1904年の創業以来スイス製機械式時計を作り続ける“ORIS(オリス)”は、独立時計メーカーとして、独自の流儀を貫いている。
 今年開催されたWatches&Wonders 2022においては、21年に自社で開発・製造したキャリバー400を搭載した“プロパイロットX キャリバー400”を発表した。

》キャリバー400はなにがすごいのか

【2022年新作時計速報】オリス|最新“プロパイロットX キャリバー400”は3型のカラーダイアルで展開
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

・ツインバレル機構による5日間のロングパワーリザーブ
 2.5日分のパワーリザーブを備えるゼンマイを二つ装備したツインバレル構造。これにより木曜日に時計を外したとしても、火曜日まで針は動き続けている。

・スライドベアリングの採用によりローター機構が安定
 ローターの動きを支えるボールベアリングを、摩擦抵抗が少ないスライドベアリングに変更。これは金属のスタッドが、潤滑油を塗ったスリーブ内を移動する仕組みである。
 効率が良くパーツ同士の摩耗も軽減するため、故障リスクを下げることができるのだ。

・高度な耐磁性
 シリコン製ガンギ車やシリコン製アンクルなど、30以上のパーツを非金属または耐磁性素材へ変更。
 精度に影響を及ぼすと言われている磁場が50〜100ガウスであるのに対し、キャリバー400を搭載した時計を2250ガウスの磁気に丸1日晒した後も日差10秒以内であることをテスト。これを見事クリアしている。

・10年間の品質保証とオーバーホール推奨期間
 以上三つの最新技術を取り入れたキャリバー400。ブランドはこのムーヴメントに絶対の自信をもっている。
 そのため同シリーズの製品には、マイオリス登録を条件に、10年間の保証が付属される。
 さらに外的要因などによる損傷や防水機能検査などを除いて、ブランドが推奨するオーバーホール推奨期間は10年と長い。これがオリスの新基準となるのだ。

》シンプルで無駄のない表情に、カラーダイアルの組み合わせ

【2022年新作時計速報】オリス|最新“プロパイロットX キャリバー400”は3型のカラーダイアルで展開
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

 新作にはそんなキャリバー400が搭載されているため、信頼性は折り紙付き。以下からはデザインについて深掘りする。

 新作はグレー、ブルー、サーモン文字盤の3型で登場。ちなみに2019年に発表された同ライン、“プロパイロットX”はスケルトン文字盤仕様である。表と、シースルーバックの裏の両方から機械的な動きを見ることができる男心くすぐられる仕様であったのに対し、今作は時計業界のトレンドとも言えるカラーダイアルで登場した。
 なお“プロパイロット”コレクションに共通する、斜めに刻みの入った特徴的なベゼルと、シャープな形状のブレスレットは踏襲されている。

 ケース径は40mmを切り、39mm径で展開。ケース及びブレスレットはチタンが用いられているため非常に軽い着け心地を提供してくれるだろう。

 文字盤に使用された3色すべて、やや暖かみを感じさせる色味であるため、様々なスタイリングにおいて嫌味なく使いこなせそうだ。