ニートを半ば強制的に集団生活させることで、社会復帰ができるようにサポートする「更生施設」が存在することをあなたはご存知でしょうか。
あまり語られることのないニートの更生施設ですが、その実態はお世辞にも良いものとは言えません。
なぜ更生施設を利用して社会復帰を目指す方法は良くないのでしょう。
そこには、「逆効果」とも言える数々の要因があるからです。
この記事では、
・ニートの更生施設の実態
・更生施設を利用しても根本的な問題が解決されない理由
・更生施設を利用せずに社会復帰を目指す方法
ニートの更生施設に対して少し興味を抱いている人や、なかなか社会復帰ができずにいるニートの方にぜひ読んでいただきたい内容です!
目次
ニートの更生施設に批判殺到した過去
ニート更生施設の7つの実態
ニートの更生施設に批判殺到した過去

更生施設というと、何だか「悪いことをした人が悔い改めて再スタートを切るための施設」のようなイメージを持つ人も多いでしょう。
実際、ニートの更生施設はまさに「罰を与えられている」ような気持ちにさせる要素が多く、ポジティブに社会復帰を目指せる場所とは呼べません。
ユーくん 更生施設なんだし、そもそも社会復帰を叶えるサポートをするはずの施設なのに、なんでなんだろう。
ニートの更生施設では、これまでに利用したニートたちからたくさんの批判的な意見が殺到していた過去があります。
更生施設に入所したニートの多くは、
・自分の意思でなく親の意思で入所させられた
・無理矢理更生施設に連れて行かれた
・監禁と言えるほど自由のない生活を強いられた
などの原因で、「家に帰ってもまた施設に入れられる」と、強いトラウマを抱えてしまっているのです。
ダルマちゃん 家族にも裏切られたような気持ちになってしまうのも分かるよね。
もちろんニートもこのまま黙っていません。
ニートの更生施設で心に深い傷を負ってしまった多くのニートたちは、交番や役所に駆け込み被害を訴えます。
しかし、どこに苦情を言っても決定的な証拠がなく、施設を罪に問う法律も存在しないため、うやむやになってしまうのです。
ダルマちゃん 問題があると言ったところで、結局個人の意見でしかないからね。すぐに施設に調査が入るなんてことにもならないんだ。
親に施設に無理矢理入れられても、そこで社会復帰に向かって進むことができればまだ良いかもしれません。
しかし実際には、「不当に扱われている」との苦情が殺到するほど、苦しい状況に追い込まれてしまうだけ。
これでは更生施設の意味がありませんね。
ニート更生施設の7つの実態

ニートの更生施設は、批判が殺到するほどの状況だったことはお伝えした通りです。
ですが、一体具体的にどのような点が、ニートをそこまで追い詰めてしまうのかを理解する必要があります。
この章では、ニートの更生施設の7つの実態を挙げ、それぞれについて解説していきます。
1.強制連行
自分の子供がニートであることに悩み、もはや自分ではどうすることもできないと思ったとき、親たちは強硬手段に出ます。
それは、ニートの更生施設に「子供を連れて行ってくれ」と頼むこと。
更生施設は、親から事前に預かった鍵でニート本人の部屋や家の鍵を開け、突然目の前にやってきます。
ユーくん えっ!怖いよねそんなの。だって本人は何も知らないんでしょ?そんなのひどい‥。
ニートが「行きたくない」と言ったところで、すでに依頼を受けている施設側は無理矢理にでも本人を施設に連れて行くのみ。
言わば強制連行されてしまうのです。
この経験は後にニートの中にトラウマとなって残り続けることも多いと言います。
社会復帰した後でもなお、強制連行された日のことが蘇り、「怖くて仕事にも行けない」と仕事を休んでしまう人もいるくらいです。
それほどまでに、強制連行された過去の残した傷は深いのでしょう。
2.施設内に軟禁
更生施設に入った経験のあるニートによれば、施設の至る所に防犯用ロックが取り付けられ、簡単に出られないようになっていたと言います。
ユーくん 精神病院の病棟みたいだね。なんか頭がおかしくなっちゃいそうだよ。
完全に閉じ込めていれば「監禁」となり、法に触れてしまいます。
しかし、ニートの更生施設は監禁せず「出ようと思えば出ることができる」程度。
あとは、「逃げ出すようなことをすれば、後で大変なことになる」と全員を精神的にコントロールすることで施設内に軟禁するのです。
ダルマちゃん もし勝手なことをしたら精神病院に入院させるぞ、などと言って脅されていたという声も聞くよ。
社会復帰を目指す更生施設が、入所している人々を軟禁状態にしているとなれば、社会復帰どころか精神に異常をきたしてしまいますね。
3.金銭も取り上げて管理
ニートが更生施設に入所する際には、携帯電話などの私物から通帳、現金、キャッシュカードまでを取り上げられたという話もあります。
ユーくん ひどい!そんなの囚人みたいじゃん!
自由に使えるお金がなくなると、施設から脱走する気にもなりません。
これまではニートでも多少の小銭は持っていて、コンビニでお菓子を買う程度の自由はあったはず。
全ての自由が奪われてしまえば、「人間的な生活」もできません。
こうして、ニートは生活を全て施設側に管理されていきながら、「なんで家族はこんなところに自分を入れたんだろう」と不信感を募らせるのです。
ダルマちゃん 金銭や通帳、カードなどを奪われるっていうのは、精神的にかなりキツいよ。自分では何もできなくなるからね。
4.就職が決まっても卒業を許さない
ニートの更生施設のそもそもの目的は「ニートを脱ニートさせるためのサポート」です。
それにも関わらず、就職が決まったニートを施設から卒業させなかった事例もあります。
ユーくん そんな!だったらいつになったら出られるの?絶望するよ僕だったら。
更生施設が仕事の決まったニートを卒業させない理由として考えられるのは、「施設に長くいてもらうことで金儲けができる」からでしょう。
こうなってしまっては本末転倒です。
「こんなところから一刻も早く脱出したい」という思いで就活を必死に頑張った挙句、「君はまだここにいる必要があるよ」などと言いくるめられるのです。
もはや「ニートの更生施設」とは呼べませんね。
5.法外な報酬請求
ニートの更生施設の多くは、「短期間で社会復帰を目指せるところまでもっていく」こと。
1ヶ月で社会復帰!3ヶ月で就職が叶う、などと数ヶ月単位の更生施設がほとんどですが、その価格が極端に高額な例も目に付きます。
中には、たった3ヶ月の料金が450万円という更生施設も!
ダルマちゃん 3ヶ月で450万円なんて明らかに異常だけど、中には「高いからきっとちゃんとしたところだろう」と判断する人もいるんだ。
更生施設は、ニートという社会的に立場の弱い人の弱点に漬け込み、利益を上げることしか考えていない場合があるということ。
どうにかして我が子を脱ニートさせたい、という親たちの切実な思いを叶えるためなら、数百万円をあっさりと支払う親たちも少なくありません。
しかし、3ヶ月で450万円という価格は、たとえ社会復帰できたとしても法外な料金であることは確かです。
6.脱走者が続出している
親が高いお金を払って子供を更生施設に入れても、ほんのわずかな期間で限界に達し「脱走」している入所者は実に大勢います。
ユーくん でもそれって仕方ないことだと思う。あまりにもひどいもん。扱いがひどすぎる!
ニートが更生施設に入れられ、そこで「これなら自分も社会復帰できるかもしれない」と希望を見出せていれば脱走など考えもしないはず。
更生施設で自由を奪われ、誰とも連絡を取ることもできず、「ただ閉じ込められているだけ」と感じるからこそ、逃げ出したくなるのでしょう。
ニートの更生施設では、
・日々の家事を分担して行う
・パソコン教室やコミュニケーション研修の受講
・山登りなどのアクティビティ
などを通して、社会性を取り戻していくことが目的とされています。
しかしその裏側では、
・自由を奪われますます無力感でいっぱいになる
・小学校の勉強をさせられてバカにされた気持ちになる
・監視カメラがあちこちにあり常に安心できない
という状況下で苦しむニートたちがどんどん増えてしまっているのです。
これでは、脱走者が続出するのも無理はありません。
7.被害届が受理されない
これほどまでに更生施設の実態がひどいとなると、当然相当な数の被害届が出ているはずです。
実際に施設から逃げ出して警察官に被害を訴える人、出所した後に役所で更生施設の実態について申し出る人は後をたちません。
しかし、ニートの更生施設に関わるこれらの被害届は受理されないことがほとんどです。
ユーくん なんで?こんなにひどい状況なのに、被害届が受理されないってどういうこと?
更生施設に関わる被害届が受理されない理由は、
・強制連行に関する証拠となるものがない
・施設内の実態についても立証できない
などが挙げられます。
ダルマちゃん つまり証拠がないんだよ。施設の中ではスマホも使えないし、強制連行される時に動画の撮影なんてできないわけだから。
さらにもう一つの理由としては、「民間の更生施設を規制する法律がない」という点も挙げられます。
法律違反であれば当然行政が介入することが可能になりますが、ニートの更生施設はあくまでも民間施設。
特に定められたルール自体がそもそも存在しない点も問題視されています。