中国ではアリペイ(Alipay)やウィーチャットペイ(WeChat Pay)などのQRコード決済が既に普及しているが、日本でもQRコードを利用する支払いアプリが増えてきた。日本政府はキャッシュレス化を推進しているが、QRコードやバーコードを利用する決済方法は普及するのだろうか。
QRコード(バーコード)決済のメリット
まずQRコード払いのメリットは何だろうか。メリットは数多くあるが、ここでは利用者にとってのメリットを2つ紹介しよう。
メリットの1つ目は、Apple PayやGoogle Payなどの機種に依存しないことである。iPhoneでもAndroidでもアプリをインストールすることで利用できる。
2つ目は、お得に買い物ができることだ。ポイントの付与やクーポンの利用で割引やサービスなどを受けることができる。
続いて、スマホで支払うことができる各種QRコード(バーコード)決済アプリを紹介していこう。
楽天ペイ 200円で1ポイントもらえる
楽天ペイは支払いアプリである。スマホアプリのバーコードを見せるか、店舗のQRコードを読み取ることでクレジットカードから支払いができる。200円の利用で1ポイント(楽天スーパーポイント)が、楽天カードなら100円の利用で1ポイントが貯まる。楽天ペイはローソンやライトオン、ピザーラなどの店舗で利用できる。
LINE Pay LINEユーザーなら便利に使える
LINE Payはお金をチャージすることでLINE Pay加盟店で支払いできるアプリだ。スマホでコード画面を表示し、レジで読み取り支払い完了となる。LINE PayのQRコード決済もローソン、ライトオンやサンドラッグなどで利用できる。
d払い(ドコモ払い) ローソンやツルハドラッグで利用可能
ドコモが提供するd払いは、アプリでバーコードを見せるだけで支払いができる。dポイントの利用も1タップで簡単に切り替え可能。ドコモへの支払いは月々のケータイ料金と一緒にすることができる。またd払いではdポイントを貯めたり使ったりすることもできる。利用できる店舗はローソン、高島屋、ツルハドラッグなどだ。
PayPay(ペイペイ) ファミマが近日対応予定
PayPayは、ソフトバンクとヤフーの合弁会社であるPayPay株式会社が提供するスマホ決済サービスである。店舗での支払いは、店舗のQRコードを読み取るか、スマホのバーコードを見せることで利用できる。PayPayの利用料金は、クレジットカード、Yahoo!マネー、PayPay残高(チャージ式の電子マネー)から支払いが可能。PayPayは白木屋や和民、メガネドラッグなどで利用でき、ファミリーマートなども近日対応予定となっている。総額100億円を還元する「100億円あげちゃうキャンペーン」を12月4日から2019年3月31日まで実施。1回のPayPay支払いごとに、最大20%がPayPay残高に還元されるという(上限はひと月5万円)。
Origami Pay(オリガミ ペイ) KFCなどで使用できる
Origami Payは、2012年に設立されたOrigami株式会社が提供する決済サービスで、店舗でアプリのバーコードを提示することで決済が可能だ。クーポンやキャンペーンを用意しており、活用すればお得に支払いができる。利用できる店舗はローソンやケンタッキー・フライド・チキン、Loftなどがあり、加盟店10万店舗を目指し展開している。
pring(プリン) 伊藤忠が出資
お金コミュニケーションアプリ「pring」は、店舗での支払いの他にも、お金を送る、お金を受け取る、チャージする、銀行口座に戻すといったことができる。チャージすることでQRコードを使って店舗での支払いが可能。伊藤忠商事が株式会社pringに出資し、伊藤忠傘下のファミリーマート店舗などへ展開される予定である。
その他のQRコード(バーコード)決済
その他のQRコード決済としては、今までネット通販で普及してきた「Amazon Pay」もQRコード決済に対応し、実店舗への導入を進めている。EPOSカードのQRコード決済「EPOS Pay」は東京・中野の飲食店を中心に展開。また、ドコモやソフトバンクグループに続き、auもQRコード決済を準備中だ。
QRコード決済が普及すれば、キャッシュレス社会の実現を後押しすることになる。ただし、様々な決済アプリが乱立することで、アプリの使い分けが必要となり不便さへと繋がる。どこでも使えるQRコード(バーコード)決済の仕組みを望みたい。
文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)
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