近年非常に人気が高まっているのが「旧車」といえるでしょう。若い頃乗っていたクルマ、子どもの頃の憧れだったクルマ、人により様々ストーリーがあると思いますが、これを所有する、またカスタムする悦び、という事もあるのかもしれません。
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ノスタルジーにとどまらぬ「旧車」人気…
人とクルマには様々なストーリーがあると思います。殊更、「旧車」には個人的なヒストリーであったり、ノスタルジーや憧れ、様々な感情が交錯する世界もあるといえます。
冒頭述べたように、現在「旧車」人気が非常に高まっています。子育ても終わり、経済的・時間的に余裕を持った時に、かつての夢だったクルマを手にする、あるいはかつて愛したクルマをもう一度…そういったミドル・シニア層の方に非常に響いているともいえます。また若い世代にも「旧車」に憧れる層も一定存在しています。
これは今のクルマがあまりにも「ハイテク化・デジタル化」してしまった事に対する揺る戻しといえますし、若い世代にはそうした「アナログ感」が温もりあるのもとして、むしろ「新鮮」に受け取られているという事もあると考えます。
ICTの進歩が旧車文化を活性化させた!?
またICTの進歩により、「逆説的に」旧車を以前より維持しやすくなった、という点もあります。これはクルマ選びも同様に言えますが、かつて紙媒体のみが情報源でした。専門誌を購入し、専門店に電話する、あるいは個人売買情報を見て電話、手紙を送る…。今では懐かしさすら感じてしまうアナログさですが、他に術がなかったのです。
また車両の入手もさることながら、旧車を維持するのに最もハードルとなるのは、「パーツの入手」です。これもオーナーズクラブに参加し、横のつながりでパーツを入手する、といった事がマニアックなクルマに乗る場合は不可欠でした(これは今でも言える事ですね)。
とはいえ、ICTのおかげで、ネット上を検索するだけで車両はもちろん、パーツも全国(あるいは世界中)から取り寄せる事が可能になりました。またオーナーズクラブやヒストリックカーイベント開催の情報も容易に入手できるようになったのも、SNSの拡がりと共に指摘できることです。つまり、旧車に乗りやすい土壌も整ってきた、というのも人気の背景にあるのではないでしょうか。
とにかく、日本においてはこうした点から旧車人気が高じてきたといえましょう。