことはありません。
またNEXUSシリーズは一般的な潜水艦と異なり、快適さや没入感に重点が置かれています。
水圧に耐える透明な楕円型シールドにより、幅広いシームレスな視野が確保されているのです。
そのため乗客は、まるで深海と一体化したような感覚を味わえるでしょう。
最新型のNEXUS 8には、合計9人(パイロット1人、大人6人、子供2人)が搭乗でき、家族や友人で深海の旅を楽しめます。
さらに全方向移動が可能な点も、潜水旅行の楽しさを深めてくれます。
前後・上下の動きだけでなく、左右へのスライドが可能なのです。
そのため搭乗者たちは、深海を漂う生物のような視点で、他の生物たちを観察できるでしょう。
民間用潜水艦ということで安全性が気になりますが、U-Boat Worx社はこれまでにいくつもの潜水艦を開発済みです。
ビデオには他のタイプで潜水旅行を楽しんでいる様子が映されているため、NEXUSシリーズも問題ないでしょう。
人類にとっての宇宙や深海は、もはや遠い場所ではなく、旅行できる楽しくて身近な場所になったのです。
参考文献
u-boat worx nexus submarine seats 9 people and travels up to 200 meters deep into the sea
提供元・ナゾロジー
【関連記事】
・ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
・人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
・深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
・「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
・人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功