ガラスのことをどう考えれば良いのか?

ガラスでは分子の再配置が絶えず起こっている。分子の“固体的な振動”と“液体的な流動”の中間的な状態が明らかに
(画像=水が入った1杯のガラスのコップ / Credit:pixabay、『ナゾロジー』より 引用)

再配置現象を固体の「安定性」という点で考えると、これは微視的な破壊現象と捉えることができると研究は述べています。

破壊は、ほんの僅かな熱を与えただけでも発生し、これはガラスがギリギリで安定性を保っている固体「限界安定な固体」ということができます。

このギリギリな状態の秘密は、ガラスの形成過程にあると考えられます。

ガラスは水のようにある温度でパキッと結晶になるわけではありません。1300℃~1600℃の高温ではどろどろに溶けますが、500℃~700℃を下回ると、粘性が増していき、粒子が規則正しく並ばないまま固まっていきます。

それが分子の再配置を起こす、ギリギリの安定な固体のガラスを生み出していると考えられるのです。

今後、ガラスについてさらなる理解を深めるためには、そんなガラスの形成過程までさかのぼって研究を進めていく必要があるといいます。

日常的にガラスを利用する分には、別段影響のない話ですが、ガラスのコップの水を飲むとき何だか妙な気分になってしまいそうです。

提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功