目次
保険証の3つの種類と特徴・対象者
保険証の種類と「番号」「記号」「色」について
自分の保険証の種類の見分け方
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しっかりと自分の保険証の種類を把握しておこう
健康保険への加入を証明する「保険証」。保険証を持っていても、自分の保険証の種類を知らない方や、他の人と色が違っていて驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、「社会保険」と「国民健康保険」の違い、保険料や適応される制度は異なるか、保険証の判別方法など保険証の種類について紹介します。
本記事の内容をざっくり説明
- 「社会保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3種類の保険証がある
- 「社会保険」は会社員・公務員・教職員、「国民健康保険」は無職または自営業の人が加入する
- 「後期高齢者医療制度」は75歳以上または65歳~75歳未満で一定の障害などを持つ人が加入する
- 保険証の「番号」「記号」「色」から加入している保険の種類が判別可能
保険証の3つの種類と特徴・対象者

医療機関にかかる際や、身分証明としても活用する機会が多い保険証ですが、保険証には加入している保険によって大きく分けて3種類あることをご存知でしょうか。ここでは、それぞれの特徴と、種類別の対象者について説明します。
3種類の保険証の特徴と対象者について
- 社会保険:会社員や教職員、公務員、その家族が加入
- 国民保険:主に都道府県の各市町村が運営、無職や自営業の人が加入
- 後期高齢者医療制度:75歳以上/65〜75歳の中で一定の障害などを持つ人が加入
保険証の種類1:健康保険組合や共済組合などの社会保険
1つ目に紹介する保険証の種類は「社会保険」です。健康保険とも呼ばれ、一般的な会社員や公務員・教職員、そしてその家族がが加入しているのがこの保険です。
社会保険は、勤務先によってさらに種類が分かれています。
勤務先別の社会保険
- 共済組合:公務員や、私立学校の教職員を対象としている保険のこと。一般の会社員は加入できない。
- 健康保険組合:ひとつの企業もしくは同種の事業などで組織されたもの。
- 協会けんぽ:健康保険組合を自らのみで設立することが困難な中小企業が加入しているもの。都道府県ごとに支部がある。
保険証の種類2:国民健康保険
2つ目に紹介する保険証の種類は「国民健康保険」。職に就いていなかったり、また自営業の場合は原則的にこれに加入します。主に都道府県の各市町村が運営しており、保険料は世帯単位で加入者数、年齢、収入などのよって算出されます。
前段でご紹介した「社会保険」との違いは、運営母体や加入対象者の他に、「保険料の算出方法」「扶養家族の扱い」「付加給付制度の適応有無」の3点があげられます。
【保険料の算出方法】
「社会保険」は収入・所属する健保・住んでいる地域によって決まり、「国民健康保険」は収入・各自治体の制度によって決まります。
【扶養家族の扱い】
「社会保険」には扶養家族の概念があり、「国民健康保険」には扶養家族の概念がありません。つまり、「社会保険」の場合収入が少ない家族は無料で社会保険に加入できるのに比べ、「国民健康保険」の場合収入がゼロ、もしくは少ない場合でも保険料の負担が発生します。
【付加給付制度の適応有無】
「社会保険」には付加給付制度が適応され、「国民健康保険」には適応されない。付加給付制度とは、医療費の支払額が予め健保で決められた限度額を超えた場合に、超過金額を被保険者に払い戻す制度。高額療養費制度とは別に適応されます。
保険証の種類3:後期高齢者医療制度
最後に紹介する保険証の種類が「後期高齢者医療制度」です。2008年からスタートした制度で、75歳以上、また65歳~75歳のなかで一定の障害などを持つ人が加入する医療制度になっています。
75歳になった時点で自動的に切り替えが行われるため、特別な手続きは必要ありません。
他の保険との違いは医療費の負担割合で、一定水準以上の収入がある場合を除き、通常は3割の医療費負担額が1割に減額されます。
保険証の種類と「番号」「記号」「色」について

保険証には大きく分けて「社会保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3種類があることが分かったところで、保険証の種類を見分ける方法をお伝えします。保険証の見分け方には「番号」「記号」「色」の3つの要素があります。
保険証の種類の見分け方
- 保険者番号が8桁の場合は社会保険もしくは後期高齢者医療制度、6桁の場合は国民保険
- 保険者番号の冒頭の2桁(法別番号)や記号で更に細かく、どの保険者に所属しているかが分かる
- 保険証の色によっても種類を判別できるが、時期や地域によっても異なるためあくまで目安として活用する
保険証の種類別に「保険者番号」が異なる
保険証には、必ず「保険者番号」という数字が記載されています。保険者番号は保険証の種類によって番号のふられ方が異なるということはご存知でしょうか。
【保険証の種類別・保険者番号の桁数】
- 社会保険:8桁
- 国民健康保険:6桁
- 後期高齢者医療制度:8桁 「社会保険」では、加入している事業者によって桁数の割り振りが異なります。例えば「全国健康保険協会保険証」では、保険証の発行元(保険者)ごとに数字がふられています。つまり、保険証の発行元が同じ人とは数字が同じとなります。「協会けんぽ」では、都道府県ごとに異なる数字が割りふられ、「健康保険組合」の場合は、全国健康保険協会保険証と同じく発行元に対して番号がふられています。
これに対して、ひとつの企業が組織している「健康保険組合」では、部署や、支社ごとにわけて番号がつけられており、加入している保険によって、記載される番号の意味合いも変わってくるのです。
「国民健康保険」では上2桁が都道府県、次の3桁が市町村を表しており、最後の1桁は「チェックデジット」と呼ばれる検証番号がふられています。
保険証の種類別「保険者番号」のふり方
- 全国健康保険協会保険証:保険証の発行元(保険者)ごとにふられる
- 健康保険組合:保険証の発行元(保険者)ごとにふられる
- 企業が組織する健康保険組合:部署や支社ごとにふられる
- 国民健康保険:上2桁が都道府県、次の3桁が市町村、最後の1桁がチェックデジット
保険者番号の一覧
また、どの保険にも共通して入っているのが上2桁の「法別番号」。法別番号は下記のように決められています。
【社会保険】
01:全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
02:船員保険
03/04:日雇健康保険
06:組合管掌健康保険(組合けんぽ)
07:自衛官診療証
31~34:共済組合
【国民健康保険】
67:国民健康保険法による退職者保険
【後期高齢者医療】
39:後期高齢者医療
保険証の種類別に「記号」が異なる
保険証には、番号以外にも「記号」が記載されています。番号と同じく、記号も保険証の種類によって意味合いが変わってきます。
保険証に記載されている「記号」は、「事業所を整理する記号」のことを指しています。
全国健康保険協会の健康保険証では、番号と同じく会社に対してつけられています。また、健康保険組合の健康保険証では、同種の事業などで組織されている健康保険組合の場合は、会社に対して付けられており、ひとつの企業が設立している健康保険組合の記号は部署や支社ごとに分けてつけられています。
これに対して国民健康保険証では、保険者が世帯主の場合、被保険者である家族は全員同じ記号になります。保険者が各市町村になっている場合は、市町村ごとにつけらている数字が記載されます。
番号と記号、それと保険証の種類の関係は、国民健康保険においては異なる意味合いを持ちますが、全国健康保険協会や企業が組織している健康保険組合など、社会保険においては同様の意味合いを持つのです。
保険証の種類別「記号」のつけ方
- 全国健康保険協会:会社に対してつけられる
- 健康保険組合:同種の事業で組織→会社に対してつけられる、一つの企業は設立→部署や支社ごとにつけられる
- 国民健康保険:保険者が世帯主→被保険者は同じ記号、保険者が各市町村→市町村ごとに数字がつけられる
保険証の種類別に「色」が異なる
保険証の「色」も、加入している保険の種類を見分ける上でのポイントになります。
保険証の色による加入保険の違い
- 社会保険:青色、黄色系
- 国民健康保険:赤/ピンク系、紫系
- 後期高齢者医療制度:黄色系、紫系 ただし、これらの色は厳密に定められているわけではなく、あくまで目安。お住いの地域や、時期などによって変動するため、色だけで加入保険を判別することはできません。