マスターカード最上位クラスのクレジットカード4種類を日本で発行しているラグジュアリーカードによると、顧客である新世代の富裕層の消費意欲は引き続き活発で、21年の利用総額は前年比85%増、1人当たりでも71%増となった。コロナ禍により、リモートワーク用オフィスの賃貸など不動産、自分の楽しみのための百貨店利用や宝飾品・ギフト用品の購入、在宅時間の増加に伴うペットの購入など、QOL(生活の質)の向上を追求する消費活動が増加している。旅行や趣味への支出に取って替わった面もある。
納税での利用も430%増と大幅に伸び、ポイントがショッピング同様に貯まる点も支持されている模様。ソフトウェア、クラウドサービス、広告費等も130%増で、ビジネスシーンでのデジタル対応が進んでいると分析する。
ほとんどのカテゴリーが伸びているなか、唯一減少したのは旅行代理店・ツアー(10%減)とエアライン(43%減)の2項目。ただし、単価の高い海外旅行が減ったことで利用額は下がったものの、国内での宿泊は17%増、鉄道利用は21%増に上昇していることから、旅行先を国内にシフトして継続していることがうかがえる。一方、アンケート調査では「旅行等支出が減り、代わりにハイジュエリーを購入」「趣味の選択肢がなくなった分、衣服への出費が増えた」という声があった。
全会員の平均年収は1700万円。21年入会者の49%を1981年以降生まれのミレニアル世代が占めている。意識調査では、今後のお金の使い方について、半数以上がコロナ禍でも自分の価値や人生の価値を高める特別な体験に積極的に投資したいと回答。コロナ禍をきっかけに、それぞれの価値観に変化が生じていると見ている。
提供元・トラベルジャーナル
【関連記事】
・旅行代金は高くなる? 変化予測と対応のアイデア
・人はなぜ旅をするのか 変わる世界と変わらぬ本質
・6000万人目標を目指すのか アフターコロナの観光立国論
・コロナ禍後のニューノーマル 変わる価値観と旅の提案
・旅行業参入、それぞれの理由 水族館からMICE施設まで