専門学校を卒業したものの、その後就職せずにフリーターになる人は少なくありません。
就職するなら優良企業を目指したい!と思いつつ、何から始めてよいか分からず目先の生活費を稼ぐためにフリーターになるのは悪いことではありませんが、これが長く続くと問題です。
今回の記事では、専門卒フリーターが脱フリーターして優良企業に就職するための方法について解説していきます。
この記事を読むことで、
- 全国の専門卒フリーターの現状
- 専門卒フリーターが気をつけるべきこと
- 専門卒フリーターが優良企業への就職を叶える具体的なステップ
が分かります。

専門卒ならすぐ就職できそうだけど、案外フリーターになる人も多いのかな。

「とりあえず」と思ってフリーターになり、そこから抜け出す方法がわからなくなってる人も多いんだ。この記事ではそんな迷える専門卒フリーターがやるべきことを分かりやすく解説していくよ。
Contents
全国の専門卒フリーターをデータで客観的に分析する

この章では、フリーターの人口推移を見ながら、全国の専門卒フリーターの現状について分かることをまとめていきます。
あなたと同じように、専門学校を卒業してフリーターになる人がどのくらいいるのか、さらにはどのくらいの期間フリーターを続けているのかについて理解を深めていきましょう。
全国のフリーター人口と推移
次のデータは若年層(15歳から34歳)の中で以下に当てはまる人の数を表したものです。
- パート・アルバイトの形態で雇用されている者(フリーター)
- 失業者のうち希望している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者
▼若年層の「パート・アルバイト及びその希望者」数の推移 (男女計)

このデータを見ると、いわゆる「フリーター」の数としては、現状全体で138万人ほどとなっています。
この数字は2013年以降減少傾向にあり、2019年から2020年にかけて5万人減少していることが分かります。
さらに男女別に見てみましょう。
▼若年層の「パート・アルバイト及びその希望者」数の推移 (男女別)

男女別に見てみると、前年2019年と比較したときに、男性は変わらず女性のみ5万人減少していることが分かります。
フリーターの男女比をみると、常に女性が占める割合の方が男性が占める割合よりも多いのですが、近年では女性のフリーターがどんどん減少しています。
これらのデータから分かることをまとめておきましょう。
- 今現在フリーターの数は138万人
- 男女共に減少傾向にある
- フリーターは男性より女性が多い
- 女性フリーターの減少が近年著しい
専門卒がフリーターでいる期間
専門学校を卒業してからフリーターになる場合、その後「仕事を見つけて正社員として就職する」ことをゴールに掲げる人がほとんどです。
専門卒フリーターは、どのくらいの期間を経て正社員へと移行しているのかを調べてみました。
▼正社員就業までの期間(25~29 歳男女計)2012年調査
単位:%
離学前 | 離学〜3ヶ月以内 | 3年以内 | 3年超 | 正社員時期不明 | 正社員移行なし | 就業形態不明 | 未就業 | |
高校卒 | 0.7 | 42.5 | 6.4 | 5.1 | 8.8 | 25.7 | 6.5 | 4.4 |
大学卒 | 1.1 | 56.0 | 7.0 | 2.0 | 60 | 17.5 | 8.0 | 2.6 |
専門・短大・高専卒 | 3.1 | 46.7 | 7.1 | 4.2 | 8.0 | 21.5 | 7.2 | 2.1 |
参照:JILPT調査シリーズ「大学等中退者の就労と意識に関する研究 」
このデータを見る限り、専門卒で正社員になるタイミングとして最も一般的なのが「卒業後3ヶ月以内」であることが分かります。 専門卒のうち約半数が「専門学校在籍中、もしくは卒業後3ヶ月」で正社員就職を叶えています。 しかし、卒業後3年以内に正社員へ移行した人はたったの7%、3年を超えて正社員へ移行した人はさらに少ない4%となっている点に注目する必要があります。

結局、卒業してからフリーターになっても、1年や2年で正社員になれている人はとっても少ないんだ。

1年フリーターしてから就職しよう!と思ってもそんなに簡単じゃないってことなんだね。なかなか厳しいな。
専門卒の中で20代後半にフリーターでいる割合
専門卒で正社員として働かずに非正規雇用(フリーター含む)で働く人の割合を見てみましょう。
▼専門卒フリーターの割合(25〜29歳男女計:2012年調査)
正社員から非正規 | 非正規のみ | 合計(フリーターの割合) | |
専門・短大・高専卒 | 8.1% | 14.5% | 22.6% |
参照:独立行政法人「労働政策研究・研修機構」『学歴別キャリア類型』
25歳から29歳の専門卒フリーターの率は、上の表から算出するとおおよそ23%と考えられます。
専門卒4人のうち1人はフリーターになっていると考えると、その割合が決して少ないとは言えないことが分かります。

専門学校って就職に有利な気がしてたんだけど、案外そうでもないんだね。

少なくとも4人に1人はフリーター。しかもフリーターからなかなか正社員にすんなり移行できていないのが現状なんだ。
全国の専門卒フリーターの現状を考察
ここまでで、専門卒フリーターについて分かったことをまとめると、
- 全体的にフリーターは減少傾向にある
- 専門卒で正社員になる人の約半数は卒業半年以内
- フリーターの期間は長引きやすい
- 専門卒の4人に1人がフリーター
となります。
今現在専門卒フリーターのあなたは、今きっと「これはまずい!正社員になれないかも!」と思ったかもしれませんね。
大丈夫です!
この記事では、しっかりとあなたを正社員への道へ導いていきます。
気を落とさずに読み進めてくださいね!
専門卒フリーターが注意すべき2つのこと

専門卒フリーターは正社員になれないのかと言えば、そうと決まったわけではありません。
ただし、今から説明する2つのポイントを理解しておく必要があります。
なぜなら、フリーターから正社員になるには、「フリーター期間」と「年齢」が重要なポイントとなるからです。
それぞれのポイントについて解説していきます。
フリーターの継続期間が長いと正社員の可能性が低くなる
まず知っておかなければならないこととして、「フリーターは長く続けると正社員になりづらくなる」という点が挙げられます。
以下のデータをご覧ください。
▼フリーター継続期間と正社員になれた割合

参照:独立行政法人「労働政策研究・研修機構」労働政策研究報告書2017
フリーターは1年以内であれば7割ほどの人が正社員としての就職先を見つけることができているものの、これが2年になると約5割まで落ち込んでしまうことが分かります。

1年以内と1年〜2年のところのグラフ減少の度合いがすごいね。
2年から3年のフリーター期間を経て正社員へ移行するのは4割程度、これが5年以上になると2割まで減少してしまうのです。
特に女性フリーターは男性フリーターよりも格段に正社員移行率が低くなるため、さらに注意する必要があります。

正社員移行を目指すなら、フリーター期間は1年までに留めるべき!これが大事なポイントなんだ。
30代・40代のフリーターは正社員の可能性が低くなる
次に知っておかなければならないのが、「30代を超えるとフリーターは正社員移行が難しくなる」という点です。
以下のデータをご覧ください。
▼年齢別正社員移行率(2017年調査)
正社員移行率(男性) | 正社員移行率(女性) | |
15-19歳 | 37.3 | 29.9 |
20-24歳 | 38.4 | 32.7 |
25-29歳 | 40.1 | 25.5 |
30-34歳 | 34.3 | 18.1 |
35-39歳 | 29.8 | 15.5 |
40-44歳 | 27.1 | 15.6 |
参照:平成29年版「就業構造基本調査」『若年者の就業状況・キャリア・ 職業能力開発の現状』
このデータは、過去1年間にフリーターを含む非正規雇用から正社員へ移行した人の割合を示したものです。
- 男性フリーターは20代までなら4割が正社員へ移行できている
- 女性フリーターは20代前半までなら3割が正社員へ移行できている
- 30代以上の女性フリーターの正社員移行率は2割を切る
- 30代以上の男性フリーターの正社員移行率は3割ほどに落ち込んでしまう
つまり、一言で言ってしまえば「若い方が有利」ということ。
フリーターのまま年齢を重ねれば重ねるほど、正社員になるのが難しくなるということを頭に入れておきましょう。