イワシベイトで大型魚を狙う
俺もう帰りたいビームを誠司船長に向けるも、次のコースは決まっているらしい。船はイワシの回遊のある鳥羽方面へと舵を切る。イワシがベイトなら、サビキは何も装飾のない空バリがベスト。すぐに付け替えて投入の合図を待つ。
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水深は50m前後。一番わいていた時期に比べると、イワシの群れは少し小さい。こういうときは、投入合図に遅れないことが全てである。
オモリを手に持ち、合図と同時にドボン。うっすらサミングでイワシのタナを通過させる。タナで上げ下げではなく、フォールで掛けるのが正解だ。ピンポイントで直撃してくれるおかげで、イワシはまずまずの付きだ。
掛けた付近で待って青物を狙うか、下で食い散らかしているマダイやヒラメを狙って落とし込むか、何でもこいで底からゆっくり巻いてくるかは釣り人次第である。まずは夏なのにうまいとうわさの大ハマチ、ワラサ狙いでタナ付近に止め置くと、サワラやタチウオに切られながらもよく肥えた本命がポロポロ食ってくる。
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クーラー満タン早上がり
残るはマダイ。底から2~3mのタナで待つも、ヤキと呼ばれる小型のタイやイナダがせっかく付けた貴重なイワシをむしり取っていく。「こりゃ今日のピンク色は難しいかなぁ」と諦めかけた時、船長でかした強烈反応!間違いなくハリ全部に付いたイワシをゆっくり落とし込んでいくと、ガコガコとようやく食ってきた。
イワシ食いのタイの引きは強烈だ。存分に楽しんで取り込んだのは、美しい良型。もうホントに満足。
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沖上がりまではかなり時間を残していたが、ここでクーラー満タン早上がりとしていただいた。船宿に帰り応接ソファーで冷たいアイスコーヒーをいただきながら思う。暑くても釣りは面白い。
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<週刊つりニュース中部版APC・峯卓/TSURINEWS編>
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この記事は『週刊つりニュース中部版』2021年8月20日号に掲載された記事を再編集したものになります。
提供元・TSURINEWS
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