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キャンプで美味しいコーヒーが飲みたい!

キャンプ場でおいしいコーヒーを飲むには、おいしいコーヒー豆を見つけるのがいちばんの近道。おいしいコーヒーになるかどうかは「もとの豆の品質が8割、焙煎が2割」といわれているからです。フレンチプレスで抽出する場合はとくに、豆の良し悪しがダイレクトに味に繋がるので、ケチらずにおいしい豆を用意したいところ。おいしいコーヒー豆を見つけるには、専門店で自分の好みや抽出手段を伝え、おすすめしてもらう方法がベストです。

今回はコーヒー豆のプロに、キャンプで飲む美味しいコーヒーの入れ方を伝授してもらいましょう。

美味しいコーヒーを淹れる4つのポイント

その1. どの煎り具合の豆がおすすめ?

ベストな焙煎度合いは豆の銘柄によって変わるので、店では煎り具合よりも抽出方法と自分の味の好みを伝えてアドバイスをもらいましょう。一般的にストレートで飲みたいなら浅煎り~中煎り、ミルクを入れて楽しみたいなら中深煎り~深煎りが合います。

その2. 豆のままと粉の状態どちらが良い?

おいしく飲むには豆の粉粒が均一になっていることが絶対条件。業務用グラインダーで挽いてもらったものは挽きムラが少ないので、5日前後で飲みきれるようなら挽いてもらったほうがラクでおいしい。保管は空気が入らないように密閉して冷暗所へ。

その3. スペシャルティコーヒーってなに?

生産から精製、流通までの情報が明確で、1杯のコーヒーとして提供されるまでしっかりとした品質管理がされているコーヒーのこと。さらに最高品質と認定されたコーヒーには「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」の称号が与えられます。

その4. シングルオリジンコーヒーってなに?

収穫エリアや農園、精選・精製方法など、細かな情報までを追跡(トレーサビリティ)できる豆、かつほかの豆とブレンドされていない豆のこと。コロンビア、ブラジル、ケニア、エチオピアといった生産国内でも地域や生産者の違いによって銘柄が変わります。

プロが伝授!「キャンプにオススメする3つのコーヒー抽出方法」

もっともポピュラーで淹れる工程が楽しいペーパードリップ、大人数分を作るのに便利なフレンチプレス、水をいれて置いておくだけなのに抜群においしい水出しコーヒー。シーンに合わせて飲み分けをしてみましょう。

教えてくれたのはこの人

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ウッドベリーコーヒーロースターズ 木原武蔵さん(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

ウッドベリーコーヒーロースターズは用賀に2店、代官山に1店、2019年3月に渋谷店をオープン。渋谷店はエスプレッソ、ミルクビバレッジ、シグネチャービバレッジの3杯を楽しめるコースを用意。

目的によって挽き目が変わる

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

ドリップとフレンチプレスはグラニュー糖くらいの細かさ(左)。水出しコーヒー用はさらに気持ち細かめに(右)。挽き目が細かいほうがいい成分もしっかり抽出できるのでおいしい。

抽出に必要な道具

ドリッパー&サーバー
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

普段家で使っているものが手軽。サーバーも好みのもので構いません。ペーパーいらずのドリッパーもあります。

フレンチプレス
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

フタにプランジャーという器具が付いているのが特徴。ドリップよりもオイル分多めの仕上がりになります。

ボトル
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

多めに抽出したコーヒーをストックしておけるよう保温力があるモデルがおすすめです。水出しコーヒー用にも。

はかり
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

コーヒー粉、湯量を計るために使います。写真はハリオのタイマー付きのモデル。タイマーはスマホでもOK。

ドリップポット
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

お湯を注ぐための道具。キャンプ用ケトルでも家にあるものでもOK。ドリップするならノズル細めが便利。

ミル
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

ハンドルが一定の速度でスムーズに回せて、安定感があるものを選びましょう。粉の状態で持っていく場合は不要。

すっきりとした味わいが特徴「ドリップコーヒー」

ドリップコーヒーは、もっともポピュラーな抽出方法です。粉も湯もきっちり計量するのがおいしさのコツ。今回はグアテマラ ペニャ ロハという豆を使用して手順を解説します。この豆は、香りも風味も丸くやわらかで、バランスが良くすっきりとした味わい。まろやかな甘味のなかにほんのり酸味を感じます。

準備
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)
FUNQ
(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

ペーパーのつなぎ目がドリッパーから浮かないようにしっかり折りたたみます。ドリッパーにセットしたらお湯で全体をリンス(洗う)します。

1. 粉を入れて平にならす
 

FUNQ
(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

今回の1人分の粉量は13.5g。人数分の粉を入れたらドリッパーのサイドを軽く叩いて中身を平らにならします。

2. ドリッパーに湯を注ぐ
 

FUNQ
(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

沸騰した湯を火から下して1分待ち、90度くらいまで温度を下げます。1人分200ミリリットルの湯を5回に分けて注ぎましょう。

3. 30秒間蒸らす
 

FUNQ
(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

ドリッパーをはかりにのせて、1回目の40ミリリットルの湯を注いだらそのまま30秒間待ちます(2人分なら80ミリリットル)。

4. 3を計5回繰り返す
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

湯を40ミリリットル注いで30秒待ちましょう。はかりの目盛りが200ミリリットルになるまで(5回)行ないます。

5. 湯が落ちきるまで待つ
 

FUNQ
(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

昔はえぐみが出るという理由で湯が落ちきる前にドリッパーを外すといわれていましたが、いまは気にしなくてOK。

6. できあがり!
 

FUNQ
(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

透明感のあるすっきりとした味わいのコーヒーが抽出できました。良い豆で淹れたコーヒーは冷めてもおいしいものです。

豆の良さがそのまま抽出される「フレンチプレス」

フレンチプレスは、コーヒーの旨味成分といわれるオイルも抽出されるため、パンチの効いた1杯になる抽出方法です。今回はブルンジ キビンゴという豆を使用して手順を解説します。この豆は苦味は控えめで、柑橘系の香りとフレーバーが特徴。冷めてくると甘味が増すように感じられます。COE受賞歴も。

1. 抽出器具に粉を入れる
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

容器容量が350ミリリットルなので、コーヒー粉18gに対して湯量は300ミリリットルで抽出する。きっちり18gを計って入れる。

2. 湯を注ぎ入れる
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

沸騰したてでもOK。300ミリリットルになるまで湯を注ぎ入れる。器具をはかりの上に置いて注ぐとよい。

3. 必要量まで一気に注ぐ
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

豆全体に湯が行き渡るよう、量にだけ気をつけて一気に注ぐ。はかりの数字が300ミリリットルになればOK。

4. フタをして蒸らす
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

フィルターは上げたまま、プランジャー(フタ)を静かに乗せて4分間待つ。混ぜたりする必要もない。

5. ゆっくりプレスする
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

4分経ったら容器をしっかり支えて、プランジャーを押し下げていく。下がらなくなったら抽出完了。

6. 1分おいてから注ぐ
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

容器内に細かい粉が浮いているので、ザラリとした質感が苦手な人はさらに1分おいて、中身が落ち着くのを待つ。

ゴクゴク飲める朝向けのコーヒー「水出しコーヒー」

水出しコーヒーは、コーヒー粉と水を入れるだけでできあがるもっともキャンプにおすすめのコーヒーの抽出方法です。今回はライトノートブレンドという豆を使用して手順を解説します。この豆は、中煎りのシーズナルブレンド、ニカラグア・ロスピノス農園とグアテマラ・ペニャロハのブレンド。食事との相性も◎なのです。

1. コーヒーパックに粉を入れる
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

豆と水の割合は1:10。コーヒーパック(出汁パックやティーバッグでも可)に細かめに挽いた豆を入れます。

2. 適量の水を注ぐ
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

容器に粉を入れたコーヒーパックを入れて水を注ぎます。キャンプ場で作る場合は保温機能があるボトルを活用しましょう。

3. ひと晩おいておく
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

6~8時間置いておくだけでできあがり。好みでガムシロップやミルクを入れて楽しみましょう。

キャンプで美味しいコーヒーを味わうための道具

キャンプという非日常の場で美味しいコーヒーを味わうには、道具もこだわりたいところ。また、専用の道具はキャンプ場の不便さを減らしてくれる便利なアイテムでもあります。

ポーレックス/コーヒーミル

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

キャンプの朝に、挽きたてコーヒーの香りと味を楽しめるミルを導入してみてはいかがでしょう。コンパクトな縦長タイプなので荷物の隙間にもすっぽり。セラミック製の刃で手入れも楽々です。

【DATA】
ポーレックス/コーヒーミル

サイズ:約φ5×13.5cm
重量:約250g
容量:約20g
問い合わせ:ジャパンポーレックス
http://www.porlex.co.jp/

ハイマウント/コーヒーメーカー

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

一度に3カップ分まで作れる、ペーパー不要のプレス式ドリッパー。冷めてしまっても直火で温め直せるうえ、火にかけてもシリコンでカバーされた取っ手は熱くならないのです。

【DATA】
ハイマウント/コーヒーメーカー

価格:3,200円
サイズ:約φ95×125mm
重量:約220g
容量:約750ml
問い合わせ:ハイマウント
https://highmount.jp/

エアロプレス/コーヒーメーカー

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

空気の力を利用するコーヒー抽出器。使い方はお湯とコーヒー豆を入れて押すだけでOK。抽出後のカスもフィルターといっしょにひと押しでゴミ箱へ。手を汚さず、後片付けも簡単!

【DATA】
エアロプレス/コーヒーメーカー

価格:5,000円
サイズ:120×105×287mm
重量:約471g
問い合わせ:小川珈琲
https://www.oc-ogawa.co.jp/

ユニフレーム/キャンプケトル

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

「キャンプで使いたいケトル」を目指して開発された秀作。灰の侵入を防ぐ注ぎ口のフタや、フタの内側に設けた落下防止ストッパー、洗いやすい口広の開口部など、小さな工夫だが使えばわかる便利な機能がぎっしり詰まっています。

【DATA】
ユニフレーム/キャンプケトル

価格:7,315円
サイズ:約φ13×22cm
重量:約600g
容量:約1.6リットル
素材:ステンレス鋼
問い合わせ:ユニフレーム
https://www.uniflame.co.jp/

ペトロマックス/ティーケトル tk1

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

持ちやすいように曲げられた結果、ハンドルが独特のカーブを描くステンレス製ポット。手入れが簡単で清潔さも保てます。持ち手と底部にブランドのロゴマークが彫られています。

【DATA】
ペトロマックス/ティーケトル tk1

価格:8,500円
サイズ:φ135×H150mm
重量:630g
問い合わせ:スター商事
https://www.star-corp.co.jp/

ファルコン/マグカップ

落ち着いたトーンのカラーはテーブル上のコーディネートをを引き締めてくれる存在です。耐久&耐熱性があり直火や270度までのオーブンに対応しているほか食洗機での洗浄もOK。
 

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

【DATA】
ファルコン/マグカップ

価格:各2,000円
サイズ:φ85×H80mm
重量:約180g
問い合わせ:津田商会
https://www.tsudakobe.jp/

ベストメイド/シームレス&ステッド ファスト エナメル プレート、カップ、ボウル

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

NY 発のアウトドア寄りのライフスタイルブランド。おしゃれなデザインはもちろん、名前にシームレス&ステッドファストと冠がついているとおり、曲線と厚みが絶妙に調和しています。

【DATA】
ベストメイド/シームレス&ステッド ファスト エナメル プレート、カップ、ボウル
価格:3,800円(プレート)、3,300円(カップ)、3,800円(ボウル)
サイズ:サイズ:φ295mm(プレート)、φ94×80mm(カップ)、φ127×76mm(ボウル)
重量:325g(プレート)、145g(カップ)、327g(ボウル)
問い合わせ:ルート
https://root-store.com/

キャンプで飲むコーヒーは、豆と道具にこだわるととっても美味しく飲めるのです。焚き火の前でコーヒーを飲みながら語らうもよし、朝いちばんのコーヒーでしゃっきりするもよし。美味しいコーヒーを楽しんでみてください!

※価格や仕様などの情報は2019年5月時点のものです。

出典
別冊フィールドライフ キャンプ大全
PEAKS8月号増刊 CAMP TOOLS

フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

提供元・FUNQ/フィールドライフ

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