腕時計の定番デザインと聞いてまず誰もが頭に思い浮かべるのがラウンド(丸形)のケースに時分秒針をレイアウトしたスタイルではないだろうか。これはおそらく懐中時計が腕時計の原点になっていることが影響していると思われるのだが、第1次大戦以降、現在に至るまで200年余りの歴史のなかで、時計のデザインは常にラウンドが主流となってきた。
いっぽうで、懐中時計から腕時計に時計の主役が移行してから数を増やしていったのが、スクエア、トノー、オクタゴンなど、非ラウンドのケースデザインだ。いずれもラウンドケースに比べて個性的な印象を感じさせるのが特徴といえるが、実は腕時計が主流となってから数を増やしたデザインのため、単体で見るよりも実際に腕に着けたときのほうがバランスが良く、着けやすいのも魅力と言える。
今回は、そんな非ラウンドケースのなかから、突出して採用したモデルが多いトノーケースに注目。トノーケースとスケルトン文字盤を合わせた個性派のモデルをセレクトしてみた。この夏に腕元でほかとひと味違う個性を主張したい人は、ぜひチェックしてみて欲しい。
【トノーケースとは?】

アール・デコ全盛期1920年代に誕生し、当時多くの人気を集めた樽形のケースデザインが原点。直線と弧線を合わせた立体的なフォルムのクラシカルなデザインだが、90年代に発売されたフランク ミュラーのカーベックスがヒットしたことをきっかけに、以降、ふたたび多くの時計に採用されるようになった。曲線を取り入れた樽形の優美なフォルムが魅力となっている。写真は1926年に製造されたとされるロンジンのアンティークウオッチ。優美な樽形フォルムの小振り(24.5×31mmと現代の感覚ではかなり小さめ)なケースが、アンティークならではの雰囲気を醸し出している。
【注目のトノーモデル_01】
ダニエル・アンド・ダグラス
DD8810シリーズ
ダニエル・アンド・ダグラスはフランス出身のデザイナー、B・サイモンがイタリアで創設したファッションウオッチブランド。独特のブランド名はファッションデザインを学ぶためにイタリアに渡航した際に師事した2人のデザイナーに由来し、イタリアの洒脱さと、フランスのエスプリを融合した個性的なモデルを生み出している。DD8810シリーズは、彼の世界観を象徴するグラマラスなトノーケースを採用したフラッグシップモデル。曲線美を備えたフォルム、機械式ムーヴメントを大胆にクローズアップしたスケルトン文字盤など、こだわりのディテールが高級感と独特の色気を醸し出している。

■Ref. dd8810-svnv。ALLOYCASE(43×55mmサイズ)。日常生活防水。自動巻き。27万5000円

裏ブタは、機械式ムーヴメントの心臓部であるテンプ部分を見ることができるセミスケルトン仕様だ。

dd8810-svbk(シルバー×ブラック)
27万5000円

dd8810-gpbk(ゴールド×ブラック)
27万5000円

dd8810-gpnv(ゴールド×ネイビー)
27万5000円

dd8810-bb(ブラック×ブラック)
27万5000円
【問い合わせ先】
ディンクス
TEL. 06-6762-4500