中国バッテリーメーカーのCATLが内需を超え、欧州・北米などへグローバル攻略に拍車をかける中、Kバッテリーとの戦線が拡大する様相だ。業界は受注競争を超え、特許攻防が続きかねないと指摘している。LG・SKが約2年間国内外で行ってきた攻防のように、韓国バッテリーメーカーが保有している特許に対する海外後発走者の侵害紛争が再現されかねないからだ。CATLのほかにも、ほかの中国企業やノースボルトなど、欧州バッテリースタートアップ各社も、「Kバッテリー特許」侵害リスクが少なくないという分析だ。韓国メディア「マネートゥデイ」が報じた。(写真:CATLサイトより)
22日、関連業界によると、CATLは昨年、自国のCABLを相手取りバッテリー特許侵害訴訟を起こした。CABLが中国内の電気自動車(EV)に納品したバッテリーに自社の核心技術が盛り込まれているというのが訴訟の骨子だった。現地では、今回の訴訟がCABLの急激な成長振りをけん制する狙いがあると解釈している。勝訴した場合、賠償金・ロイヤリティーなどを受け取ることになり、実益にもつながる。
バッテリー業界ではCATLが中国政府の保護の範囲から外れた欧州・北米では逆にCABLのような境遇になりかねないと指摘する。自国内での販売だけでグローバルトップに躍り出たCATLが海外生産を本格化する場合、グローバル市場を先取りした韓国バッテリー企業各社のけん制のトップにならざるを得ない。
CATLは今年下半期、ドイツ工場の稼動を開始する。欧州はKバッテリーのホームと呼ばれてきた地域だ。CATLは北米電気自動車市場への対応のための前哨基地としてメキシコへの投資を検討している。韓国バッテリー企業も米国、カナダ、メキシコ地域に電気自動車、バッテリー、電装関連の大々的な投資を進めており、激突は避けられない。CATLが投資を検討している他の地域がインドネシアもLGエナジーソリューションを中心としたいわゆるKバリューチェーンが東南アジア攻略拠点にしているところだ。
CATL牽制のためにも韓国バッテリー企業の「特許攻勢」があり得るという観測が出ている背景だ。CATLは円筒形・角形バッテリー生産会社だ。LGエナジーソリューション(円筒形)とサムスンSDI(円筒形・角形)の主力生産品だ。両社は小型電池中心のバッテリー市場の時から高い技術力を蓄積してきた会社だ。LGエナジーソリューションは国内外にそれぞれ7899件、1万5403件の特許を保有した。サムスンSDIも国内5231件、海外1万2504件の特許を保有している。
バッテリー業界の関係者は、「LG、サムスンなどが小型電池市場の時から技術力を蓄積したという意味は、多様な源泉技術を保有していたという意味だ」とし、「彼らが特許訴訟で圧迫すれば、CATLをはじめ後発走者らは太刀打ちできないだろう」と説明した。
続いて「中国政府は自国で発売するグローバル完成車ブランドを相手に中国製バッテリー搭載を露骨に要求するとともに、差別的補助金政策で韓国バッテリー企業の中国進出をけん制してきた前例がある」とし「絡み合ったグローバル完成車・バッテリー市場での利害関係を意識しなければならないが、CATLなどの過度な膨張を防ぐため、韓国企業が訴訟カードを取り出す可能性はいつも開かれている」と述べた。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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