今月中旬〜下旬にかけて、太陽系惑星のめずらしい共演が見られそうです。

NASAのジェット推進研究所(JPL)によると、3月下旬から土星、火星、金星が軌道上で接近し始めており、今月中旬から、これに木星が加わるとのこと。

条件が良ければ、北半球の空で4つの惑星が一直線に並ぶ姿が観察できます。

4月17日頃から「木星・金星・火星・土星」が一直線に!

4月中旬から「木星・金星・火星・土星」が一直線に並んで見える!
(画像=明け方の空に並ぶ4つの明るい惑星 / Credit:国立天文台,月が土星、火星、金星、木星に接近(2022年4月)、『ナゾロジー』より引用)

太陽系惑星が一列に並んで見えるのは、もちろん地球上の空だけです。

各惑星が宇宙空間で一直線に並んでいるわけではありません。

それぞれの惑星は太陽系の平らな軌道面を回っており、お互いがたまたま近くを通ったときに、地球から見るとまっすぐに並んで見えるのです。

なので、太陽系を上から見下ろす観測者には、バラバラに見えるでしょう。

とはいえ、地球から惑星が一列に並んで見えるのは、そうそうあることではありません。

主な太陽系惑星の公転周期は、地球日に換算すると、水星で約88日、金星で約225日、火星で約687日、木星で約12年、土星で約29年です。

このような公転周期のばらつきにより、各惑星は不規則な間隔で互いに接近しています。

4月中旬から「木星・金星・火星・土星」が一直線に並んで見える!
(画像=今年3月下旬に撮影された金星・火星・土星の並び / Credit: NASA Jet Propulsion Laboratory – What’s Up: April 2022 Skywatching Tips from NASA(2022/youtube)、『ナゾロジー』より引用)

そして今年3月下旬から、土星、火星、金星が接近し始めていると報告されていました。

ここに、4月17日頃から木星が加わり始め、4月20日頃に4つの惑星が最も一直線に並んで見えやすくなるとのことです。

日本では、明け方の南東から東の方角に、地平線上の低い方から右斜め上に向かって、木星(約マイナス2等)・金星(約マイナス4等)・火星(約1等)・土星(約1等)と並んで見えます。

ただし、木星は地平線に近いため、少し見づらい可能性もあるようです。

4月中旬から「木星・金星・火星・土星」が一直線に並んで見える!
(画像=右下から木星・金星・火星・土星と並ぶ(4月23日、日の出45分前の予報) / Credit: NASA Jet Propulsion Laboratory – What’s Up: April 2022 Skywatching Tips from NASA(2022/youtube)、『ナゾロジー』より引用)

また4月23日頃には、土星の側から月が加わり、さらに豪華な景色が展開されます。

月は徐々に移動し、25日(月)に土星、26日(火)に火星、27日(水)に金星、28日(木)に木星に最接近する見込みです。

さらに6月になると、この並びに水星・海王星、天王星が加わって、より一層華やかな並びになると予報されています。

ただし、海王星と天王星を見るには望遠鏡が必要であり、また空の広い範囲に広がるため、すべてをカメラに収めるのは難しいとのこと。

しかし、このように人の目で見える大規模な惑星直列は、2005年以来3回しか起きていない非常にレアな天体現象なので、見逃さないようにしましょう。

シカゴ・アドラープラネタリウム(Adler Planetarium)の天文学者ミシェル・ニコルズ(Michelle Nichols)氏は、「時々、空に1つか2つの惑星が見えますが、今回のような機会はめったにありません」と話します。

ぜひ、惑星たちの共演をお楽しみください。


参考文献

A Rare Planetary Alignment Is About to Happen. Here’s How You Can See It

The planets are prepping for an epic alignment. Here’s how to see it shape up.

What’s Up: Skywatching Tips from NASA


提供元・ナゾロジー

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