高卒で就職せずニートになってしまった場合には、そこから抜け出して就職する際に一筋縄ではいかないケースが多く、結果的に長くニートを続けてしまう人はすくなくありません。

高卒ニートはなぜ正社員として就職することが難しいのでしょう。

今回は、高卒ニートの以下のポイントについて解説していきます。

  • 高卒ニートはどのくらいの割合で存在しているのか
  • 高卒ニートの就職率について
  • 高卒ニートが正社員になるための方法

今現在高卒ニート、そろそろ就職を本気で考えたいという人にとても役に立つ内容満載の記事です。

これからの人生をより良いものにしていくために、高卒ニートから這い上がる方法を理解し、早速実践に移しましょう!

ユーくん

高卒でニートでも別に今はまだ年齢的にいいんじゃないかと思うんだけど、甘いのかな。

ダルマちゃん

ニート期間が長くなると就職がより一層不利になるんだ。だから今のうちに突破口を見出しておくといいよ!

目次
1 高卒ニートの現状をデータで理解する
2 高卒ニートの経歴が就職に与える影響
3 高卒ニートでも正社員になる方法
4 まとめ

高卒ニートの現状をデータで理解する

高卒ニートの課題と解決策|データで解き明かし正社員で就職
(画像=『キャリアゲ』より引用)

高卒ニートが成功への道を辿るためには、まず高卒ニートの現状を把握していく必要があります。

この章では、高卒でニートになる人は世の中にどのくらいいるのか、そしてニートになった原因にはどのようなものがあるのかを解説してきます。

全ニートのうち高卒ニートは10人に3人

全ニートのうち、10人に3人が高卒であるというデータについて、ここで解説していきます。

以下のデータは全ニートの学歴を調査した結果です。

▼全ニートにおける高卒の割合

※全ニートを100%とした場合の割合

①高校卒業 全体の77.0%
②高校卒業の後、専門学校など卒業      全体の18.2%
③高校卒業の後、大学卒業 全体の29.7%
高卒ニートの割合 全体の29.1%(①−(②+③))     

参照:財団法人 社会経済生産性本部 「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調査研究 報告書 」

高校卒業した人の割合から、その後大学や他の学校に進学し卒業した人の割合を引くと、残りは29.1%、約3割となります。

この3割がニートにおける高卒の割合。つまり、10人に3人が高卒であることが分かります。

ダルマちゃん

このデータからは、大卒のニートも3割ほどいることが分かるんだ。

ユーくん

ちなみに中卒ニートは10人に2人の割合なんだって。中卒ってそもそも全体の数が少ないイメージだけど、ニートに占める割合は割と大きいんだよね。

中卒ニートについては、「中卒ニートが現状を受け止めて逆転就職するまでの3ステップ」の記事に詳しく解説しています。

全ニートのニート継続期間

ニートになった人たちが、どのくらいの期間ニートを継続しているのかをみてみましょう。

▼年齢ごとのニート期間の比較表

1年以下      5年超      
20歳から24歳      71.1% 2.2%
35歳以上 44.4% 38.9%

参照:財団法人 社会経済生産性本部 「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調査研究 報告書 」

このデータから以下のことが分かります。

  • 20代前半のニートは1年以下で脱ニートに成功している率が7割以上
  • 35歳以上になると、5年以上ニートでいる人の率がおおよそ4割にものぼる

つまり、年齢的に若いうちに脱ニートして就職先を探さなければ、そのうち就職先が見つからなくなりニートを継続することになってしまうケースがとても多いということです。

ダルマちゃん

さっさと就職しなければだんだん働き口が見つからず、ニート期間が伸びるだけなんだ。早めに行動を起こすことがカギだね!

ニートのきっかけになった経験

ニートになるきっかけは人それぞれですが、中でも特によくある理由を挙げるといかのようなものがあります。

  • 希望していた就職先の採用試験に落ちてしまった
  • やりたいことが見つからない
  • 正社員になったが、仕事が嫌ですぐに辞めてしまった

中には病気や怪我を理由に働けなくなったことをきっかけにニートになり、回復しても働くモチベーションがなく、ずるずるニートを続けてしまうケースもあります。

ユーくん

ニートになったきっかけは「やむを得ない事情」が原因であるケースもあるんだね。

ダルマちゃん

うん。でも問題は、やむを得ない事情が解消されてもなおニートを続けているところ。結局は働きたくないという気持ちが心のどこかにあるという人も多いんだよ。

ニートの方が苦手意識に感じるスキル

ニートになった人たちの多くが感じている「苦手なこと」について、2chの書き込みからいくつか抜粋してみると、以下のようなものがあります。

毎日毎日同じ時間に起きて同じ仕事なんてできる気がしない

面接が怖い

人と関わりたくない

怒られるのが怖い

ニートの書き込みを見ていると、主に目立つのが

  • 人との関わりが苦手
  • 否定されることに対する恐れ
  • 規則正しい生活が苦手

などですね。

社会に出て働くとなると、必ずこれらは克服していく必要があります。

言い換えれば、ニートが苦手意識を抱いていることこそが、社会人が最低限持っておくべき心構えにつながるのです。

高卒ニートの経歴が就職に与える影響

高卒ニートの課題と解決策|データで解き明かし正社員で就職
(画像=『キャリアゲ』より引用)

高卒でニートになってしまった場合、その後の就職にはどのような影響がみられるのでしょうか。

ここでは、

  • 高卒の正社員就職率
  • ニート継続期間別にみる就職率

のデータを見ながら、学歴と職歴が及ぼす就職への影響について解説します。

高卒の正社員就職率は低い

ニートであるかどうかは一旦考えず、高卒全体の正社員就職率について見ておきましょう。

▼学歴別の正社員・非正社員の割合

最終学歴      正社員になれた     正社員になれなかった  
中卒 35.4% 64.6%
高卒 56.3% 43.7%
専修学校卒 66.6% 33.4%
高専・短大卒 66.2% 33.8%
大卒 80.9% 19.1%
大学院卒 84.3% 15.7%

出典:平成30年「性、年齢階級・在学の有無・最終学歴、雇用・就業形態別若年労働者割合」より

高卒の正社員採用率は56.3%。

半分以上の人たちが正社員になれているわけですが、逆に言えばおおよそ半数の人たちは正社員になれなかったということです。

10人に5人しか正社員になれないとなると、この数字は決して高いとは言えません。

ダルマちゃん

大卒は8割が正社員になっているからね。やっぱり学歴と就職率には密接な関係があるんだ。

ニート継続期間の長さで就職率が変わる

ニート期間の長さもまた、就職率に関わってきます。

ニートを長く継続してしまうと、その後の就職は困難になり、ニートから抜け出したくても抜け出せないというアリ地獄状態になってしまうケースはとても多いです。

▼全ニート人口の変化

平成22年      平成30年    
15歳から34歳     60万人 53万人
35歳から44歳 39万人 40万人

参照:厚生労働省人材開発統括官「若年者雇用対策の現状等について 」

この表を見ると、約10年前と比較して、若年層のニートは減っている反面、35歳以上の中高年ニートは逆に増加していることが分かります。

ユーくん

平成22年の段階で若年層ニートだった人が、そのままニートから抜け出せず中高年ニートになってしまっているってこと?

ダルマちゃん

そのケースは多いだろうね。ニートが長くなることで、どんどん正社員就職への道が閉ざされてしまっているんだ。

ニートは長く継続することで、さらに就職しづらくなってしまうということを頭に入れておきましょう。

学歴と職歴が就職に与える影響

学歴と職歴は就職に大きな影響を及ぼします。

  • 高卒で就職活動をしても2人に1人は正社員になれていない
  • ニートである期間が長くなればなるほど就職しづらくなる

以上の2点を考えると、高卒でニートのあなたが正社員として就職するのは簡単なことではないことが分かります。

ダルマちゃん

高卒ニートが正社員になるためには、ただがむしゃらに就活に励むだけでは不十分なんだ。

ユーくん

なるほど…。でもそれってもう仕方がないってこと?一回ニートになってしまったらもう正社員になれないかもしれないなんて悲しすぎるよ。

ダルマちゃん

大丈夫。次の章ではちゃんと高卒ニートが正社員になるための方法を解説していくよ!あきらめる必要はないんだ!

学歴が大卒であれば「大学まで出ているのだから、それなりに努力してきたんだろう」と評価されるため、同じニート期間があっても就職率は高卒よりも高くなります。

ニートが就職しにくいのは「仕事をした経験がない」ことが原因。

言ってみればフリーター以下の評価になるわけなので、おまけに学歴が高卒となると就職はかなり難しくなるというわけです。