野鳥の群れはチューリング・パターンを形成する

野鳥の分布にキリンのシマ模様と同じ法則が見つかる!数学者が見つけた自然界の掟「チューリングパターン」とは?
(画像=群れは相互に影響し、チューリング・パターンを示す/Credit:Natasha Ellison、『ナゾロジー』より 引用)

研究チームは、このエナガの分布を調査するためにチューリング・パターンが有効であると推測。

そしてこのシミュレーションに沿ってエナガの生息場所と関係性を識別していくことに成功しました。

結果として、やはりエナガの分布はチューリング・パターンを示しており、いくつかの群れを形成していると判明。

野鳥の分布にキリンのシマ模様と同じ法則が見つかる!数学者が見つけた自然界の掟「チューリングパターン」とは?
(画像=群れの位置は移動しているが、重なり合うことがない/Credit:Natasha Ellison、『ナゾロジー』より 引用)

エナガの群れは巣などの縄張りを持ちませんが、それぞれの群れが他の群れと重ならないように生息しているのです。そして大きな群れをつくることもありません。

これはエナガの相互関係による縄張り・グループ形成を示しており、エナガの本能にチューリング・パターンという法則が組み込まれている証拠なのかもしれません。

生物界の様々な分野に組み込まれているチューリング・パターン。更なる研究・解明により、今後も新たな適用先が見つかるかもしれませんね。

この研究は8月10日、「Journal of Animal Ecology」に掲載されました。

Mechanistic home range analysis reveals drivers of space use patterns for a non‐territorial passerine

偉大なる変人アラン・チューリング、死後半世紀を経てついに訃報記事が掲載される

reference: sheffield / written by ナゾロジー編集部

提供元・ナゾロジー

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