サムスンが折りたたむ(フォルダブル)フォンに続き、くるくると巻く「ローラブル」スマートフォンの発売を準備している。ローラブルフォンはLG電子が2021年1月、CES2021を通じてコンセプトを初めて公開し、電波認証まで受けた革新製品だ。しかし、LG電子が昨年4月、スマートフォン事業の撤退を決めたことで、商用化は実現しなかった。韓国メディア「IT Chosun」が報じた。(写真:サムスン電子ローラブルフォンのレンダリングイメージ=LETS GO DIGITAL)
電子業界が23日明らかにしたところによると、サムスン電子は最近、世界知的財産権機関(WIPO)に「透明ローラブルディスプレイ」を駆動させる二つの方式のスマートフォンの特許を出願した。両特許ともローラブルディスプレイを搭載している。ローラブルパネルが側面から飛び出す方式と、ローラブルパネルが垂直に開く方式などで差をつけた。
オランダのITメディア「ギャラクシークラブ」は、サムスン電子が今後発表する新製品コード3種(B4・Q4・N4)を開発中だと報じた。このうちN4を「完全に新しいフォルダブルフォームファクター」と呼び、ローラブルフォンまたは二つ折りのフォンだと見通した。
同メディアは「サムスン電子はB4・Q4に比べてN4をさらに遅く発表する可能性もある」とし「限定版で発売する可能性もある」と付け加えた。
また別のITメディアのサムモバイルは、「サムスン電子がすべての種類に対して、折りたたんだり閉じたりできる装置を実験しており、N4がラインナップを引き立たせるだろう」と強調した。
これに先立ち、サムスン電子はローラブルまたはスライダブルディスプレイ搭載のスマートフォン特許技術を相次いで出願した。電子業界は、サムスン電子がこれまで蓄積してきたフォルダブル特許とともに、サムスンディスプレイの技術力を基盤に今後、ローラブルフォームファクターを拡大採用する可能性に注目している。
サムスンディスプレイは1月に開かれたCES2022でS字型に折りたたむことができる「フレックスS」、真ん中のディスプレイを基準に左右のディスプレイを内側に折りたためる「フレックスG」、ディスプレイが伸びる「フレックススライダブル」などを紹介した。
サムスン電子がフォルダブルに続き、多様なフォームファクターの開発に力を注ぐのは、ポートフォリオの多様化でスマートフォン市場でのグリップを強固にするためだ。ファーウェイ・シャオミ・OPPO・アナーなどの中国メーカーは最近相次いでフォルダブルフォンを披露した。市場調査会社のカウンターポイントリサーチは、サムスン電子のフォルダブルフォン市場シェアが昨年の85%から今年は74%に低下するものと予測した。
電子業界の関係者は、「サムスン電子のフォームファクター多角化は最近、Sシリーズなどフラッグシップの販売不振が相次ぎ、成長突破口を開くためのものと見られる」とし、「フォルダブル市場で競争優位を占め、革新フォームファクターのローラブルフォンで、中国メーカーより一歩リードするという意味もある」と分析した。
サムスンはローラブルパネルをテレビ用にも開発中だ。これにはサムスンディスプレイが量産中のQD-OLEDパネルを活用する。サムスンディスプレイは、製品開発が完了し次第、サムスン電子とローラブルテレビの活用案について議論するものと見られる。
ローラブルスマートフォンとは違って、ローラブルテレビはLG電子がすでに商用化している。LG電子が2020年10月に韓国で初めて発売した「LGシグネチャーOLED R」は、2021年4月から海外市場にも発売され、現在17カ国で販売されている。LG電子は今年3月、スペイン、インドに続きナイジェリアなどアフリカ地域にも同製品を発売し、ローラブルテレビの主導権確保に積極的に乗り出している。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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