働き方に多様性のある現代。組織に所属しない働き方であるフリーランスの人口も増えてきています。そんなフリーランスが不安を覚えやすい問題のひとつが「お金の問題」ではないでしょうか。
収入が安定しにくく、年金や保険などの社会保障に関しても全額自己負担であるフリーランスは、お金周りの不安や悩みを抱えやすい面があります。
お金の悩みを解決する手段として挙げられるのは、資金を増やす「投資」です。
こちらの記事では、投資について知っておきたい最低限の知識や注意点、フリーランスにこそおすすめな投資の種類についてご紹介します。
目次
そもそも「投資」とは?
主な投資の種類
フリーランスに投資がおすすめな理由
フリーランスが投資するリスク
フリーランスにおすすめの投資方法5選
おわりに
そもそも「投資」とは?
そもそも投資とは、どんな行為を指すのでしょうか。定義や具体的な仕組みについて解説します。
投資=利益を見込んで資金を投入する行い
投資とは、利益を見込んで資金を投入する行い全般を指した言葉です。株式投資や投資信託のように、資金を運用して利益を出すことはもちろん、「自己投資」と呼ばれるように、自分のために本を買って勉強したり、習い事に行ったりする行為も、広義的な投資とされます。
フリーランスや会社員など働き方に問わず、十分な老後資金を得られるかどうか不安を抱える方も多いでしょう。投資とは、コツコツと運用することで利益を増やし、将来のために備える有効な手段のひとつとされています。
「投資」と「投機」の違い
投資と似た言葉で「投機」と呼ばれるものがあります。
長期的な視点で利益を見込む投資とは違い、投機はより短期的な視点で大きな利益を上げることを目指すもの。リターンが大きい分、リスクも跳ね上がる傾向にあります。
コツコツ安定した運用をしたい方には、投資の考え方をおすすめします。
主な投資の種類
投資には、主に8つの種類があります。ひとつずつ解説します。
- 株式投資
- 投資信託
- 不動産投資信託(REIT)
- 国債(個人向け国債)
- 仮想通貨
- FX
- 銀行預金
- 外貨預金
1. 株式投資
「投資」と聞くと、まず株式投資を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
株式投資とは、企業が所有する株式を購入して配当金(利益)を得る投資方法のこと。株式とは「企業のオーナーの一員となる権利(企業所有権)」を指し、株式を購入することで「企業オーナー(株主)」になれるのです。
株式を購入し株主になると、さまざまな条件に応じて「配当金」が得られます。配当金とは、企業の利益のうち株主に配当されるお金のこと。たとえば、10%の株を持っている企業が1000万円の利益を上げ、そのうち半分の500万円が株主に配当される場合、得られる配当金は50万円となります。
配当金を得られるのはもちろんのこと、株主優待を受けられるのも嬉しいポイント。応援している企業の株を買うことで、より良いサービスを受けられる場合もあります。
企業が順調に利益を出せば、株主配当金も定期的に得られるため、メリットが多い株式投資。デメリットとしては、投資先の選択肢が多すぎて、投資初心者には少しハードルが高いことでしょう。専門家の助言を得ながら投資を始めたい場合は、次に解説する「投資信託」がおすすめです。
【株式投資のファーストステップ】
投資に必要な証券口座を開設しよう!
2. 投資信託
株式投資と同じくらいに知名度が高いのが投資信託です。まずは株式投資と投資信託を比較した次表をご参照ください。
株式投資との大きな違いは、専門家によるアドバイスが得られること。
個人でいきなり企業の株を買うのではなく、銀行や郵便局、証券会社などが取り扱う「金融商品=投資信託」を買う仕組みとなっています。購入にまつわるアドバイス、運用のコツなどを得ながら進められるため、投資初心者の方におすすめです。
ただし、専門家が運用しても、損をすることはあります。元本が保証されているわけではないので、注意しましょう。
【投資信託のファーストステップ】
資産運用のプロに話を聞きに行く
3. 不動産投資信託(REIT)
「不動産投資信託(REIT)」とは、投資信託と同じく金融商品の一種です。証券会社などを通して不動産を購入し、売却益や賃料の一部を利益として受け取る投資方法を指します。少額でも不動産投資が行えるのが特徴です。
マンションやオフィスビルなどの不動産を購入する、と考えると少々ハードルが高く感じられるかもしれません。
しかしREITは証券会社が複数人から集めた資金で不動産を購入するため、最低数万円程度の少額から投資可能です。また、リスクを分散させる目的で、複数の不動産を組み合わせて買うこともできます。
「そうは言っても、不動産って何を買えばいいのか見当もつかない……」といった場合でも安心。専門家が、おすすめの物件の選定などを助けてくれます。
デメリットとしては、金利や不動産価値の変動のほか、地震や火災などのリスクもあるため、いつ配当金に対する影響が出るか読みにくい点が挙げられるでしょう。いきなりREITに挑戦するよりは、投資信託や株式投資で感覚をつかんでからチャレンジすることをおすすめします。
【REITのファーストステップ】
目的と予算を明確にする
4. 国債(個人向け国債)
国債とは、国が発行する債券のこと。債券とは通常、企業が資金を借り入れするときに出す借用証明書とされるものです。つまり、国にお金を貸すことで、国から発行される債券のことを国債と呼びます。
スケールが大きい話に聞こえますが、個人向け国債と呼ばれる、個人を対象とした国債も存在します。
個人向け国債の仕組みについては、以下の図をご参照ください。
国に投資した資金を使い、国は事業を行います。定められた返済期限が来るまでの間、半年ごとに利子を得られます(最低年利0.05%)。満期になると、投資した元本すべてが返ってくるため、比較的、安全な投資法といえるでしょう。
一方で、途中解約ができるのは購入1年後からで、すぐには換金できないこと、ほかの投資方法と比べて収益性が劣ることは覚えておきたいポイントです。
返済期限には、10年(変動金利型)と5年・3年(固定金利型)があります。
【個人向け国債のファーストステップ】
どれくらいの利子が受け取れるのか「受け取り利子シミュレーション」をする
5. 仮想通貨
仮想通貨(暗号資産)は、実体のないデジタルのお金です。特殊な技術で暗号データ化された電子のお金のことを指します。仮想通貨取引は、このデジタル上のお金をやりとりする投資方法です。
私たちが日常生活で使っているお札や硬貨は、国が法的に認めている金銭のため、価値がある程度固定されています。一方の仮想通貨は、価値を保証する組織が存在しないケースが多く、価値が固定されていないため、投資の対象になるのです。
株式投資と同じように、仮想通貨の将来的な価格変動を見越して投資することで利益を狙えます。こういった特徴から、運用に不安を感じる方も多いでしょう。
仮想通貨を安全に取引するための仕組みとして、以下の3つがあります。これらによって、仮想通貨の取引が安全に保たれています。
- ブロックチェーン: インターネット上で管理される台帳のようなもの。国内外問わず、あらゆるコンピュータ上で分散的にブロックチェーンを管理しており、不正や改ざんができない仕組みになっています。
- マイニング: 仮想通貨の取引を承認させるために必要なもの。ブロックチェーンとマイニングを連結させることで、仮想通貨の取引履歴や、仮想通貨そのものを守ります。
- 電子署名: インターネット上で行える署名です。現実での署名と同じ効力があります。 ただし、仮想通貨の価値自体がかなり不安定で、ハイリスクハイリターンの投資といえます。そのため、少額から投資することをおすすめします。
【仮想通貨のファーストステップ】 自分に合った仮想通貨取引所を探す
6. FX
FXとは「Foreign Exchange」の頭文字を取ったもので、外国為替(外国為替証拠金取引)のことです。外国のお金を売買することで、その差分を利益とする投資方法を指します。売買の差分で得られる利益は「キャピタルゲイン」と呼ばれます。
少し難しく感じられるかもしれませんが、日本円と外貨(米ドルなど)を交換するイメージを持つとわかりやすいかもしれません。外貨の価値が下がっているときに購入し、上がったときに売れば利益が得られるという仕組みです。
FXで得られる利益は、キャピタルゲインの他に「インカムゲイン」と呼ばれるものもあります。インカムゲインは、お互いの国の金利差を利益として得るもの。スワップポイントと呼ばれます。
「投資=FX」と認識している方も多いかもしれませんが、ある程度専門的な知識がないとリスクが大きく、投資初心者がいきなり挑戦するのはおすすめできません。まずは少額の株式投資や投資信託などで、感覚をつかむところから始めましょう。
【FXのファーストステップ】
FX用の口座を開設する
7. 銀行預金
銀行預金も立派な投資方法のひとつです。
銀行口座にお金を入金しておくと、あらかじめ決められた年利に沿って利息を得られます。貯金しておくだけでお金が増えると考えると、有利な投資方法かもしれません。手数料もかからず、万一の時のために預金を守る保険もあります。
しかし年利は微々たるもの。2022年1月現在の年利平均は0.001〜0.002%(みずほ銀行)であり、1ヶ月預けても10年預けても年利に変化はありません。くわえて利息には、20.315%の課税もあります。
せっせと銀行預金を続けるよりは、課税のない「つみたてNISA」などに切り替えるのがおすすめです。つみたてNISAの特徴については後述します。
【銀行預金のファーストステップ】
口座を開設し、入金する
8. 外貨預金
日本円ではなく、外国の通貨を預金する投資方法を「外貨預金」と呼びます。
預金するお金が日本円から外国の通貨になるだけで、仕組みは銀行預金と変わりません。年利の低い日本円預金を続けるよりも、日本円→外貨を交換するときの為替レートによって、利益が得られる可能性も高まります。
もちろんリスクがあるのも事実です。円高によって損をする可能性があるのにくわえて、為替手数料もかかり、預金保険の対象にもなりません。
余剰分の資金がある状態で、日本円で預金するよりも外貨預金するほうがメリットを感じられる場合は、挑戦してみましょう。
【外貨預金のファーストステップ】
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