20代のうちならまだしも、30代でニートとなると事態はより深刻です。

なぜなら、20代よりも30代の方が就職率は低くなってしまうからです。

しかし、30代ニートはかなり多く、40歳未満ニート全体の約半数を占めています。

なぜ30代のニートはこれほどまでに増えているのでしょうか。

この記事では、

・30代ニートの割合
・なぜ30代ニートが多いのか
・30代ニートがやってはいけないこと
・30代ニートが正社員を目指す際の方法

について、詳しく解説していきます。

ダルマちゃん 30代ニートの現状を理解して、そこからの出口を見つけるきっかけになる記事だよ!最後までしっかり読んでね。

目次
30代ニートの人口と最終学歴の割合
30代ニートが増える5つの原因

30代ニートの人口と最終学歴の割合

30代ニートが増える5つの原因と対処法 | 統計データに基づいた分析を公開
(画像=『キャリアゲ』より引用)

30代と言えばバリバリ働き社会に貢献しているべき年代ですが、その一方で30代ニートはかなりたくさん存在しています。

この章では、30代ニートについて

・若年層ニートにおける30代の割合
・30代ニートの学歴

の2つの面から解説していきます。

30代ニートの人口割合

2019年時点、15歳から39歳のニートの人口は74万人と言われています。

以下は、74万人のニートの年齢別人数を示したものです。

▼2019年ニートの年齢別総数

年齢総数
15〜19歳9万人
20〜24歳15万人
25〜29歳14万人
30〜34歳18万人
35〜39歳18万人

参考:厚生労働省ホームページ「厚生労働白書」

30代ニートがいかに多いかお分かりでしょうか。

20代ニートが29万人なのに対して、30代ニートは36万人です。

39歳以下のニートのうち、約半数が30代であるという事実をまずは受け止めなければなりません。

ユーくん 20代からニートを続けて30代になった人も多いんだろうね。

ダルマちゃん そう。30代ニートは就職しようにも就職先が見つからずニート継続期間がながくなりがちなんだ。

30代ニートの最終学歴の割合

30代ニートの最終学歴にも注目してみましょう。

以下のデータはニートの最終学歴を示したものです。

▼ニートの最終学歴

年齢中卒(単位:人/100人)高卒(単位:人/100人)大卒(単位:人/100人)
15〜19歳169.3
20〜24歳10.54.51.9
25〜29歳93.31.3
30〜34歳8.62.41.1
35〜39歳8.720.8
40〜44歳10.41.80.9

参考:厚生労働省ホームページ「厚生労働白書」

どの年代においてもニートに多いのが「中卒」であることが分かります。

30代ニートにおいても、中卒の占める割合が高く、大卒の約8倍から9倍となっています。

ユーくん 学歴がいいとニートにはなりにくいってことか。まあ当たり前と言えば当たり前かぁ。

30代ニートが増える5つの原因

30代ニートが増える5つの原因と対処法 | 統計データに基づいた分析を公開
(画像=『キャリアゲ』より引用)

30代のニートはなぜ多いのでしょうか。

この章では30代のニートが特に増えている理由について解説していきます。

1.ニートの継続期間が長くなると就職率が激減する

30代ニートが多いということは、単純に30代でニートになる人が多いというよりもニートから抜けられなくなる人が多いと考えられます。

なぜなら、30代ニートの正社員就職はかなり難しいからです。

30代ニートの中には20代からニートを継続している人も多くいるため、ニート期間が長くなっているケースも珍しくありません。

3年、5年とニートを継続しているうちに30代になると、就職できる確率はかなり減ってしまいます。

▼フリーター期間別に見る正社員になれた者の割合(20~29歳)

30代ニートが増える5つの原因と対処法 | 統計データに基づいた分析を公開
(画像=出典:厚生労働省ホームページ「若年者雇用取り巻く現状」、『キャリアゲ』より引用)

上記のデータはフリーターの継続期間と就職率を示したものです。

ニートの就職率とは異なるものですが、フリーターからの正社員就職もフリーター期間が長くなるほど厳しくなっていく部分では共通しています。

ダルマちゃん フリーターよりもニートの方がさらに厳しいと考えられるよ。

フリーターの継続期間が半年以内であれば、その後正社員として就職する際にもそれほど影響は及ぼしません。

しかし、期間が長くなるにつれてフリーターから正社員になれる確率はどんどん減っていきます。

企業は採用を考える際に、

・なぜこんなに長い間正社員として働くことをしていないのか
・社会性に問題があるのではないか

と考えるようになり、その不信感は、正社員から離れてしまっている期間が長くなるほどに強くなります。

結果、30代ニートは就職しようにもどこからも採用されず、結局ニートを継続してしまうという悪循環に陥ってしまっているのです。

2.学歴フィルターで選べる職種が限定されてしまう

30代ニートの中で中卒が占める率は高いです。

企業によっては、今の時代でも学歴を重視して採用するかしないかを決めることが多々あります。

いわゆる「学歴フィルター」により採用の可否を決めてしまうとなれば、ニートで中卒となるとなすすべがありません。

条件の項目に、「高卒以上」「大卒以上」と記載されていることもあるため、そもそも応募できる企業に限りがあります。

「学歴が低く就活しようにも応募できる企業が少ない」という点は、30代ニートが就職できずニートを継続する理由となってしまっているのです。

3.30代はまだ若いと思ってしまっている

30代ニートは自分のことをまだ若いと思っていることも多いです。

「ついこの前まで20代だったわけだし、まだ若い」、「これからどうにかなる」などと思っていると、だらだらと時が流れてしまいます。

ダルマちゃん 転職において30代ってのはすでに危うい立場なんだ。スキルがあれば別だけど、何もない30代は転職も大変なんだよ。

ニートの根底にある、「どうにかなる」という考え方がここでも顕著に現れていますね。

30代ニートはもっと危機感を持たなければなりません。

でなければ、すぐに40代ニートになってしまいます!

ユーくん のんびり楽観的にかまえてるからどんどんニート期間が伸びてしまうんだろうね。

4.専門的なスキルを必要としない職歴が多い

30代ニートでも、何か専門分野で活かせるスキルや実績があれば、就職活動に役立てることができます。

果たして30代ニートはこの先のキャリアに活かせるスキルを持っているのか、ここでリサーチしてみました。

▼ニートの人たちの過去の職業歴

業種割合
専門技術職3.1
事務職0.094
営業販売職0.228
サービス職0.311
保安職0.008
農林漁業職0.024
運輸通信職0.046
生産労務職0.251
その他0.006

参照:財団法人社会経済生産性本部 「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調査研究報告書」<

ニートの職歴で目立つのは、営業や販売業、サービス業、そして生産労務職ですね。

ダルマちゃん 生産労務職はものを作る仕事に関わる職業だよ。工場勤務とか、現場作業系の仕事はこれに該当するんだ。

見る限り、ニートが前職で何かしらの専門スキルを身につけているようには思えません。

ユーくん サービス業や販売の仕事も、特定のスキルが身につく仕事ではないよね、確かに。

つまり、30代ニートは、

・若くない
・スキルがない
・あるのはブランクのみ

という、企業側から見ればなんとも魅力を感じさせない人材になってしまっているのです。

5.企業側が欲しい人物像の逆を行ってしまっている

企業は誰かを雇おうと考えるとき、何をどう判断して採用の可否を決めるのでしょう。

職種に関わらず基本的な判断材料になるのは、

・専門スキルがある
・若くて伸びしろがある
・やる気に溢れ協調性がある

以上のポイントです。

30代ニートの多くはひきこもり生活で社会性も失いかけてしまっているケースが多いです。

そのため、唯一希望の持てる3つ目の「やる気と協調性」の部分でもアピールできないのです。

ダルマちゃん 結局3つのうちどの特徴にも該当しないのが30代ニートだよ。

30代ニートは企業が欲しがる人材と比較したときに、その対極にいることが分かります。

これではそう簡単に正社員として採用されるはずもない、というわけですね。