近年、ワンルームマンションは居住する目的だけではなく、投資用として所有する人も増えています。不動産投資の中でもワンルームマンションは投資初心者でもとくに始めやすく、コツさえ押さえておけば売却もスムーズに行えます。今回は、初めて売却する方や少しでもマンションを高く売りたい方のために、チェックしておきたいポイントを4つご紹介します。

ワンルームマンション売却の流れ

ワンルームマンションを売却するには、さまざまな手続きが必要となります。まずはマンションを売却する際の基本的な流れを把握しておきましょう。

1. 複数の不動産会社に査定してもらう

まずは不動産会社にマンション価格を査定してもらい、売却を依頼する不動産会社を探しましょう。査定価格は不動産会社によって異なるので、なるべく4~5社など複数の業者に見積もりを出してもらうのがベターです。

2. 媒介契約を結ぶ

不動産会社を見つけたら、売却活動を本格的に依頼するために「媒介契約」を結びます。媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があり、それぞれ特徴が異なるため、不動産会社と相談しながら選択しましょう。

3. マンション売却活動

契約後は、不動産会社が自社サイトや各不動産サービスサイトに掲載して紹介したり、チラシを作って宣伝したりと、より広く物件を知ってもらうための売却活動を行います。

購入希望者から価格の交渉をされるケースもあるので、あらかじめ不動産会社と相談し、売却価格の下限を設定しておきましょう。価格交渉に自信がない方でも、不動産会社が間に入って対応してくれるため安心です。

4. 売却決定

買い手が見つかったら、売買契約を結びます。売買契約を結ぶ際は、買い手から「手付金」を受け取るのが一般的です。手付金は、購入代金の一部となりますが、契約解約の代償、違約金などを目的としています。契約の際は、契約書をしっかりと確認し、買い手との間でのちのちトラブルにつながることがないよう慎重に行いましょう。

5. マンションの引き渡し

住宅ローンがまだ残っている物件の場合は、マンションを引き渡すまでに完済しておきます。また、 抵当権の抹消手続き も忘れずに行いましょう。各種書類の準備、物件の所有権移転登記の申請も必要です。そのほかにも、必要な諸経費などを不動産会社に支払う必要があります。

ワンルームマンション売却で押さえておきたい4つのポイント

なるべく高い価格でワンルームマンションを売却するためには、いくつかのポイントがあります。押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

1. 売却するタイミングを見極める

ワンルームマンションを売り出すタイミングは、「居住用」か「投資用」かによっても変わってきます。居住用のマンションは買い手が購入した家に住みます。しかし投資用マンションは、購入者がそこに住むわけではないので、3月の引っ越しシーズンに合わせる、という季節要因を気にする必要は特にありません。

投資用の場合は、築年数に関係なく所有していることで自分が損をしそうになったタイミングで売却するという理由も考えられます。

不動産市場が活発で好調なときは全体的に物件が高く売却できる傾向にあることもポイントです。売却のタイミングを見極めることで、うまくいけば購入時より売却時の方が高く売却できる可能性も出てきます。とはいうものの、なかなか自分でタイミングを見極めるのは難しいので、不動産会社に相談して現在の不動産市場がどのような状況なのかを教えてもらいましょう。

2. 物件をきれいに保っておく

購入希望者が現れると、実際にマンションを見るために物件の内覧を行います。内覧のときの印象が良ければ良いほど、売却にもつながります。できる限り、水回りや部屋のすみ、ベランダなど、細かなところまで掃除をしておくのがポイントです。

すでに投資用マンションとして賃貸に出している家を売却する場合は、入居者がいると内見はできないのが普通で、内見をしないで売買が行われます。もし入居者に立ち退いてもらうとなると、入居者の立場は法律により守られているため、立ち退きまでに時間と費用がかかります。

3. ワンルームマンション売却専門の不動産会社を探す

投資用としてワンルームマンションを売却したい方は、ワンルームマンションの投資などを専門としている不動産会社を探すのもおすすめです。投資に関する知識が豊富なので、売却する時期の相談や、より高く売却する方法などを具体的に教えてくれます。

4. どうしても売れない場合は不動産会社に買い取ってもらうことも

一般的には、物件を不動産会社に買い取ってもらうよりも、個人の方が高く売却できる傾向にあります。

そのため、多くの方が個人との売買契約をしますが、買い手を探しているうちに売却活動が長引いてしまい、かえって売却価格を安くする事態にもつながりかねません。活動の期限までに買い手が見つからなさそうなときには、不動産会社へ買い取ってもらうという選択肢も検討すると良いかもしれません。

状況によっては、個人に売却するときよりも不動産会社に買い取ってもらう方が高く売却できるケースもあります。