目標とする体づくりのために私たちは日々の食事に様々な努力を注いでいる。たとえば食べてもいい食材や食べないほうがいい食材の判断も、一人ひとりの知識や情報、経験の積み重ねによってできるようになることだ。情報の仕入れ先はテレビや雑誌、インターネットからであろう。調べれば調べるほど面白くなり、得た情報はすぐに自分の食事に反映させることができる。砂糖を摂り過ぎてはダメだとか、筋発達を望むならタンパク質は十分に摂取、ビタミンやミネラルも重要、できればそれらを豊富に含む果物や野菜を毎食でしっかり食べたい……それだけ食事に気をつかっているなら、あとは生涯それを続ければいいはずだが、もし、もっと役立つ情報があるとしたら?今回は健康や体づくりのために、どんな食材を選んでいったらいいのかについて解説してみたい。

より良い食材を選択しよう

同じ食材ならどのように食べても変わらないというのは間違いだ。同じ食材を使っているのに、加工の仕方によって価値が変わってしまうことがある。ここでは代表的な10項目について解説したい。より健康を目指し、より有利に筋発達を目指すために活用してほしい。

良い豚肉と悪い豚肉

「タンパク源は牛肉よりも豆腐がおすすめ」「コーヒーよりも緑茶」筋トレ効果の高い食材を選ぶ
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

●豚肉と聞くと、脂ギトギトのベーコンを連想してしまう人もいるだろう。脂ギトギト、ドロドロ血、飽和脂肪酸、身体に悪いものの塊……。そんな連想をしてしまうから豚肉は敬遠するべきだと勘違いしてしまう。しかし、豚肉だって部位によってはむしろ体にいい食材なのだ。たとえば豚肉のテンダーロイン(ヒレ肉)は豚の腰の上部にある柔らかい部分で、脂身が少なく、120gのヒレ肉は120カロリーにしかならず、その中には飽和脂肪酸が1gしか含まれていないのだそうだ。 さらに、亜鉛、セレニウム、タンパク質の含有量が多いことでも知られている。ちなみに、120gの豚ヒレ肉には21gの除脂肪タンパク質が含有されていることも覚えておこう。

●加工された豚肉、たとえばハムなどには手を出さないほうが賢明だ。なぜなら、ハムには加工過程で大量の塩が使われているからだ。また、部位を選別したとしても、予想以上に脂身が多い場合がある。豚肉を食べるなら、ハムなどの加工されたものよりも、ぜひテンダーロインを選択しよう。

タンパク源は豆腐?それとも牛肉?

「タンパク源は牛肉よりも豆腐がおすすめ」「コーヒーよりも緑茶」筋トレ効果の高い食材を選ぶ
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

●タンパク質をしっかり食べるために、肉や大豆、牛乳、卵など様々な食材から選ぶようにしているという人も多いだろうが、豆腐と牛肉の選択肢があるならぜひ豆腐を選んでほしい。クリーブランドの管理栄養士であるエイミー・ジェミーソン・ペトニック氏によると、豆腐は完全なタンパク源なのだそうだ。「完璧なタンパク源ということは、身体が必要とする必須アミノ酸を全て含有し、肉の代用になる」ということである。しかも豆腐は飽和脂肪酸が少なく、コレステロールを含まない。この点で肉よりも健康的であるといえる。エイミー氏によると週2回の頻度で肉の代わりに豆腐を食べるようにするのがおすすめだそうだ。

●様々な食材からタンパク源を摂るようにすることで、ほぼ全てのアミノ酸を身体に取り込むことができる。そのため、タンパク源として牛肉を食べるという人も多いだろう。もちろんそれは悪いことではないが、牛肉はカロリーが高く、飽和脂肪酸を多く含む食材である。脂身の少ない牛肉を選んだとしても180gで400キロカロリーあり、そのうちの16gは脂肪である。もし、あばら部分のリブを選んだりすると180gで600キロカロリーにもなり、脂肪は50gにもなる。これにソースを加えて美味しくいただこうとすれば、カロリーも脂肪分もさらに高まってしまう。

おすすめの食物繊維食材

●高タンパク質食を摂取するなら、食物繊維は積極的に摂ったほうがいい。ではどんな食材がおすすめかというと、たとえばフラクシードはどうだろうか。フラクシードというとオメガ3脂肪酸を真っ先に連想するかもしれないが、フラクシードそのものを砕いて料理に利用すれば食物繊維にもなる。たとえばオートミールやサラダなどにフラクシードを砕いたものをかけて食べることで水溶性の食物繊維を摂ることができるのだ。

●食物繊維やマグネシウム、葉酸を多く含む小麦胚芽も食物繊維を多く含む健康食品だが、小麦胚芽と同量のフラクシードには小麦胚芽の2倍の食物繊維、そして心臓の健康に役立つ脂肪酸が4倍も多く含まれている。機会があればフラクシードを試してみるのもいいかもしれない。

おすすめの必須脂肪酸食材

「タンパク源は牛肉よりも豆腐がおすすめ」「コーヒーよりも緑茶」筋トレ効果の高い食材を選ぶ
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

●オメガ3脂肪酸を含む食材の中で、含有量が多いとされているのがクルミだ。オメガ3脂肪酸は気持ちの落ち込みを改善したり、体脂肪の燃焼を促したりする作用があるとされているので、心身ともに健康になりたいという人にとってはとても有用な食材だと言える。研究によると、クルミを食べることで血管内に血塊ができるのが抑制されるため、発作などを起こす危険性が軽減されるのだそうだ。

●健康に良いとされてきた食材のひとつにヒマワリの種があるが、ヒマワリの種には実はオメガ6脂肪酸が豊富に含まれている。オメガ6脂肪酸も健康のためには必要な要素だが、オメガ3に比べると、オメガ6は身体にとって利用効率の良い油とは言えないし、しかも健康な心臓を作るのに役立つわけでもないのだ。また、市販されているヒマワリの種にはたくさんの塩分も使われているため取り過ぎにも注意が必要だ。

チーズを正しく選択する

●チェダーチーズとスイスチーズの塩分含有量を比較すると、スイスチーズにはチェダーの半分の量しか塩分が含まれていない。塩分の摂取量については、ほとんどの人が一日の推奨量を超えてしまっているので、チーズを食べるならぜひ塩分量の少ないスイスチーズを選択したい。塩分過多になると血圧が上がったり、腎臓結石の発症率も上がるとされている。また、塩分の取り過ぎによって尿中のカルシウムレベルが高まり、それに伴って骨がもろくなってしまう可能性も高まってしまう。塩分の摂取量には日頃から十分に気をつけよう。

●スイスチーズもチェダーチーズも口に入れたときの滑らかさに大差はない。しかし、この2種類のチーズ150gを比較すると、チェダーのほうが100キロカロリーも多く、11.5gも脂肪分が多いのだ。つまり、塩分だけの話ではないのである。特に体脂肪減量に日頃から努めているのであれば、チーズを選ぶならチェダーはやめてスイスチーズにしたほうがいいだろう。

レタスよりホウレンソウ

●緑葉野菜を食べることは健康づくりの基本だ。中でも色の濃い緑色野菜にはより多くの栄養素が含まれていると言われている。たとえば代表的なのはホウレンソウだ。ホウレンソウには鉄分が多く、特に男性にとっては前立腺の健康維持に役立つとされているようだ。つまり、男性なら誰もが気になる前立腺ガンの予防につながるかもしれないのだ。また、ホウレンソウにはビタミンCも豊富に含まれていて、ビタミンCが持つ抗酸化作用は免疫系を助け、風邪を予防するのに役立つ。

●レタスを好んで食べているのであれば、色の濃いものを選ぶようにしよう。たとえばロメインレタスは、よく出回っているアイスバーグレタス(薄い黄緑色のレタス)より健康的だ。それでもホウレンソウの栄養価には及ばないので、特にレタスにこだわらないのであればホウレンソウを選択する機会を増やしてもいいかもしれない。

イチゴよりブルーベリー

「タンパク源は牛肉よりも豆腐がおすすめ」「コーヒーよりも緑茶」筋トレ効果の高い食材を選ぶ
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

●どんな果物や野菜と比べても、ブルーベリーに含有される抗酸化物質の量の多さには適わない。抗酸化物質は体と脳の老化を予防する働きを持ち、私たちの健康維持にも欠かせないものだ。ブルーベリーには心臓病やガンの発症を抑制する働きを持つアンソシアニンが特に多く含まれている。

●イチゴは美味しいし体にもいいが、ベリーにこだわりがないなら、イチゴよりブルーベリーを選択しよう。たとえばイチゴと比べると、ブルーベリーに含有されるビタミンAは4倍も多い。ビタミンAは視力や皮膚の健康を維持するのに役立つ。

ジャガイモよりサツマイモ

「タンパク源は牛肉よりも豆腐がおすすめ」「コーヒーよりも緑茶」筋トレ効果の高い食材を選ぶ
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

●サツマイモには甘みがあるが、甘いという理由で敬遠するのはもったいない。サツマイモは、数ある炭水化物食材の中でスーパーフードに位置づけられるほど優秀な食材なのだ。まず第一にジャガイモと比べてカロリー量が低い。さらに、ジャガイモよりたくさんの栄養素を含んでいる。また、ビタミンCやマンガンの含有量も多く、銅、食物繊維、ビタミンB6、カリウム、鉄分もしっかり含まれている。中でも注目したいのはサツマイモに含まれるビタミンAの量だ。一日に推奨されるビタミンA摂取量の262%が1本のサツマイモに含まれている。

●ジャガイモはサツマイモよりカロリー量が多く、ジャガイモに含まれる栄養素の一つひとつが少量であるという点もサツマイモに劣る理由だ。また、炭水化物の量についてはジャガイモのほうが多いので、炭水化物を制限している人にとっては選択対象にするのは難しいだろう。どうしてもジャガイモを食べるなら皮ごと調理しよう。皮の下にジャガイモの栄養分は集中しているからだ。

コーヒーより緑茶

●どうせ飲むならコーヒーではなく緑茶にしてみよう。緑茶にはカテキンと呼ばれる物質が多く含まれている。カテキンには様々な種類があり、中でもエピガロカテキンガレート(EGCG)はガンの発症を抑制する働きがあると言われている。また、EGCGは脂肪燃焼を促進して減量を促すのではないかと期待されている。

●カップ一杯程度のコーヒーを飲むことは悪いことではないが、飲む量が多くなるとイライラしやすくなったり、集中力の低下につながったりすることもあるようだ。研究によると、適量のカフェインは競技能力の向上や頭をすっきりさせる効果をもたらすが、過剰に摂取すると逆効果になるという結果が得られているので注意しよう。

フレーバーつきヨーグルトより低脂肪カテージチーズ

「タンパク源は牛肉よりも豆腐がおすすめ」「コーヒーよりも緑茶」筋トレ効果の高い食材を選ぶ
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

●軽食に何を食べたらいいのか悩んでいる人は、低脂肪カテージチーズを選択肢に入れてみよう。低脂肪カテージチーズは、総カロリー中の73%がタンパク質である。また、半カップサイズでカロリーは80キロカロリー程度しかない。体脂肪を増やさずに筋肉を発達させたいという人たちにとって、低脂肪カテージチーズは最適な軽食になるのではないだろうか。

●どんな食品についても言えることだが、購入する際はラベルに記載されている原材料などを必ずチェックしよう。記載されている原材料が多ければ多いほど、その食品は健康や体づくりには適さなくなる場合もあるようだ。たとえばフレーバーつきのヨーグルトはカロリーが高く、含有される糖分の量も多い傾向がある。確かにカルシウムについて言えばカテージチーズよりヨーグルトのほうが多いし、ヨーグルト中のカルシウムは吸収も良いとされている。どうしてもヨーグルトを食べるなら、オーガニックでプレーン味のものを選ぶようにし、ラベルに「培養後の熱処理」と書かれている商品は避けよう。これは、体にいい有機体が添加された後で低温殺菌がされているという意味であり、健康にプラスになる成分が失われてしまっている可能性があるのだ。ヨーグルトを選ぶ際はラベルの記載内容にも気を配るようにしよう。

文:Steve Johnson, CSCS, RD 翻訳:ゴンズプロダクション

提供元・FITNESS LOVE

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