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「思いやり」が効果的?
Point
■厚生労働省の調べによると、精神病疾患で医療機関へかかる人の数は近年増加の一途を辿っている
■精神疾患も他の病と同様、早期に対策をせずに放置し続ければ、やがて重篤な症状につながる恐れがある
■不安の解消法について、心理学者は「思いやり」を持つことがとても効果的であることを指摘している
厚生労働省の調べでは、近年の精神病疾患で医療機関へかかった人の数は、全国で300万人を超えており、増加傾向が続いていると言います。
確かに現代の私達にとって、精神を病むことは身近な問題になっています。
精神疾患は客観的な評価が難しく、周りも本人も自覚がないまま、重篤な症状へと発展してしまう場合があります。
精神疾患も風邪と同様に、日常的にかかる恐れのあるありふれた病気と思って、日頃から心をケアする方法を身につけ、負担を蓄積して重症化させないようにすることが大切です。
しかし、実際に何をすることが効果的なのでしょうか? 風邪と同様に帰ったら手洗い、うがいをするような予防方法があるのでしょうか?
「思いやり」が効果的?
これについて、テキサス大学オースティン校のクリスティン・ネフ博士は、ストレス要因となる不安の解消に「思いやり」が効果的であることを指摘しています。
精神を病む原因の1つは、絶え間ない不安やストレスにより、緊張状態が慢性的に続いてしまうことにあります。こうした身体の異変については、スタンフォード大学の精神外科医であるJames R.Doty医師が語っています。
「ストレスは、常時続く緊張状態を作り、賢明な判断を下す能力を低下させてしまいます。これは私達を騙されやすくしたり、政治的な問題に影響を受けやすくしてしまいます」
ダービー大学心理学者Paul Gilbert博士は、自分に対して「負け組」と思い込んだり、「全然ダメだ」と自分の状態を評価したりするような、自己批判がストレスの原因になるという指摘をしています。
そして、このGilbert博士もまた、「思いやり」の感情が不安解消に大きな効果を持つことを指摘しています。
多くの心理学者が指摘する、思いやりの持つ意外な効果とは一体何なのでしょうか?