同じニートでも年齢が若ければ比較的社会復帰のハードルは低めです。
最も就職を見つけにくいとされているのが中年ニート。
なぜ中年ニートは就職しにくいのか、それには理由があります。
ですが就職しにくいだけであって、就職できないわけではありません。
今回の記事では、
- なぜ中年ニートは就職しにくいのか
- 中年ニートが就職するための方法
について解説していきます。
目次
中年ニートのニート継続期間は長い
中年ニートが就職しにくい3つの原因
中年ニートのニート継続期間は長い

中年ニートという言葉は非常に曖昧ですが、この記事では35歳のニートを中年ニートとしています。
ユーくん まあ35歳なら社会人歴10年以上でバリバリ働いているはずの年齢だよね‥。
中年ニートは脱ニートが難しく、ニート期間が長引く傾向にあります。
その証拠にこちらのデータをご覧ください。
▼年齢ごとのニート期間の比較表
1年以下 | 5年越 | |
20~24歳 | 71.1% | 2.2% |
35歳以上 | 44.4% | 38.9% |
参照:財団法人社会経済生産性本部 「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調
ダルマちゃん 35歳以上のニートは4割近くがニート歴5年以上!かなり長い期間ニートでいるケースが多いんだよ。
上記のデータから、若年層のニートの7割以上は1年以下という短い期間で就職先を見つけていることが分かります。
逆に同じ20代前半ニートのうち、5年以上ニートを継続しているのはたったの2%!
35歳以上と20代前半の若年層では、大きく差が開いてしまっているのが顕著に現れているデータです。
中年ニートが就職しにくい3つの原因

中年ニートはニート期間が長引く傾向にある、つまり就職しにくいということが分かりました。
ここで、さらに詳しいデータを見ていきましょう。
以下はフリーターの就職率を示したものですが、ニートからの就職とフリーターからの就職には同じ傾向が見られると考えられるため、参考までに掲載しています。
▼年齢別フリーターの就職率

ユーくん 20代までと30代以降で就職率が結構違うよね。やっぱり20代前半は就職しやすいってことがよくわかるよ。
20代前半では33%ほどの就職率があったのに関わらず、35歳を超えるとわずか15%まで落ち込んでしまっています。
ダルマちゃん フリーターで15%なんだから、ニートからの就職はさらに厳しくなるものと思っておく必要があるね。
この章では、なぜ中年ニートが就職しにくいのか、考えられる主な3つの理由について解説していきます。
1.長期のキャリア形成が考えにくい
企業は人材を採用する際に、なるべく年齢の若い人を選ぶ傾向があります。
それは、企業の一社員として、長期的なスパンでのキャリア形成を考えていきたいからです。
ユーくん 若ければしっかり研修して長期的に貢献させられるからね。なるほど。
35歳以上の中年層は、年齢だけでもすでにかなり不利になってしまいます。
その上ニートとなると、「これから教育していくっていっても微妙だな‥」と全くそそられないのが採用担当者の本音です。
2.働き盛りの年齢のニートに対する偏見
35歳以上でニートだった人をわざわざ雇うには、相当な理由がなければなりません。
- ニート期間が短い(1年以内)
- 専門スキルや実績がある
以上の2点に当てはまっているのであれば、中年ニートでも就職先を探すのはそれほど難しくないかもしれません。
ただし、多くの中年ニートが5年以上ニートを継続しているとなると、現実はかなり厳しいと考えられます。
採用担当者は中年ニートに対して、
- なぜその年齢でニートを継続してきたのか
- 社会性が欠けているのではないか
などの不信感を抱きます。
あえてこのような中年ニートを雇うくらいなら、何のスキルもない新卒の方がまだリスクが低いと考えるのが採用側の考え方なのです。
ダルマちゃん 働き盛りの年齢でなぜニート?って不審に思われるのも分からなくもないよね。
3.社内の人間関係が構築しづらい
新人の中年層はなかなか会社の中でうまく人間関係を構築していくことが難しいもの。
なぜなら、多くの場合「新人=若い人」なので、同じ新人たちとグループにされると1人だけ年齢が離れているという状況になるからです。
ユーくん 確かに新人グループで自分だけ歳が離れていると微妙な感じになっちゃうかもね。
会社側は、社内の人間関係が築きやすい状態をキープしたいと考えています。
そのため、新人の中年層はなるべく採用しないという結果になってしまうのです。
中年を雇うなら業界の経験者や、スキルの保持者のみにしておきたいと考えるのが採用側の考え方です。
ダルマちゃん スキルも経験もないニートでなおかつ中年の場合には、あまりにもマイナス要素が多すぎるってことなんだ。