A.天文観測による時刻を表すGMTに対して、UTCは原子時計を利用して定めた時刻
GMTについてはQ11で詳しく取り上げているが、Greenwich Mean Time(グリニッジ・ミーン・タイム)の頭文字を取ったものである。1884年にロンドンにあるグリニッジ天文台を南北に通る子午線を“経度0(本初子午線と呼ぶ)”とし、この経度で太陽が南中する時間を正午と定めて時刻が制定された。
一方のUTCはUniversal time coordinated(ユニバーサルタイムコーディネーテッド)の頭文字を取ったもので、“協定世界時”の略称。
超高精度を誇るセシウム原子時計の振動数を利用して国際原子時を決め、そこに閏秒を追加して世界の公式時刻として使用している。

これまで世界標準時刻として使用されてきたGMTであるが、近年、海の潮汐運動がブレーキとなり、地球に自転周期が年々長くなってきていることがわかった。
UTCはこれを是正するために考えられたものであるため、現在はより正確なこのUTCが世界の基準となっている時刻である。
なお、このGMTとUTCは国際協定により同義として認められているため、時計の機能としても表現が違うだけで同じものと考えてよい。
文◎松本由紀(編集部)
提供元・Watch LIFE NEWS
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