北海道・羽幌(はぼろ)町で、ソフトクリームのような新種アンモナイトが発見されました。

化石は、白亜紀のコニアシアン期(約8,980〜8,630万年前)に当たる地層から出土し、新たに「エゾセラス・エレガンス(Yezoceras elegans)」と命名されています。

意味は、ラテン語で「蝦夷地の優雅なアンモナイト」とのこと。

また、エゾセラス属の新種発見は、1977年以来、44年ぶりの快挙となりました。

研究は、北海道・三笠市立博物館、横浜国立大学大学院により、1月1日付けで『Paleontological Research』に掲載されています。

新種は「異常巻きアンモナイト」の仲間

本研究では、計8点のエゾセラス属の化石が採取され、すべて新種と特定されています。

エゾセラス属は、コニアシアン期に生息した「異常巻きアンモナイト」の一種です。

異常巻きアンモナイトとは、らせん状の殻の各層が解けて間隔のあいた形のものを指します。

ソフトクリーム型の殻をもつ「奇妙な新種アンモナイト」を北海道で発見!
(画像=新種の化石 / Credit: 三笠市立博物館提供、『ナゾロジー』より引用)
ソフトクリーム型の殻をもつ「奇妙な新種アンモナイト」を北海道で発見!
(画像=発見された場所 / Credit: 三笠市立博物館提供、『ナゾロジー』より引用)
ソフトクリーム型の殻をもつ「奇妙な新種アンモナイト」を北海道で発見!
(画像=8点の化石標本 / Credit: 三笠市立博物館提供、『ナゾロジー』より引用)

エゾセラス属は、これまでに1977年に発見された、「エゾセラス・ノドサム (Yezocera nodosum)」と「エゾセラス・ミオチュバキュラータム(Yezocera miotuberculatum)」の2種が知られていました。

今回の「エゾセラス・エレガンス」は、らせん状の殻が互いに接していない、各層の下部に2列の突起があるなど、既存種と形態的に大きく違うことから新種と考えられています。

ソフトクリーム型の殻をもつ「奇妙な新種アンモナイト」を北海道で発見!
(画像=3種のエゾセラス属 / Credit: 三笠市立博物館提供、『ナゾロジー』より引用)

調査の結果、3種の中では、エゾセラス・ノドサムが最も古くに出現し、次いで新種のエゾセラス・エレガンスが登場したことが判明しました。

研究チームは「新種は、ノドサム種から派生した可能性が高い」と指摘します。

一方で、最も遅く出現したミオチュバキュラータム種が、ノドサムから直接派生したのか、あるいはエレガンスを経由したのかはわかっていません。

ソフトクリーム型の殻をもつ「奇妙な新種アンモナイト」を北海道で発見!
(画像=3種の産出時代 / Credit: 三笠市立博物館提供、『ナゾロジー』より引用)

なお3種の化石は、いずれも北海道にあるコニアシアン期の地層から出土しており、「エゾセラス属はこの地域の固有種として、短期間で独自に種内進化したのでは」とも推測されます。

エゾセラス属の他にも、同時代の太平洋北西域にいた異常巻きアンモナイト類は、なぜか固有種が多いことで有名です。

それと対照的に、正常巻きのアンモナイト類は、世界に広く分布していました。

こうした違いが生まれた理由は、依然として謎に包まれています。

同チームは「エゾセラス属をはじめ、異常巻きアンモナイト類の進化傾向や形態変化の関係性を調べていくことで、その謎に答えられるかもしれない」と述べています。


参考文献

Cretaceous-Period Ammonite Had Bizarre Shell

北海道羽幌町より新種の異常巻きアンモナイトを発見(三笠市立博物館)

元論文

A New Species of Yezoceras (Ammonoidea, Nostoceratidae) from the Coniacian in the Northwestern Pacific Realm


提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功