生食は禁物
ホタルイカは非常に鮮度落ちが激しく、かつては産地周辺でのみ食べられていたマイナーな食材でした。これが冷凍加工技術の発達で各地に流通するようになり、現在のようなポピュラーな食材になるに至っています。
今では生食も行われるようになっており、生食用にパッケージングされた商品が売られることもしばしばです。しかし、ホタルイカの生食が有名になるに伴い、寄生虫症の発症例もまた増加傾向にあるといいます。
成体のホタルイカには、2~7%の確率で「旋尾線虫」という線虫が寄生しています。これがヒトの体内に入ると腸閉塞や皮膚爬行症(皮膚の直下を這い回りミミズ腫れのようなあとになる)などの厄介な症状を引き起こします。
旋尾線虫
旋尾線虫は、有名な寄生虫症の原因虫であるアニサキスと比べるととても小さいため、アニサキスのように外科手術での摘出は難しく、対処が難しいです。
旋尾線虫はアニサキス同様、強力な冷凍設備があれば殺虫することが可能です。生食用の商品は冷凍殺虫処理が施されているものが多いですが、知識のない販売店であったり、また個人で入手した生のホタルイカを未冷凍/冷凍不十分なまま生食すると寄生虫症のリスクがあります。
一般的な家庭用冷凍庫では殺虫能力に不安があるとも言われるので、生食する場合は必ず殺虫処理済みかどうかを確認するようにしてください。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
提供元・TSURINEWS
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