「旧式工程」の反乱が2年以上続いている。日増しに収益性が良くなっている8インチファウンドリ(半導体受託生産)の話だ。自動車用半導体(MC)、電力半導体(PMIC)、ディスプレイ駆動用チップ(DDI)、イメージセンサー(CIS)など8インチウェハーで生産する部品の価格が上昇し、関連会社も「嬉しい悲鳴」を上げている。韓国メディア「News1」が報じた。(写真:京畿道利川にあるSKハイニックス半導体ファブ=SKハイニックス)

11日、関連業界によると、SKハイニックスのファウンドリ子会社SKハイニックスシステムICは昨年、売上6999億ウォン(約709億円)、当期純利益1976億ウォン(約200億円)を上げた。純利益は前年(933億ウォン、約95億円)の2倍を超えた。

売上は前年比小幅減少した。これは忠清北道清州市( チュンチョンブクト・チョンジュ)ファウンドリ工場の中国無錫への移転過程で一部ラインが稼動を中止した影響だ。当初、SKハイニックスは2022年までに順次装備を移転する計画だったが、ファウンドリ需要が急激に増えると、ファブ移転完了時期を大幅に繰り上げて昨年からラインを稼動し始めた。

生産量が減少せざるを得ない状況で純利益が大幅に増えたのは、それだけ8インチファウンドリの収益性が大きく好転したためだ。

韓国を代表する8インチメーカーのDBハイテックも業績新記録を出した。昨年、売上が初めて1兆ウォンを突破し、営業利益も前年比67%増の3991億ウォン(約404億円)を記録した。8インチファウンドリの好況が始まる前の2019年の営業利益は1046億ウォン(約106億円)だった。2年ぶりに営業利益が4倍に跳ね上がったのだ。

8インチの装備は大半が40nm(ナノメートル・1nmは10億分の1メートル)台以下のローエンド(低級型)工程を通じて半導体を生産する。2010年代半ば、ファウンドリメーカー各社が先端工程への転換を宣言し、旧式工程扱いを受けたが、コロナ19が発生した2020年を基点に、該当工程で生産される部品の需要が急増し、状況が変わった。殺到する注文に半年分の数量が一気に締め切られ、生産単価交渉でも8インチファウンドリ企業が有利な立場を占めた。

半導体業界の関係者は、「生産能力(CAPA)より注文量が多ければ、ファウンドリ企業の立場では単価の高い製品から優先生産できる選択権が生じる」とし、「ファブレス企業も生産を早くしたい製品に対しては、価格をある程度引き上げることになる」と話した。

旧式工程として扱われる期間中、装備会社が8インチ市場から撤退したのも、8インチファウンドリ企業の好況に影響を及ぼした。8インチの装備を製造するメーカーがほとんどなく、需要に見合う増設が難しいからだ。国際半導体材料装備協会(SEMI)が予測した2020年比2024年8インチファウンドリ生産量の伸び率は、4年間で17%水準に止まった。

別の業界関係者は、「この2年間、8インチ中古装備の価格が大幅に上昇したが、それも中国メーカーが相当数を持っていったと聞いている」と伝えた。

メモリ半導体の偏りを防ぐため、ファウンドリ事業の強化を公言したSKハイニックスが、他の8インチメーカー「キーファウンドリ」を買収したのも、最近の状況を反映した措置と解釈される。システムICの急激な増設より、すでに生産基盤が整ったキーファウンドリを抱く方が経済的だと判断したのだ。

先月末、キーファウンドリ買収が公取委員会の承認という最後の段階を越え、今年SKハイニックスの8インチファウンドリ生産能力は2倍ほど増える見通しだ。キーファウンドリとシステムICの月別生産能力は8万~9万枚規模でほぼ同じだ。

業界では8インチファウンドリ企業の業績上昇余力が残っていると見ている。ダオール投資証券のキム・ヤンジェ研究員は、「追加的な8インチ増設は難しいのに対し、モノのインターネット(IoT)、電装など多品種少量量産8インチ需要は次第に増加している」とし、「また、バンガード(VIS)やタワーセミコンダクターなど8インチメーカーが、従来のシリコン(Si)ウェハーから炭化ケイ素(Sic)、窒化ガリウム(Gan)などへライン転換することで、従来の8インチ供給も減る可能性がある」と分析した。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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