ウクライナ情勢との関係

もともと、フランスは、ロシアと良い関係で、英米と一線を画しているのだが、マクロンは英米にやや近い路線を取った。それに対して、ルペンはかつてプーチンとの良い関係を売り物にしていたが、今回はウクライナ侵攻をまず強く批判し、しかし、エネルギーについての制裁には反対するという方針で賢明だった。

大統領選挙の討論会での両者のやりとりは以下の通り。

マクロン:ロシアが致命的な道を進んでいる。ウクライナに兵器を提供し難民を受け入れることが、フランスと欧州の役割だ。

ル・ペン:ウクライナへの兵器供与はフランスを「共戦国」にする恐れがある。ウクライナ支援と難民受け入れの政策は支持するが、エネルギー輸入は続けるべき。

マクロン:ル・ペンは2014年のクリミア併合を承認した最初の政治家の1人。ロシアの銀行から融資も受けた。

ルペン:フランスの銀行が融資をしてくれなかったから、やむなくロシアの銀行の融資を受けた。自分と自分の政党が貧乏であることを恥じない。

この点については、ルペンの言い分はもっとも。フランスやドイツの政府は極右政党を資金面から攻めて、金融や税務調査で追い詰めようとしてきたのは、あまりフェアでない。

文・八幡 和郎/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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