ツェルトの張り方:応用編
1つのツェルトを複数人で使う場合の張り方
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ツェルトは本来グループやパーティーごとに1つではなく、地図などと同じくひとりにつき1つずつ携行するものです。ですが、同行者がツェルトを忘れてしまったときなど、ツェルト1つに対して複数人でビバークしなければならない場合もあるでしょう。
そこでここからは、応用編として複数人でひとつのツェルトを使う場合の張り方をご紹介します。どんなときでも焦らず、落ち着いて行動するために覚えておいて損はありません。
居住スペースを作る
基本の張り方と同じように設営場所を決めたら緩衝材を敷き、ツェルトを半分に折った状態で広げます。屋根の部分が上になるように広げましょう。居住スペースの四隅を、テンションを掛けながらペグで地面に固定していきます。
地面に固定できたら細引きとツェルト本体の屋根の部分の紐を結びましょう。複数人で使う場合の張り方には使わないものなので、トレッキングポールは無くさないように大切にしまっておいてください。
屋根部分の細引きを好みの高さで木に固定する
ツェルトに結んだ細引きの反対側は、好みの高さで近くの木に結びましょう。テンションを掛けて両側をピンと張っていくと、開きかけた本のような形状になります。テントのように密閉された空間ではなく、高さのあるゆったりとした空間です。
この形態の場合、最大で4人ほどは横になって休むことができます。木に結ぶ高さを変えることで屋根の高さを変えることができ、自分たちが安心できる空間を自由に演出することが可能です。
緊急時のツェルトの使い方
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ツェルトは色々と応用の効く使い方ができるので、そのときの状況や熟練度に応じて使い方を工夫しましょう。また、きちんと準備したつもりでもトレッキングポールや細引きを忘れてしまうこともなくはありません。
しかし、そんなときに限って緊急時が訪れるということもあり得ます。ツェルト本体しか持っていない状況で緊急時に瀕した場合は、ツェルトを被ったり身体に巻きつけた使い方をしてみてください。少しでも雨風を凌げれば安心できます。
ツェルトの選び方
ツェルトのサイズや重量で選ぶ
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ツェルトはテントよりもコンパクトで、持ち運びに便利なものです。その中でもさまざまなサイズがあるので、使う人数や場所によって最適なサイズは異なり、設営時の最適な高さも身長によって違います。
登山時は荷物が多くなるので、荷物の総重量が軽いほうが体力が消耗するのを防げるでしょう。また、コンパクトなほうがほかの荷物を入れるスペースに余裕ができるので、他のアイテムも持っていくことができます。
ツェルトの結露対策は必須
一晩ツェルトで過ごしていると、呼吸や外気との温度差などから結露が発生することがあります。そのままの状態で過ごすと不快になるだけでなく、ツェルト内の温度や湿度の高さから身体にかかる負担が大きいです。
そのため、しっかり結露対策されているツェルトを選ぶと安心できます。生地の耐水圧を下げて透湿性を高めているものや、空気の通り道を確保しているものもあるので、ツェルトを選ぶ際は確認してみてください。
ツェルトのリフターの数で選ぶ
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ツェルトの機能の1つに、張り網用の支点となるリフターというものがあります。リフターから地面へ張り網を取り付けることで、ツェルトが強風に耐えられるように補強することができて安心です。
基本的にサイドリフターが付いているツェルトが多く、そのおかげで横幅を広めに取ることができます。また、天井部分など高さがあるところにリフターが付いているツェルトもあるので、リフターの数もチェックするのも選び方のコツです。
ツェルトの使い方に合わせて選ぶ
非常時にのみツェルトを使うことを想定している場合は、座って足を伸ばせるくらいの広さがあれば充分です。中でしっかり休憩をすることを想定している場合は、横になって休めるサイズのものをおすすめします。
また、普段からツェルトをテント代わりに使ったり、サブテントとして持ち歩くことも可能です。万が一の緊急時に少しでも安心感を得るためにも、自分の使い方に合わせたツェルトを選ぶようにしましょう。