進化する魚の鮮度保持

生鮮食品であり、水分の多い食材である鮮魚は非常に鮮度落ちが早いという欠点があります。そのため冷蔵技術がなかった頃は、生かしておく以外の保存方法は限られていました。

古くは煮干しや丸干しなどの乾燥品や、塩漬け、燻製などに加工され保存されていましたが、生のものと比べると味や風味が大きく変わってしまうという難点がありました。やがてご飯とともに漬けて発酵させる「熟れ寿司」が生まれ、さらに酢漬けなど生に近い状態で保存するための技術も生まれていきました。

「魚の旨みを保つ」水槽(イケス)が開発 活性下げると鮮度がアップ?
(画像=様々な保存技術が生み出されてきた(提供:PhotoAC)、『TSURINEWS』より引用)

近代になると冷蔵、そして冷凍技術が発達し、鮮魚のまま長期間保存できるようになりました。しかしそれでも、冷凍された魚はどうしても解凍時に味が落ちてしまいます。そのため生食文化を持つ我が国においては、冷凍技術だけでは飽き足らず他の技術が探し続けられてきたのだといえるでしょう。

今後も驚くような魚の保存技術が次々と開発され、より美味しい魚が食卓に届きやすくなっていくのではないかと思います。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

提供元・TSURINEWS

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