40代ならすでに社会人生活も20年ほどになっていて、本来であればバリバリ働く働き盛り。
しかし、40代ニートの割合は大きく、仕事をせず家に引きこもってしまっている人たちもたくさんいます。
なぜ、40代ニートは多いのでしょうか。
そこには、「ニートを辞めるにも仕事が見つからない」という深刻な問題があるのです。
今回の記事では、
- 40代ニートが増える原因
- 40代ニートが逆転就職する方法
について解説していきます。
ユーくん 40代でニートになっちゃうと、さすがに再就職も厳しそう。逆転就職なんてできるのかな。
ダルマちゃん 大事なのはきちんと作戦を立てて行動することだよ。40代の脱ニートは簡単ではないけれど実現することは可能なんだ!
40代ニートの割合

実際のところ40代ニートは本当に多いのか、という点について解説していきましょう。
ニートと言えばその生活スタイルは「引きこもり」になっているケースがほとんど。
そこで、全国の引きこもり状態にある人たちの年齢に注目してみました。
▼引きこもり状態になった年齢の調査結果
30代以下 | 40代以上 |
54万1千人 | 61万3千人 |
このデータを見ると、引きこもり状態になった年齢においては、30代以下よりも40代以上の方が多いことが分かります。
ユーくん 引きこもりってなんとなく若い人のイメージだったんだけど、40代以上の方が多いんだ。意外だったかも!
全国のニート人口は約94万人と言われています。
上記のデータから40代以上の引きこもり人口が61万3千人であることが分かります。
つまり、引きこもりの多くがニートであると考えると、ニート全体に占める40代以上の割合はかなり多いことになるのです。
40代ニートが増える5つの原因

なぜ40代のニートは増えてしまっているのでしょうか。
そこには5つの明確な理由があります。
ここでは、40代ニートが増える主な原因について解説していきます。
1.ニートの継続期間と就職率には大きく関係がある
40代ニートが就職するのは難しく、ニートを辞めて社会復帰したいと思っても就職できず結局ニートを続けている人が多いのです。
ニートの継続期間が長くなれば、就職率はどんどん下がってしまいます。
さらに年齢も重ねていくことになるため、時が経つにつれてさらに就職が難しくなるという悪循環に陥ります。
以下はフリーターから正社員就職する場合の就職率を、フリーターの継続期間をもとに示したものです。
▼フリーター期間別に見る正社員になれた者の割合(20~29歳)

ダルマちゃん 全体的に右肩下がりのグラフだよね。
ユーくん フリーターから正社員を目指すなら半年以内がベストってことかぁ。
フリーター期間が、
- 長ければ正社員就職率は下がる
- 半年以内なら就職率は6割以上
- 1年を超えると就職率が約5割に低下
- 3年を超えると就職率は4割を切る
という結果。
フリーターは雇用形態がアルバイトであるだけで、働いています。
働いていないニートの状況は、このデータよりもさらに厳しくなるものと考えられますね。
つまり、40代ニートはニート継続期間が長くなる傾向にあり、長くなることによりさらに就職がしにくくなると言えるのです。
2.未経験人材の価値は新卒の時期から下降していく
未経験OKの求人を見かけることは多いですが、未経験で最も採用されやすいのは新卒です。
なぜなら新卒は、
- 他社に染まっていない
- 年齢的に若く柔軟なマインド
- 後輩として教育指導しやすい
という特徴があるからです。
他の会社の風土に染められていない新卒は、まさにまっさら。
就職すれば、その会社の企業理念をぐんぐん吸収して、企業の風土にもすぐになじみます。
ユーくん 確かにその会社しか知らなかったら比較対象もないもんね。なるほど。
そして、年齢的に若い新卒は、企業の組織にもうまくフィットします。
20代の先輩社員が40代の新人を教育するのはなんとなく不自然ですが、新卒の新人ならその心配もありません。
最も採用されやすい新卒のタイミングを逃すと、人材としてのあなたの価値は下がる一方です。
ダルマちゃん 新卒が最高なら、40代ニートの人材としての価値がどれくらい下がっているかは想像できるよね。
3.メンタル的に新人を経験するのが恐い
40代ニートが就職できない理由の1つに、「今さら新人として働くことに対する拒否反応」があります。
仮に運良く就職できたとしても、自分よりもかなり若い社員に教育されることを考えるとなんとなく「嫌だ」と思ってしまうのです。
加えて、新しい仕事にゼロからチャレンジすることに対する恐怖心もあります。
精神的な面で、新人からやり直すことが怖くなり、ずるずるニート期間を継続させてしまうのは40代ニートの特徴でもあります。
4.専門的なスキルを必要としない職歴が多い
40代ニートが再就職する場合、何かの専門スキルがあればそれを武器にして就活することができます。
しかし、スキルがない40代ニートは人材としての価値が非常に低いため、なかなか就職先が見つからないという状況に陥ります。
ニートの前職がどのようなものであったのかを調査した結果をご覧ください。
▼ニートの人たちの過去の職業歴
業種 | 割合 |
専門技術職 | 3.1 |
事務職 | 9.4% |
営業販売職 | 22.8% |
サービス職 | 31.1% |
保安職 | 0.8% |
農林漁業職 | 2.4% |
運輸通信職 | 4.6% |
生産労務職 | 25.1% |
その他 | 0.6% |
参照:財団法人社会経済生産性本部 「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調査研究報告書」
ダルマちゃん 販売・サービス・生産労務職が圧倒的に多いね。スキルとしてアピールできるものがない職種ばかりだ。
ニートはニートになる前に、専門スキルを身につけられる仕事を経験していないケースが圧倒的に多いのです。
逆に言えば、専門スキルが身に付く仕事に就いていた人たちは仕事を辞めてもニートにならず、すぐに転職先を見つけているとも考えられます。
スキルが身に付く職歴を持っていないことが就活に影響を及ぼしてしまい、結果的にニートにならざるを得なくなった40代ニートは非常に多いのです。
5.企業側が欲しい人物像の逆を行ってしまっている
就職を叶えるためには、企業が欲しい人材と自身の特徴がマッチしている必要があります。
一般的に、企業が欲しがる人材の特徴を挙げておくと、
- スキルや実績がある
- 年齢が若い
- 人当たりが良く強調性がある
以上の3つが企業の求める人材の基本条件。
一方で40代ニートの特徴としては、
- スキルや実績がない
- 年齢が若くない
- 社交性に欠ける
以上のようなものが挙げられます。
ユーくん 企業が欲しがる人と40代ニートの特徴、真逆だね。
このように、企業が求める人材と完全に真逆なのが40代ニートなのです。
就職しようにもなかなか就職できずにいる40代ニートが多いのも納得ですね。