色々ある「魚の骨」対策
魚好きにとっても厄介な存在であると言える骨。我が国でも、古くから魚の骨を食べやすくする試みが様々な形で行われてきました。
長時間加熱
骨をどうにかする上で最もポピュラーな方法は「長時間加熱」すること。長時間加熱すると、骨の主成分のひとつであるコラーゲンが溶け出し、柔らかくなります。長時間の煮炊きを行う他、揚げることや圧力調理など「高温短時間」の調理スタイルも活用されています。
酢漬け
別の方向では「酢漬け」もポピュラーな手段だと言えるでしょう。酢の主成分である酢酸が、骨の主要無機成分であるリン酸カルシウムを溶出させ、骨をもろくさせます。日本だけでなく、欧米においても「マリネ」という調理でこの手段が用いられています。
物理的に抜く
更に、工業的になりますが「物理的に骨を取り除く」手段も存在します。これは簡単に言うと「三枚におろした魚を一旦冷凍して解凍し、身を柔らかくした後ピンセットで小骨を切除し、結着剤で割れ目を塞ぐ」というもの。他の方法と違い、骨を完全に除去できるため、老人など嚥下力が落ちた人でも喉に骨を刺す危険性がなく、介護の現場からも需要が高いそうです。
カルシウムは大事
ただし、魚の骨に含まれるカルシウムは、子供の成長や、我々の健康寿命を伸ばすためには欠かせない存在でもあります。厄介だからといって無下にしすぎないこともまた、骨をどうにかするのと同じくらい大切なことかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
提供元・TSURINEWS
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