サンチェス首相の失態で棚から牡丹餅式に恩恵が転がり込んだイタリア

一方のドラギ首相にとってサンチェス首相のへまな外交で棚から牡丹餅式にロシアの天然ガスの依存から抜け出せる手段が転がり込んだ感じだ。イタリアはこれまで天然ガスの国内消費分の40%をロシアから輸入している。そしてアルジェリアからは国内消費分の30%を輸入。今回のアルジェリア訪問でこの輸入量をイタリアの石油・ガス会社エニ(ENI)とアルジェリアの炭化水素公社ソナトラック(Sonatrach)が合意の基に来年から40%まで輸入を増やす意向だ。(4月11日付「リブレメルカド」から引用)。

しかもアルジェリアがイタリアに重点を移すことができるのもイタリアは西サハラの住民による投票を支持して来た国で、アルジェリアと同じ姿勢だ。但し、問題として残るのはアルジェリアのソナトラックとロシアのガスプロムが協力してアルジェリアのバーカイン盆地の24か所で採掘調査を実施することになっている。この共同開発がロシアの天然ガスからの依存から脱皮しようとしているイタリアを含めEU諸国にどのように影響するか不明だ。

アルジェリアはロシアと中国、モロッコは米国

アルジェリアはロシアから武器の輸入では3番目に重要な国となっている。しかも、中国がアルジェリアでの多方面での開発に力を入れている。

一方のモロッコはイスラエルとの関係を深めているのも米国が背後から協力しているからで、モロッコは米国からの影響を強く受けている。

スペインへのガスのパイプラインはアルジェリアからとモロッコ経由の2つがあったが、アルジェリアはモロッコ経由を中断させている。米国のブリンケン国務長官がアルジェリアを訪問した際にモロッコ経由のパイプラインの再開を要望したが却下されるという経緯もあった。

文・白石 和幸/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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