高市政調会長はなぜ不人気になったのか?

昨年の自民党の総裁選の際、高市氏を推す声が異様に高まったのを覚えている方も多いでしょう。いやそれどころかそれは俺のこと、私のことと思っている方だらけだと思います。私は河野氏かな、と思ったのですが、中国問題やらで足を引っ張られてしまいました。その後、自民党の幹事長になぜかあの茂木氏が就任したのが運の尽きだったと思います。茂木氏は唯我独尊、友達もいないという点からしても外務大臣がベストポジションだったのですが、人をまとめるのが最も苦手なポジションに人をまとめる役を押し付けた人事の責任は誰にあるのか、と思います。

高市政調会長がその茂木氏とウマが合わないから最近の人気凋落につながっているか、と言えばそれだけではないでしょう。高市節はずっと昔から変わらずです。そして不幸なことにこの方にもお友達が少ないのです。特に女性の議員からはあまり好まれないタイプだと思います。理由は「物言い」だと思います。物事の表現に感情と事実を織り交ぜてしまい、発する言葉に「好き嫌い」の情感が出過ぎているのです。ビジネスでも政治でも物事は事務的にクールに処理することと情熱的にやる時と使い分けが必要なのですが、高市氏の言動はいつも同じトーン。問題は発する言葉に好き嫌いの感情を散りばめすぎると聞く方はそれに対して明白な答えを出さざるを得ないのです。上述のツィッターなどSNSの発信と同じです。

高市氏が岸田氏、安倍氏にいろいろなことで攻め入ります。「私の主張を聞いてください」と。岸田氏も安倍氏も内心、面倒くさいと思っています。「それは個人の意見ですか、政調会長の意見ですか、それとも茂木さんも含めた党幹部の総意ですか?」と。

当初安倍氏に推されたのですが、今では安倍派に受けれすらしないのです。一時、日本で首相に最も近いポジションと言われたのですが、私にはそうは思えません。できる人と物言いがはっきりしている人は全く違います。政治家は物言いが職業ですが、人望がある人とは勝手に人がついてくるタイプです。二階さんが以前、言っていたこと、女性議員はなぜ協力し合わないのだろうと。二階さん、それを今更いうのかな、と。女性が高い人望を備えるのはものすごく難しいと思います。なぜ欧米の女性がトップを務められるのか、違いが大きいと感じています。

後記
今年は書籍を例年以上に読んでいます。ジャンル問わずです。最近読んで特に面白かったのが「旧皇族の宗家、伏見宮家に生まれて」で旧皇族の伏見博明氏のオーラルヒストリーです。いわゆる皇室の側面がわりとぶっちゃけた形で紹介されており、大変面白く一気に読んでしまいました。(薄っぺらなのに2400円もしますが。)この時期になると「なんでヒロはゴルフしないんだい?」というお誘いが多いのですが、今は大地との格闘より知識欲の方が勝っています。エンタメが少ないところゆえに自分自身に時間を注げるともいえるのでしょう。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年4月16日の記事より転載させていただきました。

文・岡本 裕明/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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