新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、毎日のように取り上げられているのが「免疫」の話題です。日常生活の中で、短時間に免疫力をアップするには? そのカギとなる一酸化窒素に着目してみました。
コロナ禍で見直される「免疫力」をいかに上げるか
東京オリンピック・パラリンピックへの大いなる期待と共に幕を開けたはずの2020年は、全世界が新型コロナウイルスとの戦いを強いられる年に…。そして2021年にも及んでいます。日本も、もちろんその例外ではありません。
自宅での勤務、業務を余儀なくされている方も多いのではないでしょうか。そうした環境下では自分自身の身体をきちんとケアをし、病気にならない身体づくりやウイルスと戦える力をつけることが最も大切だとの考えから、新型コロナをきっかけに「免疫力」が改めて見直されています。
免疫力を上げる方法としてよくあげられるのが、身体を動かす、バランスや栄養素を考えた食事、質の高い睡眠のほか、よく笑う、身体を温める、リラックスできる時間を作る、自立神経のバランスを保つなどです。今回は「血流」に着目し、免疫力の向上について考えてみたいと思いますが、その前に、まずはここ数ヵ月間に渡り私たちを不安にし、時に恐怖さえ感じさせる「肺炎」について、おさらいしておきましょう。
肺炎とは文字通り「肺の中で炎症が起きる」ことです。風邪とどう違うのかと疑問に思う方も多いと思いますが、簡単に言えば鼻や喉といった呼吸器に起こる感染症が「風邪」、細菌やウイルスなどの病原体が肺胞という袋状の組織に感染することで起こる炎症が「肺炎」です。
新型コロナの主な症状に発熱や咳があげられていますが、炎症がひどくなるほどこの症状も重くなり、時に呼吸困難さえ起こします。呼吸がしづらくなる原因は前述の肺胞にあります。肺胞では酸素を血液中に取り入れ、逆に二酸化炭素を排出する「ガス交換」が行われますが、炎症が広がるとこのシステムが機能不全を起こしてしまう。
そして肺炎が進行するほど酸素が体内に巡らなくなり、あらゆる臓器が働きにくくなります。つまり、ヒトが生命を維持する働きが損なわれていってしまうのです。血液中の酸素が不足するということが、いかに私たちの身体に、命に重大な影響を及ぼすかが分かっていただけると思います。そして、血中に多くの酸素を供給させるためにポイントとなるのが、血管の拡張であり、柔軟性なのです。
血流アップの最大のカギは一酸化窒素の発生にあり?
血管の柔軟性を向上させ、血流をアップさせるにはさまざまなアプローチがありますが、近年注目されているのが「L―シトルリン」です。これは、1930年にスイカの果汁から発見されたアミノ酸の一種で、2007年に食品としての利用が始まっています。
L―シトルリンを摂取すると血中のL―アルギニンの濃度が高まり一酸化窒素(以下、NO)が発生されます。NOには血管を拡張する作用があることから、L―シトルリンは血流アップや血管の強化を促進する「スーパーアミノ酸」として注目度は右肩上がりです。
では、サプリなどの経口摂取以外でNOの発生を促す方法は? ここで着目したいのが‶加圧”です。改めて、加圧トレーニングとは、腕や脚の基部(付け根)の部分に専用ベルトで加圧し、血流制限した状況で自動的に加圧除圧を繰り返して実施することで、血流の流れを促します。血流が速くなったり、遅くなったりする刺激が血管内皮細胞から血管拡張物質である一酸化窒素(NO)を産生させて体内へと放出させます。その結果、NOの分泌を活性化させることが可能です。
加圧トレーニングは半世紀以上前に、日本の医学博士・佐藤義昭先生により日本で発明され、その効果が世界各国で認知され、米国、中国を筆頭にヨーロッパ、アジア諸国でも愛用者が増え続けていますが、「いつでも、誰でも、どこでも」とのコンセプトで「KaatsuCycle2.0」が新たに発売されたことで、その効果、手軽さがさらに世界へ広がっていきそうです。
デバイスに設定された6レベルの中から、その人にあった適正なレベルを選び、加圧除圧を短時間行うことで、家事をしながら、テレビを見ながらなどの日常生活での動きでも誰でも血流の流れを変化させてNOを発生させ、血管を拡張させることが可能です。また、血流制限により血管の内圧も高まることで、血管内皮細胞が増え、血管新生が増殖され、多くの毛細血管が増え、血流が増えることでさらに多くのNOが獲得され、多くの酸素を体内に取り込むことができます。