クレジットカードは不正利用されても被害は補償されるが、Suica、nanaco、WAON、楽天Edyなどの電子マネーを紛失したり盗まれた場合はどうなるのだろうか? クレカのように補償されるの? そこで今回は、電子マネーの紛失・盗難の場合の対処方法と補償について解説しよう。 

交通系ICカードは記名式のみ補償が受けられる!

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(画像=オトナライフより引用)

クレジットカード(以下クレカ)を紛失したり盗まれた場合は、カード会社に連絡して利用停止手続きをすれば60日以内の被害は補償してもらえる。しかし、Suica・nanaco・WAON・楽天Edyといった電子マネーの場合はどうなのだろうか?
 まず、SuicaやPASMOなどの交通系のICカードは、所有者の情報を登録する「記名式」と登録のない「無記名式」の2種類があり、記名式だけが補償対象となる。記名式の場合は駅の窓口で利用停止の手続きすればその時点での残高が補償される。残念ながら利用停止前に不正利用されたお金は補償されない。また、SuicaやPASMOの場合は、再発行手数料(520円)+デポジット(500円)=1,020円がかかる。詳しくは『ICカードのSuica(スイカ)やPASMO(パスモ)は「記名式」に変更すれば紛失しても再発行可能!』を参照してほしい。なお、クレカ機能付の場合はクレカの利用停止手続きも行うこと。また、モバイルSuicaは携帯電話会社ではなく、モバイルSuicaコールセンターに連絡して利用停止&再発行手続きをする必要がある。
 

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Suicaは手数料がかかるものの「記名式」のみ残高補償が受けられる。「無記名式」は補償されないので要注意!(画像=オトナライフより引用)

オートチャージ機能付は被害が拡大する恐れも!

 電子マネーにはクレカ一体型でオートチャージ機能が使えるものがある。オートチャージは残高が足りないときに自動的にチャージされるので便利だが、盗まれたときは不正利用の損害が大きくなってしまう恐れがある。実際、楽天Edyでは過去にオートチャージによって290万円も不正利用された事例があるのだ。
 そんなことにならないように、楽天Edyを紛失したらすぐに利用停止とオートチャージ停止の手続きを行おう。ただし、楽天Edyはさまざまな形態があり、手続方法も異なるので注意しよう。まず、おサイフケータイ/おサイフケータイジャケットの場合は携帯電話事業者に連絡して解約手続を行うが、事前登録されていないと残高の引き継ぎができないので注意が必要だ。次に、クレカ・キャッシュカード一体型の場合は、クレカの運営会社や銀行に連絡しても楽天Edyを停止できないことがある。楽天Edyの利用停止とオートチャージ停止の手続きは、別途行っておくほうが確実だろう。
 

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楽天Edyはさまざまな形態で利用できるが、いずれの場合も楽天Edyの利用停止やオートチャージの停止手続きを確実にしておきたい(画像=オトナライフより引用)

nanacoは翌日停止なので被害が拡大する場合も!

イトーヨーカドーやセブン-イレブンで便利に使える「nanaco(ナナコ)」も、紛失したらすぐにお問合せセンターに電話して利用停止&再発行手続きを行おう。ただし、nanacoの利用が停止されるのは連絡した翌日になるため、その間に不正利用されたお金は補償されない。とくにオートチャージの場合は被害が拡大する恐れがあるので、オートチャージは即時停止してもらおう(電話すればすぐに停止できる)。また、クレカ一体型の場合はクレカ運営会社で利用停止手続きをしてもオートチャージを停止できない場合もあるので、別途「利用停止の登録」手続きを行っておくのが確実だ。
 なお、nanacoモバイルの再発行は手数料無料で行えるが、カード型の場合は通常の再発行手数料300円が必要になる。
 

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nanacoは電話で利用停止しても停止されるのは翌日になるので、オートチャージで被害が拡大する恐れがある(画像=オトナライフより引用)

WAONは種類によってコールセンターがバラバラ!

 イオンやミニストップなどで使える「WAON(ワオン)」を紛失したら、すぐにコールセンターに連絡しよう。ただし、WAONはクレカ一体型などさまざまな形態があり、それぞれ対応するコールセンターが異なる点には注意したい。もちろん停止処理が完了したら、その時点でのWAON残高・WAONポイントを再発行後のカードに入れてもらえるが、受け取りはWAONステーションかWAONネットステーションでの手続きになる。残念ながらWAONも、利用停止されるまでの間の不正利用による被害は補償されない。
 なお、WAONカード・ゆうゆうワオン・G.G WAON・ご当地WAONなど一部のWAONは、所有者情報登録していないと補償&再発行ができないので要注意。
 

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WAONはさまざま形態があるため、対応するコールセンターが異なる点は要注意(画像=オトナライフより引用)

電子マネーは自分でしっかり管理しよう!

 電子マネーを紛失すると、クレカのように手厚い被害補償は受けられないことがお分かりいただけただろう。万一のことを考えれば、普段からあまり大金を入れておかない、あるいはオートチャージの上限を低く設定しておくなどの対策が重要だ。また、無記名式の電子マネーはほとんど“現金”と同じ扱いになり補償は一切ない。可能であれば記名式にしておこう。
 もっともヤバいのは電子マネーの不正利用に本人が長期間気づかないこと。クレカと違って過去の被害補償がないので、オートチャージを使われると数百万円の被害に遭う恐れもある。とくにスマホでの利用は、最低限スマホやアプリにロックをかけておきたい。
 なお、電子マネーが盗難された場合は、警察に届けを出しておこう。善良な人に拾われれば、被害がほとんどない状態で戻って来る可能性はある。

●参照元:電子マネーをなくした!不正利用を防ぐにはどうすればいい?【マネラボ】

●JR東日本「Suica定期券・My Suica(記名式)をなくした場合の再発行」(公式)は→こちら

●楽天Edy「Edyカード・おサイフケータイの故障/盗難/紛失について」(公式)は→こちら

●nanaco(ナナコ)「紛失・盗難のお手続き」(公式)は→こちら

●WAON「WAONを紛失・盗難・破損したときは」(公式)は→こちら

(文=藤原博文/フリーライター)

提供元・オトナライフ

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