トヨタは2022年4月12日、スバルと共同で開発した初の本格的なBEV「bZ4X」を5月12日からKINTO(定額月払い)扱い、またはリース方式で発売すると発表した。

トヨタ 新型BEV「bZ4X」サブスク&リースで5月12日発売へ【動画】
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

bZ4Xは、日本だけでなく、北米市場、ヨーロッパ市場、中国市場をはじめグローバルで順次発売するとしており、日本に最初に投入されることになった。

個人はKINTO、法人にはリース方式

日本においては、BEVに対するユーザー層の不安解消と、電池の全数管理を前提としており、その結果全数リース販売とすることになった。そのため個人の購入希望者は、定額月払い(サブスクリプション)「KINTO」での取り扱いとし、法人顧客は、全国のトヨタレンタリース店、トヨタモビリティサービス(東京地区)からのリース方式としており、純然たる個人購入は行なわれない、という特別な扱いとなっている。

なおKINTOで扱うbZ4Xは、専用の最長10年使用プランを設定しており、5年目以降は段階的に月払い価格が低減するように設定し、5年目以降の解約は自由とする新システムが計画されている。月払い額、詳細プログラムは5月12日に発表される。

トヨタ 新型BEV「bZ4X」サブスク&リースで5月12日発売へ【動画】
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)
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(画像=『AUTO PROVE』より 引用)
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もちろん、KINTO、リースともに10年間のバッテリーの性能保証を行なうとともに、コネクティッドサービス利用費、ECUなどソフトウエアのアップデートなども諸経費として、毎月の均等払い額に含まれることになっている。

5月12日より第1期として3000台分の申込み受け付けを開始し、秋口に第2期、以降順次申し込みを受け付け、初年度は5000台分の生産・販売を予定している。

KINTO、リース方式に限定した理由は、トヨタはBEVとしての新しい売り方の模索ということと同時に、通常販売による中古車価格(残価)の下落を防ぎたいという二つの理由がある。この背景には、日本市場がBEVに関してのネガティブなハードルが極めて高いという事情があると考えてよいだろう。

生産は元町工場内のグリーン電力を使用する専用ラインで行なわれるが、スバル用の生産も行われるため、少なくとも日本市場向けのbZ4Xとしての生産台数はかなり限定的となっている。逆に言えば、bZ4Xの生産割り当ては、CO2総量規制のあるヨーロッパやZEV規制のアメリカ市場が優先される可能性が大きいことも考えられる。ちなみにヨーロッパ市場は今夏から出荷が開始される予定だ。

またトヨタはbZ4Xの発売に合わせ、今後は充電インフラの拡充にも取り組んで行く方針としている。今後のBEV普及進度を踏まえ、2025年を目途に、全国のトヨタ販売店に急速充電器を設置していく計画で、今年はBEV需要が高い地域を中心に順次設置されることになっている。ただ、販売店側がどの程度の出力の急速充電器を設置するかは今後の課題になりそうだ。

bZ4Xの基本性能

bZ4Xは、初の本格的那BEV専用プラットフォーム(eTNGA)を採用し、床面にフラットに容量71.4kWh、電圧355.2Vのリチウムイオン・バッテリーを搭載。FFモデルとAWDモデルがラインアップされているが、グレードは「Z」のみとなる。

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(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

FFモデルはフロントにモーター/インバーター/減速ギヤを一体化したe-アクスルを配置し、204ps/266Nmを発生。AWDモデルは前後に109ps/169Nmのモーター/e-アクスルをレイアウトしている。そのためAWDモデルのシステム総合出力は218ps/337Nmとなる。また加速性能の0-100km/hではFFモデルは7.5秒、AWDモデルは6.9秒と発表されている。なおAWDモデルはスバルが開発したグリップ・コントロール付きXモードを装備し、SUVとしての悪路走破性を確保している。

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(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

1充電あたりの航続距離は、WLTCモードでFFモデルが559km、AWDモデルは540km。また充電は、普通充電は200V/6.6kW/30Aで対応し、急速充電は最新の高圧直流の150kWに対応している。そのため現時点の日本で最高レベルの出力90kWhの急速充電器を使用すると、ほぼゼロの状態から40分で充電量80%まで充電することができる。また普通充電の場合は6.6kW充電で約12時間でフル充電することができる。

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bZ4Xのボディサイズは、全長4690mm、全幅1860mm、全高1650mm、ホイールベース2850mmで、重量はFFモデルが1920kg、AWDモデルが2010kg。ボディサイズ的にはグローバルCセグメント+のカテゴリーとなり、グローバルで見てこのカテゴリーのBEVとしては最も競合車の多い最激戦区に参入することになる。

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(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

そのため、機能や性能、走り、価格面でどのような評価を受けるか興味深い。ちなみにテスラ モデル3もセダンタイプとSUVタイプの違いはあっても、ボディサイズは全高以外は近似しており、価格はモデル3は549万円からとなっている。

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輸入車では、最近登場した韓国のヒョンデ IONIC5、ヨーロッパからのシトロエン E-C4エレクトリック、Cセグメントのフォルクスワーゲン ID.3/ID.4、そしてプレミアム・カテゴリーで、Q4 e-tron、メルセデス・ベンツ EQA、BMW iX3などが同様のカテゴリーで並び、日本車では日産 アリアも今後グローバルに販売することになり競合車となる。

また中国市場では、BEVで先行している中国メーカー各社の多様なBEVがすでに販売されており、どの地域でも激戦区である。新たに登場したbZ4Xの存在感がどれほど発揮できるのか注視したい。<レポート:松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>

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参考価格

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文・松本 晴比古/提供・AUTO PROVE

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