伊勢湾の乗合船で盛んに狙われるタチウオ。数が狙える魚だが、1日のうちで変化していくバイオリズムに合わせた攻略が必要。今回、タチウオの活性や時間帯に合わせた攻略術を紹介したい。

伊勢湾タチウオ釣りの仕掛け

伊勢湾のタチウオ釣りはテンビン仕掛けで釣る。仕掛けの構成は以下の通り。

1、テンビン…アーム部の長さ40~50cmの片テンビン
2、仕掛け…タチウオ専用吹き流し仕掛けでハリス10~12号のもの(市販品が容易に手に入る)。
3、オモリ…80号(ほとんどの船が80号を指定)
4、水中ライト…大きさ10~15cmのもの。曇天、濁り潮で集魚効果てき面。

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介時間帯別攻略法とは?タチウオ仕掛けの構成(撮影:TSURINEWS編集部・五井)、『TSURINEWS』より 引用)

伊勢湾タチウオ釣りのタックル

タックルは、2.1m程度のタチウオ専用ザオ(テンヤ用は不適)か、先調子(7:3調子など品名に記載がある)のライトゲーム用船ザオで、オモリの許容範囲が80または100号までのもの。

リールは小型電動リールがベストだが、中型の手巻きリールでもOK。タナが大切な釣りなので、カウンターが付いているものが好適だ。これにPEライン2号のミチイトを200m巻く。

なお、タチウオの乗合船にはおおむねレンタルタックル(有料)がある。

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介時間帯別攻略法とは?小型電動リールがベスト(撮影:TSURINEWS編集部・五井)、『TSURINEWS』より 引用)

タチウオの1日の行動

基本的に夜行性の魚なので、暗い時間は浅いところで摂餌し、明るくなると徐々に深場へ移動する。雨天や曇天だと、この動きが多少緩慢になるが、基本はこのような動きをする。

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介時間帯別攻略法とは?タチウオは夜行性(撮影:TSURINEWS編集部・五井)、『TSURINEWS』より 引用)

伊勢湾で狙うタナは30~90mが中心。探るべき範囲は船頭が魚探を見て指示をくれる。

日が昇ると徐々にタナが下降していく。潮止まりでもないのに急にアタリが減ったら、タナがダウンし始めた兆しと考えよう。

また、タチウオは何度も仲間が釣られる姿を見て、仕掛けを警戒するようになる。「一日中同じ手が通用する相手ではない」ということを覚えておこう。

基本的なタチウオの釣り方

ゆっくりリールを巻きながらエサを追わせて釣るのが基本。シャクリながら巻くのも効果的。シャクるときは仕掛けが跳ねたり、ミチイトが弛んだりしないよう、サオをやさしく上下させよう。

巻いている途中でコツコツやガツガツとアタリがある。この間巻くのを止めないのが原則。早アワセは禁物で、穂先をグーッと持っていかれたらアワせる。

前半戦の釣り方

朝のタチウオはとってもアグレッシブ。エサを目立たせるようピンク、黄緑、オレンジなどの夜光色のタコベイトが付いた仕掛けを使用する。

活性が高い時は、小型電動リールの巻き速度表示で6~8、手巻きの感覚で言うとイトのマーカーが4秒ほどで1m移動する速さで巻こう。

後半戦の釣り方

日が高くなってくると徐々に活性が鈍り、群れが下降しはじめる。釣果の差は、ここから現れ始める。兆候ごとの対処法は以下。

アタるが食い込まない

・巻き速度を少し遅くしてみる(電動なら1段階低速化)
・ただ巻きでダメなら、先述のシャクリの動作を入れる
・アタリがきたら、少しサオを下げて送り込んでやる
・違う色のタコベイトの仕掛けを投入する

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介時間帯別攻略法とは?タコベイトのカラー変更も有効(撮影:TSURINEWS編集部・五井)、『TSURINEWS』より 引用)

アタリ自体がない

・仕掛けを沈めるタナを当初のタナより5m→10mと段階的に下降させる

スタート時は船頭からタナのアナウンスがあるが、ポツポツ釣れているうちは、あらためてのアナウンスがないこともある。

また、タナも昼に近づくほど深くなる。まれにタナが上昇することもあるが、基本的に下がっていくと考えよう。

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介時間帯別攻略法とは?巻き速度をかえてみよう(撮影:TSURINEWS編集部・五井)、『TSURINEWS』より 引用)

後半戦の釣り方

釣行の半ばを過ぎてくると、船頭から再度タナの指示があるほか、ポイント移動があれば新たにタナの指示がある。探るべき水深はこれに合わせればよい。

半日におよぶ釣行の途中で、再び潮が動き出して食いが立つこともあるが、依然として食いが渋い場合の対処法は以下の通り。

食い渋りの対処法

・仕掛けのタコベイトを地味に

全体が発光する夜光タイプから、発光しないカラーやクリアー系にかえてみる。

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介時間帯別攻略法とは?タコベイトを地味な色に(撮影:TSURINEWS編集部・五井)、『TSURINEWS』より 引用)

・ハリスを長くする(市販品であれば長い仕掛けを使う)

1mのものを使っていたら1.5mくらいまで伸ばしてみる。あまり長いとオマツリするので1.7mくらいが限度。

・エサを小さくする

船宿で配られるエサは、ひと切れの長さが8~10cm、幅1.5~2cmほどだが、これをハサミなどで長さ5~6cm、幅1~1.5cmになるようトリミングする。

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介時間帯別攻略法とは?食い渋ったらエサを小さくする(撮影:TSURINEWS編集部・五井)、『TSURINEWS』より 引用)

・孫バリ付きの仕掛けを使う(既存の仕掛けに孫バリを追加する)

孫バリ付きの市販仕掛けもあるが、孫バリのハリスが長すぎる場合があるので自作がベスト。長さは使用するエサの全長以下に。

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介時間帯別攻略法とは?ショートバイトには孫バリが有効(撮影:TSURINEWS編集部・五井)、『TSURINEWS』より 引用)

誘いや巻き速度の工夫もあるが、仕掛けを工夫するほうが実践しやすい。壁にぶつかったら、まず上記のことを試してみよう。

さて、これから本格シーズンを迎える伊勢湾の船タチウオ。これから秋に向け平均サイズも大きくなり、釣期は12月初旬ごろまで続く。刺身、焼き物、揚げ物と多彩な料理も楽しめる優等生を釣りにぜひ出かけよう。

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介時間帯別攻略法とは?秋が深まると平均サイズもUP(撮影:TSURINEWS編集部・五井)、『TSURINEWS』より 引用)

<五井/TSURINEWS編集部>

石川丸

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=『TSURINEWS』より 引用)

大型船3隻体制で、四季折々の人気の釣り物が楽しめます。春はアジやメバル、マダイ、夏はイサキやキス、タコ、タチウオ、秋はマダイやカワハギ、冬はフグやヒラメ、青物など中小物から大物までお任せください。ビギナーからベテランまで幅広いお客様に愛される船宿です。

七福丸

伊勢湾「テンビンタチウオ釣り」の1日を紹介 時間帯別攻略法とは?
(画像=『TSURINEWS』より 引用)

大型船2隻と中型船1隻(元栄丸)の3隻体制で営業中。フグ、カワハギ、イサキ、アジ、キスなどの中物をメインに、イワシ泳がせで狙うヒラメや青物、ウタセマダイなど大物釣りも楽しめます。近年はジギングやタイラバ、エギタコなどルアーでの出船も行ってます。乗合メインに仕立も対応。

提供元・TSURINEWS

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