ダッシュボード(dashboard)は、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールに含まれる機能の一種で、個人、中小企業、大企業など、組織の大きさに関係なく利用できます。特に、複数の異なる情報をグラフなどにまとめ、可視化できることに優れているのがダッシュボードの特徴です。しかし、ダッシュボードの詳しい機能や役割が分からない方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ダッシュボードの概要や機能、役割を紹介します。また、代表的なダッシュボード作成ツールを5つ解説しますので、ダッシュボードの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. ダッシュボードとは
  2. ダッシュボードの機能
    1. 分析
    2. チャート・グラフの作成
    3. レポーティング
    4. コネクター
    5. シミュレーション
  3. ダッシュボードが担う役割とは
    1. 打つべき施策を検討しやすくする
    2. データを分かりやすく可視化する
    3. 内容共有
  4. おすすめのダッシュボード5選
    1. Domo
    2. Googleデータポータル
    3. Qlik Sense
    4. Microsoft Power BI
    5. MotionBoard
  5. まとめ

ダッシュボードとは

ダッシュボードとは、複数の異なるデータや情報を、一元化してまとめられるツールのことです。元々の語源としては、自動車や飛行機のガソリンの残量などを示す「計器盤」でした。

世の中のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの多くは、ダッシュボード機能を搭載しています。ダッシュボード機能が搭載されていることで、複数の重要項目を一度に可視化することができ、データ分析などに役立てることが可能です。

また、ただ単に雑多な機能を可視化できるだけでは、優秀なダッシュボードとは言えません。優秀なダッシュボードはUIの面においても優れており、どこにどのような機能があり、分析できるかがひと目で分かるようになっています。

ダッシュボードの機能

ここまで、ダッシュボードの概要を解説してきました。ここからは、ダッシュボードの代表的な機能を5つ紹介します。

・ 分析
・ チャート・グラフの作成
・ レポーティング
・ コネクター
・ シミュレーション

それぞれ順番に見ていきましょう。

分析

分析機能では、特定の条件を指定したうえで分析をすることができます。たとえば、時期や地域、年齢、性別などの属性が挙げられます。分析できる項目が多いほど、ユーザーのセグメントを切ったり、詳細な分析結果を得たりすることが可能です。

チャート・グラフの作成

チャート、グラフの作成機能では、作成する項目によって形式を選択できます。代表的な例は、円グラフ、折れ線グラフ、棒グラフなどが挙げられます。基本的に、難しい作業は一切なく整ったデザインで作成できるので、営業資料の作成であったり、プレゼン資料を作成したりする際にも使われます。

レポーティング

レポーティングは、連携しているツールにレポートを出力できる機能になります。たとえば、Google関連のダッシュボードでは、Googleスプレッドシートにレポートを出力可能です。なお、利用するダッシュボードツールによっては、時間帯や期間に応じて、定期的に自動でレポートを出力してくれるものもあります。

コネクター

コネクターとは、外部のツールから、ダッシュボードにデータを出力できる機能のことです。代表的な外部ツールは、MA(マーケティングオートメーション)ツール、Googleスプレッドシート、CRM(Customer Relationship Management)ツール、Google Analyticsなどが挙げられます。

外部のツールと連携してデータを取り込めるため、手動で行っていたであろう時間を短縮することが可能です。それにより、業務効率化を図ることもできるでしょう。

シミュレーション

シミュレーションは、取り込んだデータや分析結果をもとに、数字の予測ができる機能になります。代表的な例は、来期の予算編成、業績予想、株価予想などが挙げられます。シミュレーションを行うことにより、最適なコストカットやランニングコストの見直しを図ることも可能です。

ダッシュボードが担う役割とは

ここまで、ダッシュボードの基本的な機能を解説してきました。ダッシュボードでは、様々な内容を実行できることが分かったのではないでしょうか。ここからは、ダッシュボードが担う3つの役割を紹介します。

・ 打つべき施策を検討しやすくする
・ データを分かりやすく可視化する
・ 内容共有

それぞれ順番に解説します。

打つべき施策を検討しやすくする

ダッシュボードのシミュレーション機能は、予算編成の検討材料になります。そのため、現時点から予測できる来期の予算を検討すれば、どの程度のラインまで攻めた販売促進や広告を打てるのかが分かります。

打つべき施策は当然予算によって変わってくるので、施策に悩んでいる方には非常に有用だと言えるでしょう。また、現時点で様々な施策を打っている場合は、ダッシュボードの分析機能が役立ちます。Google Analyticsなどからデータを取り込んだうえで分析を行えば、現時点の施策がターゲットに届いているのかなどを確認でき、施策の方向性が適切であるかを判断できるでしょう。

データを分かりやすく可視化する

企業内に多くの人員がいたり、複数の担当者が存在したりすると、至るところにデータが貯まってしまうものです。そのため、同じ組織であるにも関わらず、特定のデータにたどり着くまでに時間がかかってしまいます。これでは、単純な作業にも予想以上の時間を要することになります。

しかし、ダッシュボードを使って複数のデータをまとめて可視化すれば、データを探す手間をなくすことが可能です。また、データも様々なグラフで可視化されていることから、過去のデータ推移などもひと目で分かるようになります。

内容共有

企業の重要情報や目標をダッシュボードで共有することで、組織内の全員が共通の認識を持てるようになります。そのうえ、今季の予算の消化状況や集客数も可視化できることで、危機感を持って業務に取り組んでもらうことも可能です。

おすすめのダッシュボード5選

ここまで、ダッシュボードの概要を解説してきました。ここでは、ダッシュボードの導入を検討している方に向けて、おすすめのダッシュボードを5つ紹介します。

・ Domo
・ Googleデータポータル
・ Qlik Sense
・ Microsoft Power BI
・ MotionBoard

それぞれ順番に見ていきましょう。

Domo

Domoは、Salesforce、Facebook、AWAなど、1,000以上のコネクターにより、ソースに接続できるダッシュボードです。そのため、日々様々な外部ツールを利用している企業におすすめのダッシュボードになります。

また、Domoにはアラート機能も搭載されています。これにより、あらかじめ設定していた予算を超えたときにアラートで通知したり、KPIのしきい値を超えた際に通知してくれたりします。Domoには無料のトライアルプランも用意されているので、どのダッシュボードから試せば良いのか分からない方は、Domoから試してみても良いでしょう。

Googleデータポータル

Googleデータポータルは、Googleが提供しているダッシュボードです。Googleが提供しているツールなので、Googleスプレッドシート、GoogleAnalyticsなどの、Google関連サービスを中心に利用している企業におすすめになります。

また、Googleデータポータルでは、プログラミング知識不要でレポートを作成できます。専門知識不要で特定のデータを様々な角度で分析できるため、社内に知見を持った担当者が在籍していなくても問題なく使えます。無料で利用できるので、Google関連サービスを使っている方は積極的に検討しましょう。

Qlik Sense

Qlik Senseは、AIを活用したデータ分析が行えるダッシュボードです。精度の高い機械学習が用いられており、将来の予測が反映されたAnalytics(アナリティクス)も搭載されています。専門的な知識を要するダッシュボードであるため、より能動的な分析を行いたい企業におすすめです。

Qlik Sensは、年間での請求が必要になりますが、月額換算で1ユーザーあたり30ドルから利用できるようになっています。社内に専属の担当者が在籍している場合や、より高度な分析をしたい場合に導入を検討しましょう。

Microsoft Power BI

Microsoft Power BIは、Microsoftが提供しているダッシュボードです。Microsoftが提供していることもあり、Excelなどとの連携が簡易的に行えるようになっています。また、Microsoft Power BIはアプリ版も用意されています。そのため、外出先でも定期的にデータを確認できることが特徴です。Proプランは、1ユーザーあたり月額1,090円で導入できます。

MotionBoard

MotionBoardは、非常にデザイン性に優れたグラフを作成できるダッシュボードです。3Dマップ、地図データなどを用いたグラフを作成できるようになっており、2022年3月時点で、国内シェアNo.1も獲得しています。

また、MotionBoardは、営業、経営、マーケティング、人事などの領域で広く利用されており、クラウド型の場合は月額30,000円~となっています。また、オンプレミス環境で使用できる仕様も展開しているため、会社のサーバー環境に合わせつつ、より高度な分析とグラフ作成を行いたい方は、MotionBoardを検討してみると良いでしょう。

まとめ

本記事では、ダッシュボードについて解説をしてきました。ダッシュボードは、打つべき施策を検討しやすくなったり、データを分かりやすく可視化したりする役割を持っています。レポーティング、グラフ作成、シミュレーションなどを上手く活用すれば、ダッシュボードによる業務効率化も図れるようになるでしょう。

まずは、本記事で解説したツールの中から、利用するダッシュボードを検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

提供元・MarkeTRUNK

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