スクワットはトレーニング種目の王様のような存在である。下半身だけでなく、全身のバルクアップを図る上でもスクワットはマスト種目だとみなされている。では、腹筋づくりにもスクワットは役立つのだろうか?
文:William Litz 翻訳:ゴンズプロダクション
スクワットは腹筋づくりに役立つのか?
結論から言うと答えはイエスだ。ただし、どんな種目にも言えることだが、目的に沿ったやり方で行われた場合にのみ、その効果が発揮されることを忘れないでほしい。では、シックスパックを作るためのスクワットとはどのようなやり方なのだろうか。
スクワットが腹筋づくりに役立つわけ
どの部位の種目であっても、高強度で行うと腹筋にも疲労を感じることがあるはずだ。腹筋を刺激したつもりはなくても、腹筋が疲れるわけは、どんな種目でも正しい姿勢の保持は必須で、その姿勢を保つために体幹部を構成する様々な筋肉が緊張状態を保つからだ。
スクワットでも同じだ。特にスクワットで高重量を扱う場合、体幹部(特に下腹部周辺)をしっかり緊張させておかないと直立した姿勢を保持するのが難しくなってしまう。そして、スタートポジションが崩れてしまえば、フィニッシュポジションに至ることはできないのは当然のことだ。
そういったことから、スクワットでは体幹部の筋肉がしっかり緊張して、強い収縮感が腹筋にもたらされるのである。
スクワットで特に刺激される体幹部は?
腹筋を構成している腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋は体幹部にあるので、スクワットの動作で強く緊張する。しかし、スクワットで最も強い緊張が強いられる体幹部といえば、やはり脊柱起立筋だ。
脊柱起立筋は脊椎を両端から挟み込むようにして位置しており、脊柱に沿って縦に走る筋肉である。胴部を左右にひねったり、背中をまっすぐに保持したりする際には必ず脊柱起立筋が働いている。
研究によると、スクワットの動作中、脊柱起立筋は腹直筋の4倍も多く活性化されているそうだ。ちなみに、腹直筋がより多く活性化される種目はプランクである。
スクワットで脊柱起立筋が強い刺激を受ける理由は、動作中、脊柱をできるだけまっすぐに保ち続けなければならないためである。脊柱起立筋が弱いと姿勢が保てなくなり動作の継続は困難になる。
腹筋を構成する筋肉も姿勢を保持するために緊張するが、そのレベルは脊柱起立筋にはかなわないのである。
腹筋づくりに効果的なスクワット
スクワットで腹筋も効果的に鍛えたいというのであれば、ゴブレットスクワットに挑戦してみよう。
ケトルベルなどを胸の位置に保持した状態で行うのがゴブレットスクワットだ。上体をできるだけまっすぐに立てた状態で動作を行う必要があるので腹筋も強い刺激を受ける。
ゴブレットスクワットのやり方
①ケトルベルのハンドルを両手で握り、肘を曲げて胸の正面に保持する。
②両足は肩幅程度に開く。
③肩が上がらないよう注意し、終始、胸郭を持ち上げた姿勢を保つ。
④腹筋をしっかり緊張させてゆっくりしゃがむ。
⑤ボトムポジションでは、できるだけ膝がつま先より前に出ないようにする。また、大腿部が床面と水平になったあたりをボトムポジションにする。
⑥ボトムで一旦停止したら、息を吐きながらスタートポジションに戻る。
スクワットをやれば腹筋種目は不要? スクワットをやったからといって、腹筋種目は不要というわけにはいかない。クランチやプランクもしっかり行って、腹筋へのダイレクトな刺激も得るようにしよう。
結論
スクワットは腹筋にも強い刺激をもたらす優秀な種目だ。しかし、スクワットが主に刺激する体幹部は、背面にある筋肉だ。動作中は腹筋も緊張した状態に保たれるが、迫力ある腹筋づくりを目指すなら、スクワットだけでなく腹筋を直接のターゲットにした種目をしっかり行っていこう。
提供元・FITNESS LOVE
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