目次
ハイパーカジュアルゲームの企画はどうやって考えてるの?
ハイパーカジュアルゲーム事業に取り組む理由
ハイパーカジュアルゲームの企画はどうやって考えてるの?
少年B:
それだけ多くのゲーム企画を考えているなら、他社とネタが被ってしまうことはありませんか?
山内:
めちゃくちゃあります。競合がどんなものを作っているかは、毎日チェックしてますが、1週間差で先にリリースされてしまったとか、作っている最中のゲームとほとんど同じゲームが大人気になっているだとか……。
少年B:
やっぱり被るんだ! でも、それは悔しいですね……!
山内:
だから、企画を立てたらスピードが勝負ですよね。プランナーは企画を週に2本~4本ぐらい考えるし、Goが出たらエンジニアは3週間程度で形にすることが求められます。
少年B:
すごい! わたしも記事の企画を考えることは多いんですが、企画を立てるコツはありますか?

山内:
ハイパーカジュアルゲームの場合、InstagramやTikTokでバズった投稿を参考にすることが多いですね。私はフォロワーが多い人を片っ端からフォローして、リサーチしています。
たとえば、梱包材のプチプチをいくらでも潰せる「無限プチプチ」の動画が流行ったときはそれをゲームにしてみたり、「スマホケースを自分で塗ってみた」がブームになったときはスマホケースを虹色に塗るゲームを作ったり……。絵文字だけで会話をするゲームを作ったこともあります。
少年B:
リサーチ、めっちゃ楽しそうですね!
山内:
おじさん同士で「これどう?」「ウケるね~!」なんて言いながら会議をしていますね。
少年B:
女子高生の会話じゃん。ちなみに、山内さんはおいくつなんですか?
山内:
39歳になりました。

少年B:
なるほど。
山内:
その顔、やめてもらってもいいですか?
ハイパーカジュアルゲーム事業に取り組む理由
少年B:
Nobollelはなぜハイパーカジュアルゲームの事業に取り組んでいるんですか?
ホームページを見る限りでは、大手の会社と協業したり、固いお仕事をされていると思うんですが。お話をうかがったところ、ハイパーカジュアルゲームってけっこうな博打ですよね……?

山内:
一言でいうと「ベンチャーだから!」です。手堅い事業もやってるんですが、やっぱり夢は見たいし、ホームランを狙っていきたいじゃないですか。
……と、そればかりだと博打でしかないのですが、じつは弊社の場合は人材マネジメントにもハイパーカジュアルゲームを活用しています。
ハイパーカジュアルゲームを人材マネジメントに活用
少年B:
人材マネジメントにハイパーカジュアルゲームを???
山内:
はい。ハイパーカジュアルゲームを作るとなると、すごく短いサイクルで成果物をあげることになりますよね。
なので、非言語コミュニケーションが大事になってくるんです。「思いやりの心」みたいなところですね。
少年B:
「ここは仕様書に書いてないけど、こうしたほうがいいからこうしておこう」みたいな……。

山内:
そうです。短いサイクルで制作するので、技術力やコミュニケーション能力を育てやすいんですよね。
「この人にはどんな仕事が向いてるのか」を短期間で見極められるというのもあります。
少年B:
年単位の時間がかかりうる「ゲーム開発」というプロジェクトを、超高速でブン回してるわけですもんね。
山内:
ハイパーカジュアルゲーム作りで開発力を鍛えて、のちに大規模なプロジェクトに抜擢する、なんてこともあります。
ハイパーカジュアルゲームを学生との関係づくりに活用
山内:
あとは、学校との関係づくりにもハイパーカジュアルゲームは役立っています。
少年B:
どういうことですか???
山内:
正社員採用って、ベンチャーだとなかなか難しい部分があるんです。とくに、新卒採用は大手のゲーム会社さんに人材が流れちゃいますし、仮に採用できてもミスマッチのリスクがあります。
なので、学生インターンを採用して、ハイパーカジュアルゲーム作りを手伝ってもらっているんです。
少年B:
ハイパーカジュアルゲームはインターン生でも作れるんですか?

山内:
ゲームエンジンはUnityを使っているので、最低限それが使えるかの確認はします。ただ、技術的にものすごく難しいことをするわけではないので、基本的に「どんな子でも受け入れます」というスタイルです。
あとは現場で経験を積んでもらって、会社のことも知ってもらって。そうすると、「就職したけど合わなかった」といったリスクは、お互いに減ります。
少年B:
就職先として計算が立てば、学校側としても安心できますもんね。
山内:
「学生との接点を作っていく」「人材育成をする」という点でも、ハイパーカジュアルゲームはいい事業だなと思いますね。
ハイパーカジュアルゲームは“ゲーム作りの醍醐味”を味わえる
少年B:
しかし、ハイパーカジュアルゲームって、ほとんどは事業にならない厳しい世界じゃないですか。担当者のモチベーション、下がりませんか?
山内:
確かに、モチベーションの維持は大変かもしれません。でも、すごい経験ができると思うんですよ。
少年B:
たとえば、どういうところですか?
山内:
自分の考えたものを形にして世に出すのは、想像以上に大変です。ゲームを1本出すにしたって、企画にシナリオ、音楽、開発……。大変な工数がかかるし、関わる人数も多いです。小さいゲームでも10人くらい、大きなゲームだと数百人単位のチームになることもザラです。
少年B:
たしかに、ゲームメーカーのインタビュー記事を見てるとそんな印象がありますね。
山内:
でも、ハイパーカジュアルゲームなら、たとえばインターン生が作りたい企画をプレゼンして、採用となったらすぐ作れるわけです。大手ではあり得ないと思いますよ。
自分でマーケティングして、自分でゲームの企画書を作って、それが通ればすぐ形になる。これはゲーム作りの醍醐味だと思うし、この経験をした人はどこに行っても強いと思います。

少年B:
会社員なのに個人サークルでゲーム作ってるみたいな感じですもんね。その働きかた、ちょっとうらやましいな……!
山内:
あと、普通のゲーム会社なら、エンジニアは最低でも半年くらいは同じゲームに関わるんですが、ハイパーカジュアルゲームは、3週間くらいですぐ次のゲームを作ります。パズルとかクイズとかレースゲームとか……。エンジニアが得られる経験値や成長速度は、圧倒的に違うと思います。