パルコとの連携で相乗効果に期待
パルコとの連携も進める。「パルコは百貨店と異なり、ラグジュアリーや時計、アートのシェアは高くないが、客層が若く、男性客も多い。百貨店と掛け合わせることがJ.フロントの一番の強みだ」として、大阪・心斎橋など百貨店とパルコが隣接する地域で、今後、シナジー(相乗効果)が高まると期待する。
また「大丸だけ、パルコだけしかないエリアでも、合体して攻めていく方法があると思う」と語った。

パルコは池袋、名古屋、仙台、広島、浦和の5店を中心に、大型改装を実施し、収益を改善する。とくに名古屋パルコは中計期間中の改装面積の35%、池袋パルコは同31%を占める規模で改装することを計画。アパレルのアップデート・圧縮やラグジュアリー、エンターテインメントの拡大など、カテゴリーのポートフォリオ変革を加速する。今期の業績はコロナ前の8掛けの水準に戻し、中計の最終年度である来期(24年2月期)には営業利益で名古屋パルコは40億円、池袋パルコは25億円程度をめざす。
このほか、要員構造と経費構造を改革し、固定費を中計の3年間でコロナ前の19年度と比べ100億円以上圧縮するなどの策を打つ。前期は43億円を低減した。
23年2月期の業績見通しは売上収益3700億円(対前期比11.6%増)、事業利益は220億円(同87.7%増)、営業利益は210億円(同223.9%増)、当期利益は115億円(同266.1%増)と2ケタ増収・3ケタの増益を見込む。総額売上高は1兆200億円(同16.5%増)の計画だ。
提供元・DCSオンライン
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