もし食べていたら?

さてしかし、今回のようにクロサバフグが混入してしまい、そしてそれを誤食してしまうということは今後も起きないとは限りません。そのような場合、食べた人に命の危険はないのでしょうか。

クロサバフグの内臓は確かに毒性が強く、食べてしまうと中毒の可能性があります。主要毒成分であるテトロドトキシン(いわゆるフグ毒)は摂取するとしびれや呼吸困難等に陥り、大量に食べてしまった場合死に至る可能性もあります。

スーパーの小アジパックに毒フグが混入 もし食べてしまっていたら?
(画像=肝臓などに強い毒が含まれる(提供:茸本朗)、『TSURINEWS』より引用)

しかし、今回混入したクロサバフグは見たところかなり小型の稚魚です。クロサバフグ有毒部は10MU/g(1gで10匹のマウスを殺せる強さ)に至るものが報告されていますが、仮にそのレベルの個体だったとしても、今回混入したフグが持つ毒性はサイズ的に20~30MU程度ではないかと考えられます。

一般的な成人男性のテトロドトキシン致死量は3000~20000MUといわれており、今回混入したフグであれば100匹ほど丸呑みしない限りはこの数値に到達することはありません。

だからといって「食べても大丈夫!」なわけでは決してないのでご注意を。

緊急事態宣言は解除されましたが、外出については行政の最新情報を確認いただき、マスクの着用と3密を避けるよう心がけて下さい。一日も早く、全ての釣り場・船宿に釣り人の笑顔が戻ってくることを、心からお祈りしております。

文・脇本 哲朗/サカナ研究所、TSURINEWS編集部/提供元・TSURINEWS

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