救急車とは、傷病者を医療機関へ搬送する専門車両のことです。最近では、救急車内で応急手当てを行うドクターカーも登場しています。なお救急車の正式名称は、消防法によると救急自動車といいます。そんな救急車のベースとなっている車種は何でしょう?

目次

  1. 救急車には種類がある
  2. 救急車のベースとなっている車種5選

救急車には種類がある

ひとくちに救急車といっても、その種類はさまざまです。私たちが一般に目にするのは「高規格救急自動車」と呼ばれ、車内で救急救命士によって救命活動が行えるよう設計されています。そのなかでもベッド1床のものを、通称標準救急車=普通救急車と呼んでいます。

ベッド2床は2B型救急車、3床なら3B型です。これ以上大型になると「大型救急自動車」が存在し、主に搬送中に治療を行うドクターカーとして使用されます。

さらに大型の「スーパーアンビュランス」になると、被災地などでの救護所としても機能します。これは、現在東京消防庁に配備されています。また、小型のものは軽救急自動車が存在し、狭い小道への侵入と傷病車の運搬に特化しています。

各救急車は、それぞれサイズが違いますので、ベース車両もさまざまです。

では、そんな救急車のベースとなっている車種をご紹介しましょう。

救急車のベースとなっている車種5選

①トヨタ ハイエース

救急車のベースとなっている車種5選
(画像=『CarMe』より 引用)

救急車といえば、ハイエースのイメージではないでしょうか?それもそのはず。ハイエースをベースにした救急車はシェア9割を超えます。

ハイエースベースの救急自動車には「ハイメディック」の名称が付けられます。トヨタテクノクラフト社が架装し、全国のトヨタ店で販売しています。

主として高規格救急自動車の標準版のベース車両ですが、自治体によっては2B型の架装を発注する場合もあるそうです。

同じカテゴリーでは、日産 初代エルグランドをベースにした「パラメティック」も活躍しています。こちらは1999年デビューですから、今年で18年目となる異例の長寿命車です。

②トヨタ コースター

ドクターカーは医師や救急救命士が同乗し、救急車内で医療行為を可能にした救急自動車です。

搬送用の救急自動車と比較すると、多岐に渡る医療設備が備え付けられるため、大型のベース車を使用する傾向にあります。

トヨタ コースターや日産 シビリアンといったマイクロバスがベースになっています。

③日産 ジューク

救急車のベースとなっている車種5選
(画像=『CarMe』より 引用)

ドクターカーと呼ばれる救急自動車は、2種に大別できます。

ひとつは医療・患者搬送用、もうひとつは医療スタッフ搬送用です。いずれも救急医療に対応する設備を備えたものですが、それ以外に医師を搬送するためだけのドクターカーも存在します。

乗用車型ドクターカーのベース車両はさまざまで、山間の僻地への移動や高機動性を考慮し、日産 ジュークのような小型SUVを用いる場合もあります。

④いすゞ ギガ

いすゞ ギガは、全幅2,490mm、全長11,810mm、ホイールベース7,125mmにものぼる大型トラックです。

いすゞ ギガをベースにした特殊救急車(スーパーアンビュランス)は、モーターホームのようにキャビンが横方向に展開し、床面積で40平方メートル、最大8床のベッドを設置可能。大規模災害などで多数の傷病者が発生した地域で、救護所として活動します。

2017年7月現在、東京消防庁には2台配備されており、前出のいすゞギガの他に、三菱ふそう スーパーグレートベースの車両があります。

これまでスーパーアンビュランスは、地下鉄オウムサリン事件や秋葉原通り魔事件といった際に活躍しました。

⑤軽ワンボックスカー

救急車のベースとなっている車種5選
(画像=『CarMe』より 引用)

軽救急自動車のベースとなるのが、軽自動車のワンボックスカーです。導入当初の目的は、高規格救急自動車では侵入できない狭い道路への侵入と傷病者の運送でした。

東日本大震災を経た現在では、軽救急自動車に高度医療器具を搭載し、被災地など十分な医療施設がない地域で運用される移動式医療器具としての役割も担っています。

消防法で定められている救急自動車の用途は、医療情勢の変化、ニーズや生活様式の多様化に対応するべく、さまざまに分化しています。そのためベース車両も多岐にわたっています。

普段、なにげなく目にしている救急車両ですが、見方を変えるとさまざまな形態で活躍していることがわかりますね。

提供元・CarMe

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