Aquadive(アクアダイブ)はオーストリアに本拠を置く日本未上陸の時計ブランド。日本市場ではほとんど知られていないブランドだが、その歴史は1960年代にまで遡る。

当時、腕時計の新しいジャンルとして需要を拡大していたダイバーズウオッチのジャンルで、主にアメリカのスポーツダイバーの間で耐久性と精度に優れた時計として人気を博していたようだ。時計店での販売も行われていたが、ウェットスーツやフィンとともにダイビングショップで販売されていたことも、その証といえるだろう。

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

シュノーケリング用のスキンダイバーモデルから、1000メートル防水のオーバースペックモデルまで、幅広いラインナップを展開していたが、その豊富なコレクションに加えてアクアダイブの特徴となっていたのがデザインだ。

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

同社の全盛期といえる1960年代から70年代は“スペースエイジ”と呼ばれる従来とは異なる奇抜でカラフルなデザインが流行していたのだが、アクアダイブは、その影響を受けながらも独自性を主張しており、熱帯の珊瑚礁、青い水、オレンジ色のカリブ海の夕日などからインスパイアされた明るくカラフルなカラーリングを文字盤や針に備えて人気を博していたようだ。

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

アクアダイブは70年以降も積極的にラインナップを拡大しており、オイル充填式水深計を備えた“モデル50”を発表。 当時、ダイバーは片腕に時計、もう片腕に水深計を装着するのが普通であったが、その二つを組み合わせた“モデル50”はダイバーの間でセンセーションを巻き起こし、その後、アクアダイブのアイコン的存在となった。順調に事業を拡大していたアクアダイブだが、ほかのスイス時計メーカーと同様にクオーツ時計の台頭によって大きな影響を受けてしまい、80年代に終焉を迎えることになる。

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

その数十年にわたる休眠から目覚めたのが2011年である。ダイバーズウォッチのコレクターであるリック・マエリにより復活を遂げたアクアダイブは、マエリ氏の指揮下のもとで1960年代と70年代の歴史的モデルからインスピレーションを受けたコレクションを展開。往年のレトロなテイストを取り入れつつ、現代的な素材、製造、組み立てによって改良し、伝説的な名前に恥じない堅牢で高品質のダイバーズウォッチを製造している。今回はアクアダイブのコレクションから代表作といえる3つのモデルを紹介する。

Aquadive(アクアダイブ)

バチスフィア100GMT

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

バチスフィア100GMTは、1000mの高い防水機能と1970年代に製造していたダイバーズウォッチのスタイリング、そしてトラベルウォッチとしての第2時間帯のトラッキング機能を兼ね備えた人気モデル。70年代に発売されたオリジナルのアクアダイブ・タイムデプス“モデル50”を再解釈したモデルだ。

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

ステンレススチールのモノブロックから削り出された42mmのケース、セラミックリングをインサートした120クリックの逆回転防止回転ベゼルを備え、ムーヴメントは ETA のCal.2893-2を搭載。 風防はARコーティングを施したサファイアクリスタルを採用している。カラーバリエーションは4色で、各色500本の限定生産で販売価格は1990米ドル(約24万6000円)。

Aquadive(アクアダイブ)

NOS モデル 77

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

NOSは“NewOldStock”の略で1977年に当時のアクアダイブ社が“アクアダイブ・マリタイム”のために製造し、その後に休眠状態となってからデッドストックとなっていたケースを採用しているのが最大の特徴。 ガスケット、文字盤、クリスタル風防、防水機能は現代の技術によりアップデートされ、ヘリウムガスエスケープバルブも備えているが、当時のケースと再利用し、デザインも当時の雰囲気を再現することで、ヴィンテージウオッチのような魅力を感じさせる。

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

41mmのステンレススチールケースに、120クリックの逆回転防止ベゼルを装備し、ムーヴメントはETAのCal.2836-2、または再整備されたA. Schild のCal.1902から選択可能。 風防はARコーティングを施したサファイアクリスタルを採用し、200m防水を確保している。販売価格は1290米ドル(約16万円)。

Aquadive(アクアダイブ)

ポセイドン

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

最後に紹介するポセイドンは、高品質のダイビングギアを製造しているスウェーデンのポセイドン・ダイビング・システムズとのコラボレーションモデルだ。1000m防水を備えるバチスフィア100GMTをベースモデルに採用しており、文字盤にはアクアダイブのブランドロゴとともにポセイドン・ダイビング・システムズのロゴがレイアウトされている。

【休眠から復活した実力派ダイバーズウオッチ】Aquadive(アクアダイブ)に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

基本仕様はバチスフィア100GMTと同じなので、43mmのステンレススチールケースに120クリックの逆回転防止ベゼル、ARコーティングを施したサファイアクリスタル風防を装備し1000m防水を確保。ムーヴメントはETAのCal.2893-2を搭載。300本限定生産で、販売価格は1490米ドル(約18万4000円)。

文◎William Hunnicutt

提供元・Watch LIFE NEWS

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