「売却物件を募集しています」「マンションを売却しませんか?」と書かれたチラシをポスティングされた経験をお持ちの方も多いはず。このような不動産売却を募集するチラシはどのような目的で配布されているのでしょうか。売却マンション募集チラシの配布理由や注意ポイント、募集チラシの信ぴょう性について詳しく解説します。

目次

  1. 不動産会社がチラシを配布する理由は?
  2. 売却マンション募集のチラシは信頼してもいい?
  3. 売却マンション募集のチラシ、ここに注意!
    1. 1. 購入希望者についての記載
    2. 2. 早期の売買成立を期待させる
    3. 3. 相場よりも高い価格での売却を期待させる
  4. マンションを適正価格で売却するには?
    1. 自分のマンションを売却した場合の相場を知っておく
    2. 信頼できる業者を見つける
  5. まとめ

不動産会社がチラシを配布する理由は?

売却マンション募集のチラシは、その名の通り不動産会社がマンションの売主を募るために配布しているものです。マンション売却を募るチラシを見て、「もしかしてこの家には価値があるのかも」と思った人も多いのではないでしょうか。

特定のマンションを購入したいという意向をお持ちの人は確かに存在します。中には、そのマンションに住んでいるにも関わらず同じマンション内で引っ越しをしたいと希望される方もいます。このような相談があった場合には、不動産会社は購入希望者の指名したマンションにチラシを配布することがあります。

その一方で、別の目的でチラシを配布している場合も考えられます。マンション売却を任される不動産会社(元付け業者)は、多くの同業者の中から顧客に自分たちの会社を選んでもらわなければなりません。売却希望者は複数の仲介業者に見積もりを依頼している売主も多いため、どうしても競争率が高くなってしまいます。

そこで、元付け業者自らチラシをポスティングして、売却候補となりそうなマンションにチラシを配布します。チラシをみて興味をもったマンション所有者は、まずチラシに記載されている会社に問い合わせるでしょう。他社との競争がない状況で売主を集めるために、売却マンション募集のチラシは配布されている、という場合もあるのです。

売却マンション募集のチラシは信頼してもいい?

売却マンション募集のチラシを見ると、「高値で売れるなら売却を考えてみよう」「そろそろ住み替えようか」と考えるかもしれません。しかし、売却マンション募集に書かれた売却価格に信ぴょう性があるかどうか、慎重に確かめる必要があります。

さきほど解説したように、購入希望者が本当にいる場合はいいのですが、売主を広い範囲で募集する目的で売却マンション募集のチラシを配布している場合があるからです。もちろん問い合わせをするとマンション売却の手続き自体はしてくれますが、相場よりも高値で売却できるかどうかは状況次第でしょう。仮定の買取希望の情報を掲載している可能性もあるので、慎重さが求められます。

売却マンション募集のチラシに「●●町で購入を希望している方がいます」「今なら高値で売買できる」などと“甘い言葉”が記載されていたとしても、すぐに飛びつくのはおすすめできません。

売却マンション募集のチラシ、ここに注意!

では、売却マンション募集のチラシはどのような記載に気をつければ良いのでしょうか。実際によく取り入れられている注意フレーズをご紹介します。

1. 購入希望者についての記載

実際に買主がいるように見せかけている売却マンション募集チラシです。

チラシを用意するのに、デザイン・印刷・ポスティングなどさまざまなコストがかかります。たった1人の購入希望者のために多大なコストをかけてチラシを配布するのは、確実性の低い非効率的な手法です。架空の買主候補を立て、売主の興味を引くようにしている可能性もあることを念頭におくほうがよいでしょう。

2. 早期の売買成立を期待させる

売主にとっては、マンションの売り出し後すぐに買主が見つかるのがベストです。売却期間が長くなると精神的に負担がかかるだけでなく、値下げをしなければならない可能性も生じてしまいます。

売却マンション募集のチラシには、このような売主の心理を逆手にとった「購入希望者は即決予定です」「来月には引っ越し予定のため」などの記載があることもしばしばです。

本来マンションの売買は、買主側が条件面を判断したうえで内見や契約締結に至るものです。条件や情報が不十分な状況で売買成立を予想させるような記載は、信頼性が低いと言えるでしょう。

3. 相場よりも高い価格での売却を期待させる

「今このマンションを売ると○○円!」「購入希望者がいるので高値での売却も」など、相場よりも高い価格で売却できるという記載もよく見られます。少しでも高値でマンションを売却したいと考えるのは当然ですが、チラシの記載内容を100%信用するのは危険です。

実際には掲示されていた価格では売却できないケースも多く、売り出しが始まる段階になって相場もしくは相場以下での売却を提案されるという可能性もあります。

マンションを適正価格で売却するには?

前述したように、売却マンション募集のチラシは高値での取引や買主を保証しているわけではありません。売却物件数を集める目的のチラシの可能性もあるということを忘れないでください。では、マンションの適正価格を知るにはどうすればよいのでしょうか。

自分のマンションを売却した場合の相場を知っておく

チラシに書かれている価格が適正かどうか、マンションを適正価格で売却したい場合、不動産会社に連絡をする前に「住んでいるマンションを売った場合はいくらになるのか」を確認しておきましょう。

築年数・設備・間取り・地域などの類似する物件を調べ、直近の取引がいくらで売買されているのをチェックしてみてください。もちろん細かな条件の違いがあるので同額の取引ができるとは限りませんが、売り手を募集するチラシに記載された売り出し価格設定との比較にも役立ちます。

マンション売買の相場を調べたい場合には、国土交通大臣認定の各指定流通機構が運営する「REINS Market Information」がおすすめです。物件の特定まではできないながら、実際の成約価格と細かな情報を検索できるので、近隣かつ同条件のマンションがいくらで売却されたのかもスムーズに調べられます。

信頼できる業者を見つける

一口に不動産会社と言っても、新築マンション・一戸建て・投資用マンション・土地・中古マンションなど、会社によって得意な不動産取引のジャンルが異なります。チラシに記載された不動産会社が、何が得意な会社なのか、ホームページを確認するようにしましょう。マンションの売却を検討する場合には、専門的な知識や仲介経験豊富な不動産会社に依頼するのが最適です。

まとめ

高値での売却や早期売買について記載されていることも多い、売却マンション募集チラシ。魅力的なフレーズが並んでいても、すぐに飛びつかず、記載された内容に信ぴょう性があるかどうかの確認をまずしましょう。連絡をとる前に信頼できるかどうか、会社のホームページを確認したり、適正価格かどうかを事前確認しましょう。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

提供元・RENOSYマガジン

【関連記事】
【2022年】アメリカの金融緩和で株価はどうなる? 日本への影響を証券アナリストが解説
不動産投資の勧誘事例・禁止行為と知っておくべき5つの断り方
元本確保型はNG!? 企業型確定拠出年金でのおすすめ配分や運用商品の選び方
不動産投資とは?初心者が知るべきメリットや魅力、仕組み、運用方法、始め方
不動産投資を失敗する理由。 初心者が陥りがちな7つの失敗事例と成功率を高める方法