「ワインド」と「ただ巻き」の使い分け
タチウオゲームには、ワームの釣り方で、主には二つの釣り方があります。
「ワインド」の釣り
ワインドとは、ワームを動かす釣りです。朝夕のマヅメ時の主体になります。大体90~120mmのワームを専用のジグヘッドに装着し、ロッドを上下に動かします。専用のヘッドを使っていれば、水中でワームが左右に跳ねるように動き、このアクションに弱いタチウオが飛びついてきます。
ワインドは本番一発でできるものではありません。慣れてしまえば簡単なのですが、魚がいるレンジ(水深)をとる準備段階や、どれくらいのワインド幅で魚の反応があるかなどを確認する作業を入れると、アタリから魚を掛けきるまでには、最低2回以上の釣行が必要だと考えた方がいいでしょう。
筆者としては、もっとも軽量クラスの7gのヘッドに100mm前後のワームをつけて、5のレンジ、10のレンジくらい、つまり「根掛かりしない水深」で練習することをおすすめします。ロストしてしまうと、一気にやる気が失せるので、それくらいの浅い水深でまず技術を手に慣らしてしまいましょう。
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ワインドのコツはいろいろありますが、基本的なやり方を言うと、リールのハンドルを押し込む反動でサオ先を上げる、というイメージで右手左手を連動させながらやると、うまくジャーク(ワインド)できます。2回程度のジャーク、その後のレンジキープ、またはフォール、どこかで食ってきます。
しかしワインドは魚がスレやすいという危険もあります。そして人的プレッシャーの蓄積で、魚でなく、だんだんと「場がスレていく」傾向にあります。そうなるとワインドの釣りも無効になるので、やはりシーズン初冬の秋が何よりデビューに最適なのです。
「ただ巻き」の釣り
夜のタチウオのワーミングでは、「ただ巻き」も非常に有効です。というか、魚がスレきってしまうと、ワームのただ巻きしか通用しません。
「ただ巻き」はそのまんま、レンジを入れて、リグを巻くだけです。シャッドテール(くるくると尾が回るテール)も有効ですが、スレきっている場所では、なるべくサイレントな波動のピンテールワーム(尾が回らない、または少し震える程度)をおすすめします。
アクションよりレンジが重要
ここまで、あえてアクションについて細かい解説をしていません。1シーズン目はアクション面の細かい操作よりも、とにかく「レンジを釣る意識」を持つことの方が重要だと筆者は考えています。
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タチウオはその獰猛な顔つきからガサツな魚に思われがちですが、意外にナイーブな面があります。実は捕食もヘタで、先イトやリーダーはおろか、なんとPEライン本線に食ってきて切ってしまうことも。ちゃんとハリ掛かりさせるためには、何よりレンジの意識を持つことが大事です。アクション面で言うならば、アクションさせた後の「止め」や「フォール」の方が重要で、ここで食ってきます。
「レンジを釣る」とはどういうことか?話は簡単です。着水してリグを沈めて5のレンジ、10のレンジくらいを、沈めすぎず浮かせすぎず、丁寧にレンジキープしながら釣ってみてください。大事なのは、根掛かりしないことと、場の見切り。活性の高いタチウオはそんなに深いレンジに入らず表層~中層上くらいを意識しているので、水深を深追いせず、釣る範囲を区切ってポンポンと次の場所に移る方が効率的です。